2017年8月29日火曜日

ワンダーウーマンとは誰だ?

映画『ワンダーウーマン』ついに公開

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
先週末(8/25)公開の映画『ワンダーウーマン』、もうご覧になりましたか?
アメリカでの前評判の高さから、日本での公開を心待ちにしていたのは私だけではないと思います。
新宿ゴジラロードも、ワンダーウーマンvsスパイダーマンvsゴジラとすごいことになってました。


映画業界では女性ヒーロー映画はヒットしづらいと言われ、ワンダーウーマンは長らく映画化が実現しませんでした。
しかしいざ公開されてみると、アメリカで映画選びの指標となっているレビューサイト「Rotten Tomato」で批評家94%、観客93%の高評価を獲得し、単独ヒーロー映画としては2008年『アイアンマン』や2014年『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』など名だたるヒット作を抑え、歴代No1のオープニング成績を達成するなど、世界中で大ヒットとなってます。



ところで、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンが鮮烈なスクリーンデビューを飾ったのは、2016年公開映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でした。

バットマンが絶対絶命の場面で「Is She with You?」のテーマ曲とともに颯爽と登場するワンダーウーマンにズッキュンしちゃった人も多かったと思います。
(コチラ↓)



あのバトルシーンで、否が応でも翌年公開の単独映画『ワンダーウーマン』への期待が高まりましたが、本映画は見事その期待を裏切らない内容となってます。

ワンダーウーマンで一気に盛り上がったDCフィルムズ・ユニバースは、この後11月23日公開の映画『ジャスティス・リーグ』、来年公開予定『アクアマン』、そして早くも決定した2019年公開予定『ワンダーウーマン2』へとつながっていきます。

日本でも今後ますますワンダーウーマンへの注目が高まっていくのは間違いないでしょう。
そんな中、満を持して8月23日に刊行されたコミックスが、今回ご紹介する『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』です。

グレッグ・ルッカ[作]
リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税
◆好評発売中◆


ザ・ライズ(嘘)という衝撃的なタイトル、そして「ワンダーウーマンとは誰だ?」というそもそも論的な背帯のキャッチコピー。


これは「本当にワンダーウーマンを知っているのか?」っていう私たちへの問いかけです。
確かに彼女の赤と青のコスチュームはインパクト大で印象に残りますが、私たちは彼女を知っているようで知らないんじゃないか?
そこでちょうどいい機会なので、「ワンダーウーマンは何者なのか?」をクイズ形式で自問自答してみたいと思います。


ここで問題です。ワンダーウーマンとは何者でしょう。


問題:DCユニバースの中で、ワンダーウーマンの位置づけは?
答え:
スーパーマン、バットマンと並ぶ"3大ヒーローの一人"です。

そして、その強さはスーパーマンにも引けを取らない、いや、むしろそれ以上かも!?
バットマンが「地球上で最強」と認めるほどの強さです。

とにかく強い、強すぎる…
銃弾を弾き飛ばし、戦車を軽く持ち上げ、あらゆる武術を身に着け、そしてほぼ不死身!

アメリカのエンターテイメント誌「Entertainment Weekly」(2016年10月14日発売号)の特集「最強スーパーヒーロー50選」では、アイアンマンやスパイダーマンなど並み居る男性スーパーヒーローを抑え、ダントツの一位を獲得するほど。

また、彼女の身に着けている武器も相当最強です。
決して壊れることがなく、ゼウスの雷を呼ぶブレスレット。相手の嘘を見破る"真実の投げ縄"。"ゴッドキラー"と呼ばれる剣。そして、砲弾をも跳ね返す盾。
さらに、時代をまたぎ数百の言語を操る能力に加え、「肉体的快楽論」全12巻を読破するほどの好奇心の塊
まさに彼女は史上最強、ワンダー(驚異)な戦士なんです!


