2017年8月29日火曜日

ワンダーウーマンとは誰だ?

映画『ワンダーウーマン』ついに公開

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
先週末(8/25)公開の映画『ワンダーウーマン』、もうご覧になりましたか?
アメリカでの前評判の高さから、日本での公開を心待ちにしていたのは私だけではないと思います。
新宿ゴジラロードも、ワンダーウーマンvsスパイダーマンvsゴジラとすごいことになってました。


映画業界では女性ヒーロー映画はヒットしづらいと言われ、ワンダーウーマンは長らく映画化が実現しませんでした。
しかしいざ公開されてみると、アメリカで映画選びの指標となっているレビューサイト「Rotten Tomato」で批評家94%、観客93%の高評価を獲得し、単独ヒーロー映画としては2008年『アイアンマン』や2014年『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』など名だたるヒット作を抑え、歴代No1のオープニング成績を達成するなど、世界中で大ヒットとなってます。



ところで、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンが鮮烈なスクリーンデビューを飾ったのは、2016年公開映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でした。

バットマンが絶対絶命の場面で「Is She with You?」のテーマ曲とともに颯爽と登場するワンダーウーマンにズッキュンしちゃった人も多かったと思います。
(コチラ↓)



あのバトルシーンで、否が応でも翌年公開の単独映画『ワンダーウーマン』への期待が高まりましたが、本映画は見事その期待を裏切らない内容となってます。

ワンダーウーマンで一気に盛り上がったDCフィルムズ・ユニバースは、この後11月23日公開の映画『ジャスティス・リーグ』、来年公開予定『アクアマン』、そして早くも決定した2019年公開予定『ワンダーウーマン2』へとつながっていきます。

日本でも今後ますますワンダーウーマンへの注目が高まっていくのは間違いないでしょう。
そんな中、満を持して8月23日に刊行されたコミックスが、今回ご紹介する『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』です。

グレッグ・ルッカ[作]
リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税
◆好評発売中◆


ザ・ライズ(嘘)という衝撃的なタイトル、そして「ワンダーウーマンとは誰だ?」というそもそも論的な背帯のキャッチコピー。


これは「本当にワンダーウーマンを知っているのか?」っていう私たちへの問いかけです。
確かに彼女の赤と青のコスチュームはインパクト大で印象に残りますが、私たちは彼女を知っているようで知らないんじゃないか?
そこでちょうどいい機会なので、「ワンダーウーマンは何者なのか?」をクイズ形式で自問自答してみたいと思います。


ここで問題です。ワンダーウーマンとは何者でしょう。


問題:DCユニバースの中で、ワンダーウーマンの位置づけは?
答え:
スーパーマン、バットマンと並ぶ"3大ヒーローの一人"です。

そして、その強さはスーパーマンにも引けを取らない、いや、むしろそれ以上かも!?
バットマンが「地球上で最強」と認めるほどの強さです。

とにかく強い、強すぎる…
銃弾を弾き飛ばし、戦車を軽く持ち上げ、あらゆる武術を身に着け、そしてほぼ不死身!

アメリカのエンターテイメント誌「Entertainment Weekly」(2016年10月14日発売号)の特集「最強スーパーヒーロー50選」では、アイアンマンやスパイダーマンなど並み居る男性スーパーヒーローを抑え、ダントツの一位を獲得するほど。

また、彼女の身に着けている武器も相当最強です。
決して壊れることがなく、ゼウスの雷を呼ぶブレスレット。相手の嘘を見破る"真実の投げ縄"。"ゴッドキラー"と呼ばれる剣。そして、砲弾をも跳ね返す盾。
さらに、時代をまたぎ数百の言語を操る能力に加え、「肉体的快楽論」全12巻を読破するほどの好奇心の塊
まさに彼女は史上最強、ワンダー(驚異)な戦士なんです!


問題:ワンダーウーマンの初出はいつ?
答え:
1941年「オールスター・コミックス」という雑誌に始めて掲載されました。

相当歴史がありますね。
そのストーリーは、"女性のみからなるアマゾン族が住むパラダイス島に、ある日外界から、スティーブ・トレバーが乗る飛行機が迷い込み、墜落した。初めて男性を見た王女ダイアナは恋に落ち、彼が元の世界に戻る手助けをする…"という内容で、わずか9ページながら私たちが知っているワンダーウーマンの原型が既に出来上がっていることが分かります。

その後、1970年代のテレビドラマシリーズ「空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」、2009年製作の長編アニメ「ワンダーウーマン」、前述の2016年公開映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でのスクリーンデビューを経て、ファン待望の単独映画として登場したのが映画『ワンダーウーマン』なんです。

