2017年10月31日火曜日

これ一冊で、あなたもスパイディ博士!? 専門的すぎる事典です!


「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!
秋を通り越して、「もう冬?」な気配になってしまった今日この頃ですが、みなさんお元気でしょうか? 編集部ではこんな肌寒さなんて吹き飛ばすような、激アツ書籍ができ上がりました!

今回ご紹介するタイトルは、先月18日ごろ発売となったばかりの『スパイダーマン大全[増補改訂版]』です。
●表紙
『スパイダーマン大全[増補改訂版]』
マシュー・K・マニング、トム・デファルコ[著]
光岡三ツ子、富原まさ江[訳]
定価:本体3,600円+税
●好評発売中●


スパイダーマンといえば、8月には映画最新作『スパイダーマン:ホームカミング』が公開され大ヒットを飛ばしたところ。真っ二つに割れたフェリーの裂け目にウェブを発射し、沈没していく船を糸の束と腕の筋力で支えようとするシーンに思わず歯を食いしばったなぁ、などと思い出す方も多いのではないでしょうか。その公開に合わせて、弊社からもその前日譚となる『スパイダーマン ホームカミング:プレリュード』を発売、現在好評をいただいています。

●表紙
『スパイダーマン ホームカミング:プレリュード』
ウィル・コロナ・ピルグリム[作]
トッド・ナウク他[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●

このスパイダーマンがコミックスに初めて登場したのは1962年8月の『アメイジング・ファンタジー』15号なので、今年でもう55年。半世紀以上も世界中で愛されるという、「超」の付く人気キャラクターとなっています。本書は2012年に刊行した『スパイダーマン大全』の改訂版で、新たな情報をアップロードしました。
あまりに情報が多岐にわたるので、まずは本書を要約するなら、こんな感じです。↓

放射線を浴びたクモに咬まれ、超人的な力を得てスパイダーマンとなったピーター・パーカーは、なぜ世界中に人々から愛され続ける“親愛なる隣人”となったのか?
本書はそのすべての秘密を徹底解説する。スパイダーマンの能力、コスチューム、ウェブ・シューターをはじめとするガジェットの詳細はもちろん、スパイダーマンに関わる無数のキャラクターたちも解説。さらに『アベンジャーズ』など、スパイダーマンが参加しているヒーローチームの情報も記載。アイアンマンやキャプテン・アメリカなどとの意外な関係性まで知ることができる。
ファンが求めるすべてを網羅した、最新にして完全保存版のガイドブックである。



インデックスから伝わる超専門性
「すべて」とはちょっと乱暴かもしれませんが、巻末のインデックスを見ていただければ、納得していただけるはず。なにせ、友人や家族の名前に宿敵、チーム仲間のほか、独自の能力だったりと、4ページにわたって700以上の固有名詞がびっしりと並んでいます。

これだけの関連ワードを知り覚えれば、読者はもうスパイダーマンその人と言ってもいいかもしれません。興味をもったワードがあれば、そのページから読み進めてもまったく問題なし。本書は事典ですので、ページ順に読むというより、気の向くままにそのページから、という楽しみ方がおすすめです。スパイダーマンという広大な世界を満喫するには、決まった入り口もコースもありません!


年代順にストーリーもキャラクターもわかる
本書の構成は、スパイダーマンの誕生から現在まで、つまり1960年~2000年代を順を追って10年ごとに構成しています。その年代ごとに登場する人物やおもな出来事を紹介するという内容なので、彼の歴史が把握しやすくなっています。

具体的な項目は、次のとおりです。

【1】主要コミックの内容
制作スタッフのクレジット、メインキャラクター、サブキャラクター、メインロケーション、作品背景、ストーリー、あらすじを掲載。

【2】主要キャラクターに関するデータ
オリジン、印象に残るセリフ、初登場、本名、参加チーム、特殊パワー/能力などのキーデータ、おもな能力についてのより具体的な説明を掲載。

【3】主要ストーリーを解説
敵との出会いや対決、そのキャラクターの能力や性格などの詳細をトピックとして解説。

たとえば60年代でしたら、
【年代ごとのトビラ】
トビラ絵として、1967年8月『アメイジング・スパイダーマン』51号のイラスト
見開きで掲載。

【主要コミック】
1963年3月『アメイジング・スパイダーマン1号』、1966年2月『アメイジング・スパイダーマン』33号のストーリーなどを掲載。

【主要キャラクター】
カメレオン、バルチャー、ドクター・オクトパス、サンドマン、リザード、エレクトロ、ミステリオ、グリーンゴブリン、クレイブン、シニスター・シックス、スコーピオン、ライノ、メリー・ジェーン

【主要ストーリー】
ハルク VS. スパイダーマン


ドクター・オクトパスから見えるキャラクターの奥行き
「具体的にはどんな内容?」ともっと知りたい読者のために、特別に一部を紹介します。たとえば「ドクター・オクトパス」のページでは、彼のオリジンはこんなふう記載されています。