問題:ワンダーウーマンの初出はいつ?
答え:
1941年「オールスター・コミックス」という雑誌に始めて掲載されました。

相当歴史がありますね。
そのストーリーは、"女性のみからなるアマゾン族が住むパラダイス島に、ある日外界から、スティーブ・トレバーが乗る飛行機が迷い込み、墜落した。初めて男性を見た王女ダイアナは恋に落ち、彼が元の世界に戻る手助けをする…"という内容で、わずか9ページながら私たちが知っているワンダーウーマンの原型が既に出来上がっていることが分かります。

その後、1970年代のテレビドラマシリーズ「空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」、2009年製作の長編アニメ「ワンダーウーマン」、前述の2016年公開映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でのスクリーンデビューを経て、ファン待望の単独映画として登場したのが映画『ワンダーウーマン』なんです。

なお、「オールスター・コミックス」のワンダーウーマン初出コミックは、映画『ワンダーウーマン』の前売り特典になってたのでご覧になった方も多いと思います。
コチラです↓



問題:ワンダーウーマンは何者なの?
答え:
スーパーマンはクリプトン星人、バットマンは金持ちの人間。でもワンダーウーマンは何者なのか、ちょっと分かりづらい。
見た目は完全に人間です。しかし空を飛べたり、年をとらなかったり、人間のわけがない。

その答えは、少しややこしいんですが、"神の子"です。

3000年間女性のみが暮らすパラダイス島で王女として育ったダイアナは、長らく「粘土から生まれた」という設定でした。映画でもそうです。
しかし2011年に始まったDCの雑誌ニュー52シリーズでは、実はダイアナは母ヒッポリタと神ゼウスの間に生まれた子で、ゼウスの妻である女神ヘラの怒りを避けるために、偽りの出生譚が語られた、ということが明らかにされました。

神ゼウスの子と考えれば、その強さも納得がいきますね。


問題:ワンダーウーマンの恋人、スティーブ・トレバーはどこの国の人?
答え:
ちょっと趣向を変えてライトな問題になります。
答えは"アメリカ人"です。

映画ではイギリス軍に所属して戦ってましたが、設定としてはイギリス諜報部のスパイとして働くアメリカ外征軍の大尉らしいです。
今回ご紹介する『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』でもアメリカ人という設定になってます。


問題:ダイアナの元彼は誰?
答え:
映画ではワンダーウーマンことダイアナは、スティーブ・トレバーと恋に落ちます。そして、現代を舞台にした本書『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』では、ダイアナは中年となったスティーブ・トレバーと再び恋に落ちます。
では、その間ダイアナがつきあっていた男性は誰でしょうか?

実は、"スーパーマン"なんです。
その経緯は、小社から刊行している『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』に詳しく載ってますので、ぜひご覧ください。


『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』では、スティーブ・トレバーとワンダーウーマンの確執や別れも詳しく描かれてますので、映画『ワンダーウーマン』にハマった人は必見ですよ。



本書の見どころ


 見どころ1  映画を見た人にオススメ!

本書は、映画を見てワンダーウーマンに興味を持った人に、次に見るべきワンダーウーマン作品として是非手に取ってほしいコミックです。
その理由は、映画の舞台は1918年、本書の舞台は現代と時代設定に違いはあれど、映画とコミックスにたくさんの共通点があり、映画を見た人にはスッと入りやすい内容になってることです。

ワンダーウーマンの恋人であるスティーブ・トレバーのほか、映画でトレバーの秘書としていい味出してたエッタ・キャンディ、アマゾン族の女王である母ヒッポリタ、そして美しいセミッシラ島も登場します。
小ネタですが、顔のマスクが印象的だったドクター・ポイズンことマリナ・マル博士もセリフの中で少し登場します(P125の4コマ目)。

また本書冒頭では、女性だけのセミッシラ島にトレバーが初めて不時着し、ダイアナが彼を助けて軍神アレスに立ち向かうという、映画でもお馴染みのシーンがダイアナの回想シーンとして描かれます。