なお、「オールスター・コミックス」のワンダーウーマン初出コミックは、映画『ワンダーウーマン』の前売り特典になってたのでご覧になった方も多いと思います。
コチラです↓



問題:ワンダーウーマンは何者なの?
答え:
スーパーマンはクリプトン星人、バットマンは金持ちの人間。でもワンダーウーマンは何者なのか、ちょっと分かりづらい。
見た目は完全に人間です。しかし空を飛べたり、年をとらなかったり、人間のわけがない。

その答えは、少しややこしいんですが、"神の子"です。

3000年間女性のみが暮らすパラダイス島で王女として育ったダイアナは、長らく「粘土から生まれた」という設定でした。映画でもそうです。
しかし2011年に始まったDCの雑誌ニュー52シリーズでは、実はダイアナは母ヒッポリタと神ゼウスの間に生まれた子で、ゼウスの妻である女神ヘラの怒りを避けるために、偽りの出生譚が語られた、ということが明らかにされました。

神ゼウスの子と考えれば、その強さも納得がいきますね。


問題:ワンダーウーマンの恋人、スティーブ・トレバーはどこの国の人?
答え:
ちょっと趣向を変えてライトな問題になります。
答えは"アメリカ人"です。

映画ではイギリス軍に所属して戦ってましたが、設定としてはイギリス諜報部のスパイとして働くアメリカ外征軍の大尉らしいです。
今回ご紹介する『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』でもアメリカ人という設定になってます。


問題:ダイアナの元彼は誰?
答え:
映画ではワンダーウーマンことダイアナは、スティーブ・トレバーと恋に落ちます。そして、現代を舞台にした本書『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』では、ダイアナは中年となったスティーブ・トレバーと再び恋に落ちます。
では、その間ダイアナがつきあっていた男性は誰でしょうか?

実は、"スーパーマン"なんです。
その経緯は、小社から刊行している『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』に詳しく載ってますので、ぜひご覧ください。


『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』では、スティーブ・トレバーとワンダーウーマンの確執や別れも詳しく描かれてますので、映画『ワンダーウーマン』にハマった人は必見ですよ。



本書の見どころ


 見どころ1  映画を見た人にオススメ!

本書は、映画を見てワンダーウーマンに興味を持った人に、次に見るべきワンダーウーマン作品として是非手に取ってほしいコミックです。
その理由は、映画の舞台は1918年、本書の舞台は現代と時代設定に違いはあれど、映画とコミックスにたくさんの共通点があり、映画を見た人にはスッと入りやすい内容になってることです。

ワンダーウーマンの恋人であるスティーブ・トレバーのほか、映画でトレバーの秘書としていい味出してたエッタ・キャンディ、アマゾン族の女王である母ヒッポリタ、そして美しいセミッシラ島も登場します。
小ネタですが、顔のマスクが印象的だったドクター・ポイズンことマリナ・マル博士もセリフの中で少し登場します(P125の4コマ目)。

また本書冒頭では、女性だけのセミッシラ島にトレバーが初めて不時着し、ダイアナが彼を助けて軍神アレスに立ち向かうという、映画でもお馴染みのシーンがダイアナの回想シーンとして描かれます。

さらに、同じく本書冒頭のチャプター1『ワンダーウーマン:リバース』で、ダイアナが真実を求めて新たな戦いに身を投じるシーンで、コスチュームをニュー52版のものからリバース版のものに着替えます。このコスチュームこそ、映画『ワンダーウーマン』のものと同じデザインになってます。


(左)ニュー52版コスチューム/(右)リバース版コスチューム

このように本書は、映画を見た人には大変分かりやすい内容になってます。

ただ、本書は映画との相違点もあります。
まず、時代が現代になっていることです。
また、時間が経った分スティーブ・トレバーが中年として描かれ、身分もアメリカ政府機関ARGUS(アーガス)の上級軍曹(エコー隊の現場指揮官)となってます。
でも、永遠の若さを保つアマゾン族の王女ダイアナは若々しいままなので、ご安心を^^

次に、エッタ・キャンディはトレバーの上官という設定になってます。
ただ、その明るくチャーミングなキャラクターはそのまま。
実は本書で、ある陰謀に最初に気付くのが彼女であり、重要な役割を演じてます。

アメコミでは、シリーズによって基本設定が変わることがよくありますが、映画とコミックスの設定の違いに注目して読むのも面白いです。


 見どころ2  絵がきれい!