子ども時代のオットー・オクタビアスは、シャイで繊細な本の虫だった。勉強熱心な生徒で、のちに世界で最も危険人物となるとは想像もつかないようなタイプだった。オットーの母、メリー・ラヴィニア・オクタビアスは息子に高い期待をかけており、ただの工場労働者である父親のようになってほしくないと思っていた。オットーは母を喜ばせるために科学者になることを決め、核研究を専門にした。~(略)

あるキャラクターのオリジン一つとってみても、彼の背景が真に迫って描かれ、もはや「ただの悪役」ではありません。「実在するのではないか」と思わせるほどのキャラクターのふくらみがあって、もはやスパイダーマンの豊かな世界を構築する要素の一つとして存在します。この点が、ストーリーを展開するコミックとは異なり、徹底解説するこの事典ならではの価値だと思うのです。


「それ知りたい!」に応えるコンテンツが盛りだくさん
本書では年代ごとの構成に入る前に、スパイダーマンの概要、というより、「基本のき」とも言える内容が盛り込まれています。その内容をぜひお伝えしたく、目次を一部紹介します。

・コスチューム
・大いなるパワー
・織りなされるスパイダーウェブ
・ピーター・パーカー
・ピーターの家族と友人たち
・デイリー・ビューグル新聞社
・スパイダーマンの様々な職業
・ホリゾン研究所
・人生の難問
・スパイダーマンが愛した女性たち
・アメイジング・フレンズ
・スパイダーマンのチームアップ遍歴
・宿敵たち

ファンならこの目次を見ただけで、「ここ読みたい!」になるのではないでしょうか。スパイダーマンの重要な要素がテーマとしてまとめられ、「そうだったのか!」と膝を打つような深ぼりした解説を展開。スパイダーマン初心者であれ、古くからのファンであっても、その好奇心を満たしてくれる多彩なコンテンツが揃っていて、「細部を知る」というファンならではの楽しみにあふれた内容になっています。


笑ってしまうほど細かすぎる年表
どこから読んでも楽しめますが、早めにぜひ目を通していただきたいのが「タイムライン」(年表)です。家族での出来事や事件、宿敵との出会いや対決、女性との出会いや交際の様子など8ページにわたって展開されるスパイダーマンの経歴は、ヒーローの活躍史だけではなく、ピーター・パーカーの私的生活にも踏み込んでいて、この人物の成り立ちを一気に教えてくれます。

でもこの年表、ちょっと細かすぎるところもあり、「えっ、こんなことまで公開してしまうの?」と思わずツッコミを入れたくなってしまいます。

たとえば、
●スパイダーマンはファンタスティック・フォーに参加を申し入れようとするが、給料が出ないことを知ってすぐに撤回する。
●ドクター・オクトパスがメイおばさんと結婚しそうになったのを危ういところで止める。
●ピーターは慰めを求めてメリー・ジェーンと会い、「パーティーガール」とあだ名される彼女の別の面を見る。


こんなふうに「これ、必要?」と取るに足りない彼の恥ずかしい部分まであますところなく公開されているので、クスッと笑いつつも、ピーターの人柄までよく伝わってくる内容になっています。経歴を事務的に伝えるだけでないところに、著者のスパイダーマンへの並々ならぬ愛情が感じられて、「やっぱりマーベルの事典だ!」と膝を打つ思いでうれしくなってしまいます。


「まえがき」はファン必読のコンテンツ
膨大に詰め込まれたコンテンツの中で、特におすすめが「まえがき」です。スパイダーマンおよびマーベルのファンにとって、必読のページと言ってもいいかもしれません。書き手は、この人気キャラクターの生みの親であるスタン・リー! 彼自身が「スパイダーマンが多くの読者の心や感情を、本当に強くつかんでいるのはなぜか」を分析。人気の秘密をシンプルかつ明快に語っています。ストーリーでも作品でもなく、1キャラクターについて存分に語る内容は貴重で、スパイダーマンの原点に触れているように感じられるのです。


最新情報を加え、16ページ増の改訂版
本書は、2012年刊行『スパイダーマン大全』の増補改訂版です。スパイダーマンとピーターの最新動向を追えるよう、16ページ増やして最新の情報をアップロードしています。追加された内容はおもに下記のとおりです。

【主要ストーリー】
・スパイダー・アイランド
・スペリアー・スパイダーマン
・スパイダーバース

【主要コミック】
・アメイジング・スパイダーマン700号(2012年12月)
・アメイジング・スパイダーマン1号(2015年12月)

【主要キャラクター】
・シルク
・スパイダー・グウェン

コミックスに映画に、今後もさらなる活躍が期待されるスパイダーマン。この1冊を手元に置いておけば、すでにあなたもスパイディ博士! きっと今まで以上にスパイダーマンの世界を楽しめるはずです!

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)