さらに、同じく本書冒頭のチャプター1『ワンダーウーマン:リバース』で、ダイアナが真実を求めて新たな戦いに身を投じるシーンで、コスチュームをニュー52版のものからリバース版のものに着替えます。このコスチュームこそ、映画『ワンダーウーマン』のものと同じデザインになってます。


(左)ニュー52版コスチューム/(右)リバース版コスチューム

このように本書は、映画を見た人には大変分かりやすい内容になってます。

ただ、本書は映画との相違点もあります。
まず、時代が現代になっていることです。
また、時間が経った分スティーブ・トレバーが中年として描かれ、身分もアメリカ政府機関ARGUS(アーガス)の上級軍曹(エコー隊の現場指揮官)となってます。
でも、永遠の若さを保つアマゾン族の王女ダイアナは若々しいままなので、ご安心を^^

次に、エッタ・キャンディはトレバーの上官という設定になってます。
ただ、その明るくチャーミングなキャラクターはそのまま。
実は本書で、ある陰謀に最初に気付くのが彼女であり、重要な役割を演じてます。

アメコミでは、シリーズによって基本設定が変わることがよくありますが、映画とコミックスの設定の違いに注目して読むのも面白いです。


 見どころ2  絵がきれい!

アメコミの魅力の一つに、圧倒的クオリティーのアートのような絵柄という点が挙げられます。
ただ、昔の絵柄だったりと、中には正直微妙な絵のアメコミ本もあったりしますが…。

しかしご安心あれ!
本書は全ページフルカラー緻密かつド迫力のアメコミならではハイクオリティーな絵柄全ページにわたって惜しげもなく展開されてますので、決して読者の期待を裏切りません!!
また、巻末のバリアントカバー集も、タッチの違う美しい絵柄ばかりで必見です。

本書巻末バリアントカバー・ギャラリーより


 見どころ3  ワンダーウーマンとスティーブ・トレバーのロマンス!

映画の見どころの一つがワンダーウーマンとトレバーのロマンスです。そのクライマックスとなるシーンが、ドイツ軍からの解放を祝う村のお祭りの最中、チャーリーが弾くピアノをバックに二人がダンスするシーンだったと思います。

本書でもそれに匹敵する、感動のラブシーンが描かれてます。

久しぶりに再会を果たした二人が、戦いの後の束の間の休息時、私服に着替え、夕日をバックに語り合うシーンです。
立場と価値観の違い、いやそもそも種族の違いからすれ違ってきた二人が、お互いの思いをさらけ出し、誤解やわだかまりが解け、二人は自然と求め合います。


ていうか、私服のダイアナ超かわいいッス


 見どころ4  チーターとの友情!

映画には登場しませんでしたが、ワンダーウーマンシリーズの主要キャラの一人がチーターことバーバラ・アン・ミネルバです。本書では、チーターとワンダーウーマンの宿命的な友情が深く描かれてます。
美しいアフリカの密林を舞台に、過去の因縁からワンダーウーマンを深く憎むチーターと、彼女を友人として愛し続けるワンダーウーマンの絡みは、何やら妖艶でエロチックですらあります。


本書後半のクライマックスがワンダーウーマンとスティーブ・トレバーの純愛なら、前半のクライマックスは、ワンダーウーマンとチーターの愛憎交錯する友情でしょう。
(なお、中盤のクライマックスは、ワンダーウーマンが武装勢力の親玉カデュロと太古の密林神ウズルカルタガを倒すバトルシーンですが、詳細は割愛させていただきます。^^;)


 見どころ5  ミステリアスなストーリー、深まるナゾ!

"ザ・ライズ"(嘘)というサブタイトルが示すとおり、本書は、ワンダーウーマンが事実と信じてきたことに疑いを抱くところから物語は始まります。
そして、味方だと思っていた人物が裏で敵に通じ、故郷だと思っていた場所が実は幻だったのでは?と仄めかされます。
もしかして、全ては偽りだったのか!?
ナゾは深まるばかりです。内容が気になりますね。
さあ、本書が気になってきたあなた、映画の次はコミックスでワンダーウーマンを堪能しましょう!
(文責・小出)


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