アメコミの魅力の一つに、圧倒的クオリティーのアートのような絵柄という点が挙げられます。
ただ、昔の絵柄だったりと、中には正直微妙な絵のアメコミ本もあったりしますが…。

しかしご安心あれ!
本書は全ページフルカラー緻密かつド迫力のアメコミならではハイクオリティーな絵柄全ページにわたって惜しげもなく展開されてますので、決して読者の期待を裏切りません!!
また、巻末のバリアントカバー集も、タッチの違う美しい絵柄ばかりで必見です。

本書巻末バリアントカバー・ギャラリーより


 見どころ3  ワンダーウーマンとスティーブ・トレバーのロマンス!

映画の見どころの一つがワンダーウーマンとトレバーのロマンスです。そのクライマックスとなるシーンが、ドイツ軍からの解放を祝う村のお祭りの最中、チャーリーが弾くピアノをバックに二人がダンスするシーンだったと思います。

本書でもそれに匹敵する、感動のラブシーンが描かれてます。

久しぶりに再会を果たした二人が、戦いの後の束の間の休息時、私服に着替え、夕日をバックに語り合うシーンです。
立場と価値観の違い、いやそもそも種族の違いからすれ違ってきた二人が、お互いの思いをさらけ出し、誤解やわだかまりが解け、二人は自然と求め合います。


ていうか、私服のダイアナ超かわいいッス


 見どころ4  チーターとの友情!

映画には登場しませんでしたが、ワンダーウーマンシリーズの主要キャラの一人がチーターことバーバラ・アン・ミネルバです。本書では、チーターとワンダーウーマンの宿命的な友情が深く描かれてます。
美しいアフリカの密林を舞台に、過去の因縁からワンダーウーマンを深く憎むチーターと、彼女を友人として愛し続けるワンダーウーマンの絡みは、何やら妖艶でエロチックですらあります。


本書後半のクライマックスがワンダーウーマンとスティーブ・トレバーの純愛なら、前半のクライマックスは、ワンダーウーマンとチーターの愛憎交錯する友情でしょう。
(なお、中盤のクライマックスは、ワンダーウーマンが武装勢力の親玉カデュロと太古の密林神ウズルカルタガを倒すバトルシーンですが、詳細は割愛させていただきます。^^;)


 見どころ5  ミステリアスなストーリー、深まるナゾ!

"ザ・ライズ"(嘘)というサブタイトルが示すとおり、本書は、ワンダーウーマンが事実と信じてきたことに疑いを抱くところから物語は始まります。
そして、味方だと思っていた人物が裏で敵に通じ、故郷だと思っていた場所が実は幻だったのでは?と仄めかされます。
もしかして、全ては偽りだったのか!?
ナゾは深まるばかりです。内容が気になりますね。
さあ、本書が気になってきたあなた、映画の次はコミックスでワンダーウーマンを堪能しましょう!
(文責・小出)


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2017年8月22日火曜日

この夏はセミじゃなく、クモが熱い!


「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!


8月も中旬にさしかかり、例年であれば暑い夏らしい日が続いてもおかしくないのに今年は雨が降ったり、気温も10月上旬並みといまいち夏らしさに欠けます……。

あんまり暑い日は厳しいですが、やっぱり夏なんだなって実感できる要素にここのところ欠けるんですよね……。涼しいせいか、近所の公園でもセミもあまり鳴いていません。

そんななか今回は今最も熱いヒーローをテーマにお届けしたいと思います。


そのヒーローとは今月11日に待望の新作映画が公開となったスパイダーマンです!


アメコミに詳しくなくても、スパイダーマンは知っているという方は多いと思います。
それだけ高い認知度を誇るマーベルを代表するヒーローですね。

映画「スパイダーマン:ホームカミング」では、主人公のスパイダーマンこと15歳の高校生ピーター・パーカーが、憧れのアイアンマンに導かれて、様々な葛藤を経て真のヒーローへと成長する姿が描かれています。

単なるヒーロー映画ではなく、スパイダーマン最大の魅力でもある一人の高校生としての青春や恋愛、友情といった身近なテーマも含まれていて、ところどころに笑いもあり、圧倒的スケールのアクションも盛りだくさんな内容は見逃せません!

本作より、マーベル・シネマティック・ユニバースに本格参戦することになったスパイダーマンの新シリーズ、今後の展開もますます楽しみです。

さて、この映画公開タイミングに合わせ必ず読んでいただきたいスパイダーマン関連コミックを今月2タイトル刊行しました!


