2017年9月5日火曜日

新生ジャスティス・リーグが誕生! 今度は、地球壊滅の危機に立ち向かう!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

9月に入っても暑さが続き、夏バテで…なんて方も多いのではないでしょうか。そんな疲れを吹き飛ばしてくれるようなアメコミを、今週も紹介していきます。

■映画『ワンダーウーマン』がヒット中!
先月末に映画『ワンダーウーマン』がついに日本でも公開され、たいへん人気を呼んでいます。全国596スクリーンで公開、興行収入も20億円に達する勢いの好調なスタートのようで、ワンダーウーマンというキャラクターを知らなかったアメコミ初心者もたくさん詰めかけているようです。

「女性をヒーローにした映画はヒットしにくい」などという映画業界の定説を打ち破り、結果は見事成功。アメリカ本国で長く親しまれてきたこのキャラクターが日本でも幅広い方々に認知され支持されているのは、なんともうれしいかぎりです。

しかも、この盛り上がりは秋から来年まで続きそうです。彼女がチームの一員として活躍する映画『ジャスティス・リーグ』が11月23日に、そしてリーグのまた別の一員『アクアマン』が来年公開の予定となっています。
DCコミックスに登場するキャラクターを主人公にした映画が今後も相次ぎますので、その元となるコミックスの魅力をどんどんお伝えしていきます!

■「リバース」にジャスティス・リーグが登場
さて今回ご紹介するタイトルは、明日発売となる『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』です。ワンダーウーマンもこのリーグの一員として活躍するので、以前からのDCファンはもちろん、公開中の映画で「彼女にハマッた!」、「強い女性っていいよな…」などとワンダーウーマンのとりこになってしまったDCコミックス初心者にもぜひ読んでいただきたい作品です。


●表紙
『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』
ブライアン・ヒッチ[作]
トニー・S・ダニエル、ブライアン・ヒッチ、へスス・メリノ[画]
定価:本体2,300円+税
●9月6日頃発売予定●


「リーグってなに?」、「ほかのキャラクターなんて全然知らないよ」、「これまでの流れも知らないし…」なんて方でも大丈夫。予備知識なしでも分かりやすく読める内容に仕上がっていますので、過去の作品をおさらいする必要もありません。

この作品、DCコミックスの最新シリーズである「DCリバース」という新体制の内容となります。先月初旬に刊行した『DCユニバース:リバース』を皮切りに、下旬には『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』を発売しており、弊社ではこの「DCリバース」シリーズを順次刊行していきますので、ぜひお楽しみに。


●表紙
『DCユニバース:リバース』
ジェフ・ジョーンズ[作]
ゲーリー・フランク他[画]
定価:本体1,500円+税
●好評発売中●


●表紙
『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』
ピーター・J・トマシ他[作]
パトリック・グリーソン他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

●表紙
『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』
グレッグ・ルッカ[作]
リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●



2011年9月に行った「NEW52!」シリーズでのリランチは、それまでの設定自体を大幅に変更したものでしたが、今回のリバースは一部設定の変更はあるものの、基本的にNEW52!の設定を引き継いだ、いわば「新章突入」というステップです。
そして本作品は、新章「リバース」でのジャスティス・リーグ1巻目ということになります。

■「絶滅装置」が発動!?
さて、リバース第1弾ではこれまでにない新たな物語、いえ危機が展開します。

以下、本書紹介文より引用。
スーパーマンは第二の故郷である地球を守って殉死し、残されたジャスティス・リーグは、スーパーマン不在のまま戦いを続けることになった。そんななか、彼の後釜を継ぐべく、別世界から“経験豊富なスーパーマン”がやって来た。
はたして、新生ジャスティス・リーグは、チームとして機能するのか? いや、今すぐ機能させなければならない。なぜならば、リーグ史上最大の半神存在が到来したからだ。
恐るべき破壊兵器が活動を始めるとともに、地球が崩壊の危機を迎え、人類が生体兵器へと作り変えられていく……。その絶滅装置を阻止するためには、ジャスティス・リーグ全員の力が必要だ!


要は、「エクスティンクション・マシン=絶滅装置」がはるか以前より地球内部に埋め込まれており、それが作動したことにより、世界各地で大地震や津波が起こり始めます。そんな自然災害から人々を守るために、リーグは各地へ赴き救助活動にてんやわんや。同時に、装置破壊に奔走することにもなる、というストーリーです。

■8人体制となった新生ジャスティス・リーグ
新章に突入ということで、リーグのメンバーが一部変更となりました。NEW52!(リランチ)の時には、ジャスティス・リーグのメンバーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ、フラッシュ、グリーンランタン(ハル・ジョーダン)という7人体制(男6・女1)でしたが、リバースではハルの代わりに2人の新人グリーンランタン(サイモン・バズ(黒人男性)とジェシカ・クルーズ(白人女性))が加入。さらにNEW52!版スーパーマンが死亡したことにより、新スーパーマンが加入し8人体制(男6・女2)となり、組織としても増員、パワーアップが図られたわけです。

このスーパーマンの変更が、本作においては重要なポイントとなります。そう、敵を倒すとか、人々を救援するというメインストーリーのほかに、「リーグは一致団結できるのか」というサブストーリーを形成し奥行きをもたらしています。
「NEW52!」のスーパーマンと外見は似ているものの、年齢は今回のほうが上。約10年前に現行世界にやって来ましたが、表舞台での活躍はせず隠棲していました。そのため、バットマンなど他のメンバーたちにとってはほとんど赤の他人なのです。