まずは『スパイダーマン ホームカミング:プレリュード』です。




スパイダーマン ホームカミング:プレリュード
ウィル・コロナ・ピルグリム[作]
トッド・ナウク他[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中!◆



タイトルにあるプレリュードが示すとおり、本書は「スパイダーマン:ホームカミング」の前日譚にあたる、映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」におけるスパイダーマンのエピソードをメインに、そのほか映画に影響を与えた原作コミック3話を収録しています。


それでは簡単に各収録作品をご紹介していきたいと思います。


【スパイダーマン:ホームカミング プレリュード】
先に述べたとおり、この作品は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のコミカライズとなっており、特にスパイダーマンの活躍を抜粋したかたちで描かれています。
アベンジャーズのメンバーやウインター・ソルジャーも登場することから、ストーリーの復習兼ねて「シビル・ウォー」を観てみるのも楽しいかもしれません。


【インビンシブル・アイアンマン #7】
映画でも重要なポジションとして登場するアイアンマンとスパイダーマンのクロスオーバー・コミック。
本国では2009年に刊行され、シビル・ウォーでトニー・スタークとの仲が決裂したピーターだったが再びこの両者がチームアップするというストーリーは胸が熱くなります!


【アメイジング・スパイダーマン #2】
スパイダーマンを代表するヴィランこと、バルチャー初登場号も収録しています。自分で空を飛ぶための装備品を開発し、上空から襲ってくる姿は映画でもかっこよく描かれています。
そんなバルチャー、映画ではまぁまぁなおじさんですが原作コミックだとかなりのおじいちゃん(笑)


【アメイジング・スパイダーマン #46】
1967年刊行の本作では、ピーターは進学しなんと大学生になっています。青春を謳歌しているピーターを待ち受けるのは、新顔の邪悪なヴィランことシニスター・ショッカーです。
映画でもその設定を変えて登場するショッカーの記念すべき初登場号がコミック界伝説のアーティストである、ジョン・ロミータ・Srによって描かれています。


よりスパイダーマンへの理解を深めるためにも、映画を観る前に読んでいただくことを強くおすすめしますが、あとでも充分に楽しめる内容となっていますので、是非とも手に取っていただければと思います!


このプレリュードシリーズですが、今回の「スパイダーマン:ホームカミング」のほかに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン:プレリュード』『アントマン:プレリュード』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ:プレリュード』『ドクター・ストレンジ:プレリュード』の5タイトルが好評発売中です!


どのコミックも、貴重なクラシック作品を収録し各映画を更に面白くするエピソードが満載ですのでこれらもチェックしてみてください!


そして、今回ピックアップするもう一冊が『スパイディ:ファースト・デイ』です。




スパイディ:ファースト・デイ
ロビー・トンプソン[作]
ニック・ブラッドショー他[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆



本書はピーター・パーカーの高校時代にさかのぼり、彼のファースト・デイ(若き日々)にスポットを当てた作品です。

この設定はちょうど映画ともリンクし、若きスパイディの活躍を存分に堪能できるものになっています。

全6話が収録されており、それぞれスパイダーマンとゆかりのあるヴィランが登場します。
カバーにもスパイディの背景に6人のヴィランがデザインされていますが、各話数ごとに対決するヴィランをおさらいしておきましょう。


①ドクター・オクトパス
人工アームを操る悪の天才科学者。2004年公開の映画「スパイダーマン 2」の悪役として登場したので、映画ファンにもお馴染みかもしれません。


②サンドマン
砂状の肉体を持った犯罪者。サンドマンも2007年に公開された映画「スパイダーマン 3」に出てきましたのでよく知られているヴィランの一人でしょう。
映画で砂が集まっていくシーンはいまでも鮮明に覚えているくらい衝撃的でした。


③リザード
特殊な血清によってトカゲ男に変化した科学者。2012年公開「アメイジング・スパイダーマン」に登場しましたが、映画版リザードをはじめて見たときいろんな意味でビックリしました……。トカゲ感があまりないんですよね(笑)


④ドクター・ドゥーム
東欧の小国ラトベリアの専制君主。ドゥーム、カッコイイですよね! 個人的にも好きなヴィランの一人です。音楽のヒップホップにおいてもMF DOOMというラッパー/プロデューサーがまさに彼のようなマスクをつけて活動しています。


⑤グリーン・ゴブリン
緑色のコスチュームを着た怪人。これまでのスパイダーマン映画にもたびたび登場し長年スパイダーマンを苦しめてきたいわゆる宿敵といえるヴィランです。
映画版とは違いコミックのグリーン・ゴブリンはとんがり帽子をかぶり、爆弾などの武器を持ち運ぶ斜めがけバッグを持っていたりとコスチュームが大きく異なりゴブリンっぽさが前面に出ています。
そんなグリーン・ゴブリンをスパイディが野菜に例えて、呼ぶシーンは要注目ですよ!