■新スーパーマンは仲間になれるのか?
実際、作中では、スーパーマンは「彼らは私の友人じゃない」と関わりを避けるし、バットマンはリーグのメンバーに対して「あの男から目を離したくない」と警戒心バリバリだし、心のなかでも「信頼できない」、「この男の存在は我々を傷つけるかもしれない」とスーパーマンの加入を認めようとしません。

このように、リーグの中核であるスーパーマンはメンバーの自覚はないし、やる気もないし、バットマンは心を許さないという状態で、読者としては「えっ! こんな雰囲気で大丈夫?」という不安がどんどん募ってくるのです。その溝が埋まらない間にも事態は深刻さを増していくため、ストーリーがよりスリリングに展開していきます。読んでいる第三者としては、「仲間割れしている場合じゃないよ!」と両者に大声で叫びたくなってくるのです。

そして、変更となったもう一つのキャラクターがグリーンランタン。新人二人が加入したのですが、「経験はないけれど、その分、体力でカバーしてます」とでもいうように、体力にまかせて全力であちこちを駆け回る活躍を見せます。なにより特筆すべきは、男性グリーンランタンのサイモン。このキャラクターの面白さが料理の隠し味に使うスパイスのように、ストーリーにぴりりとよく効いているのです。詳しいキャラ説明は、後ほど「見どころ」で。

ジャスティス・リーグという超人たちのチームプレーが展開するので、どこをどう読んでも読者それぞれの楽しみ方ができますが、とくに「ここに注目!」という見逃せないポイントをご紹介します。


■【見どころ1】 緻密な作画による壮大なアクション
ストーリー自体が地球崩壊までのカウントダウンという内容のため、世界各地で大規模な自然災害が起こります。それにしたがって、絵も規模の大きなものになります。たとえば、高層ビルが崩壊し大量の瓦礫が降っているシーンやビル群に流れ込んでくる大洪水、謎の飛翔物体が大群で舞い市民を襲うシーンなど、人や建物、風景が圧倒的な物量で詰め込まれており、それが実に緻密に描かれています。

しかも単に詰め込んだ、というだけでなく、人や物の構図が「自然さ」を度外視した作りによりクールでかっこいいいのです。つまり、見せ場がきちんと一つのアートになっているわけなんです。そんな緻密なコマが臨場感につながり、まるでハリウッド映画の超大作を観ているかのように引き込まれていく感覚を味わえます。

この点でぜひともじっくりと見ていただきたいのが、「CHAPTER2」の始めからわずか7ページで展開されるワンダーウーマンの戦場シーンです。
彼女の飛翔する角度、戦車が空を舞う構図、戦場となった街の壊滅していくさまなど、「かっこいい…」のひと言に尽きます。ひとコひとコマが一幅の絵画のように絵としての魅力にあふれていて、この数ページを見るだけでも、この作品にふれる価値はあるのではないでしょうか。
と同時に、これを忠実に撮影すると映画『ワンダーウーマン』になるなぁ、と思い至り(それはそれで制作者は大変ですが)、映画との親和性の高さをあらためて感じます。

■【見どころ2】 メンバーそれぞれの見せ場がたっぷり
本作で特に注力して描かれているのが、メンバーそれぞれのソロ活躍シーン。ともすると、スーパーマンやバットマンがメインになりがちですが、今回は半歩下がった状態のように抑えられていて、8人それぞれにしっかりと見せ場が用意されています。メイン・サブという区別なく、バランスよく各キャラクターの奮闘が配置されているので、チームプレーが展開される以上に、リーグの組織力や結束感が際立っています。

特にグリーンランタン、フラッシュ、サイボーグは世界各地を飛び回り、八面六臂の活躍を見せるので、予備知識のない方でもそれぞれがどんな能力を持っていて、どのように戦うのかということが、よくわかるようになっています。

■【見どころ3】 的確なタイミングで入る自虐ネタ
このストーリーで秀逸なのは、シリアスさのなかにもオフビートな笑いが随所に盛り込まれていることではないでしょうか。自虐ネタでそのコメディリリーフを担うのが、今回から参加しているグリーンランタンのサイモン。

たとえば、
フラッシュが「ジェシカの到着だ」と言えば、「俺もいるよ」と自分の存在感のなさをきちんとフォローするし、
「ジェシカ、見事だよ」とほかのメンバーが評価されると、「おい、俺も誉めろよ」と自分の仕事を猛烈にアピール。
ほかのメンバーから「慎重に行動してね」と念押しされれば、「俺は慎重だよ」と言った後に、間をおいて「たまに」とぼそりともらすし。
このほかにも、フラッシュは謎の飛翔物体を見れば、「変なヤドカリを吐き出しているんだ。アクアマンなら会話できるんじゃない?」とメンバーをちょっとバカにする始末。
ふっと肩の力が抜けるような会話やセリフが絶妙のタイミングで入ることで、キャラクターの本心や人間関係が浮き彫りになって、ストーリーに奥行きをもたらす効果となっているのです。


この新生ジャスティス・リーグについては、早くも第2巻を編集中です! タイトルは『ジャスティス・リーグ:アウトブレイク』。敵はがらりと変わって、ハッカーです。そしてその次の作品では、あの「スーサイド・スクワッド」が参戦するかもしれません!

新生ジャスティス・リーグの活躍の場はどんどん広がっていきます。今後も超人たちのチームプレイと人間関係の新たな展開をぜひお楽しみに。

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)