ざっと、主要ヴィランについて触れましたが他にもマーベルお馴染みのキャラクターたちも意外なかたちで出てきます。
どんなキャラクターたちなのか本書で確認してみてください!(例のサイ風強化スーツを着たヴィランもいますよ~)

いかがでしたでしょうか。
今年の夏は映画とコミックで“あなたの親しき隣人”の魅力にどっぷり浸ってみてください!


最後に、スパイダーマンとあの冗舌な傭兵ことデッドプールの共演作である『スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』も発売中!

ウェイド・ウィルソンが、コミックの魔法とタイムトラベルを駆使して、ピーター・パーカーの若かりし時代の世界に入り込む! “あの映画”のように、夢の階層を下りていく彼らを待つ運命は? 赤と黒の臭いコスチュームをまとったデッドプールと、赤と青のコスチュームをまとったスパイダーマン。入れ替わってみたいというデッドプールの夢は叶うのか?

『ケーブル&デッドプール』のスパイダーマン登場回や、“レディースティルトマン”も現れる『アメイジング・スパイダーマン』など、ふたりの競演が楽しめる未邦訳作品5編を収録。


一冊で二度おいしい、デッドプールとスパイダーマンのW主演作も読んでみてください。


それではまた次回に。


(文責:渡辺)

2017年8月15日火曜日

「DCリバース」ついに始動! DCコミックスの新展開を解説

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 ShoPro Booksでは、これまでDCコミックスの様々な作品を邦訳刊行してまいりました。

 そしてこの夏、現行のDCコミックスの最新シリーズである「DCリバース」の刊行を開始します!

 その口火を切るのが、今月初旬に刊行された、「DCリバース」全作品のイントロダクションとなる『DCユニバース:リバース』です。


DCユニバース:リバース
ジェフ・ジョーンズ[作]
ゲーリー・フランク他[画]
定価:本体1,500円+税
◆好評発売中!◆



 今後のDCコミックス全体に関わる重要タイトルですので、ぜひお手に取っていただきたい作品です。

 ところで、「DCリバース」とはそもそもなんなのか? そこのところがいまいち飲み込めていない方もいらっしゃるかもしれません。ということで今回は、このシリーズの概要をご説明したいと思います。

 皆さんご存知のとおり、DCコミックスはアメリカンコミックを代表する創業1934年の老舗出版社。抱えるキャラクターの数も多く、そのストーリーラインは多岐にわたります。場合によっては矛盾することもあるそれらのストーリーラインを整理するために、同社では「多元宇宙(マルチバース)」という概念によって全作品の世界を構成しています。この多元宇宙は平行世界(パラレルワールド)と理解してもいいでしょう。メインのストーリーラインを中心に、パラレルな世界を行き来するのが、DCユニバースの基本的な世界観です。

 そして、長期連載によって設定が複雑になりすぎた場合には、世界観そのものをリセットして一から再始動することがあります。たとえば1985年の「クライシス」や2011年の「フラッシュポイント」などがそうです。以前にはアース1やアース2といった平行世界がありましたが、それが「クライシス」によって一つのアースに収束されました(2005年の「インフィニット・クライシス」以降は少し時間軸が修正されたため、「ニュー・アース」と呼ばれています)。その後、2011年の「フラッシュポイント」によって世界が大きく改変され、現在の「プライム・アース」へとつながっていきます。そのため、一口に“正史”と言っても、その正史の舞台(アース)そのものが都度変わっています。

 細かいことを言えば「アース1」「アース2」「ニュー・アース」「プライム・アース」に区分することになりますが、1985年の「クライシス」以前の正史世界はアース1、「クライシス」以後はニュー・アース、2011年の「フラッシュポイント」以降の現在はプライム・アースと大枠でとらえていても問題はないでしょう。

 上記のような経緯を経て、DCユニバースは「リバース」と呼ばれる新体制に突入しました。2011年9月のリランチ(NEW 52 !)は従来の設定を大幅に変更した“世界改変”でしたが、今回のリバースは前回のリランチの設定を引き継いだ、いわば“新章突入”といってもいいでしょう(一部設定が変更されている部分もありますが…)。

 このような流れのなか、今回ご紹介する『DCユニバース:リバース』は刊行されました。その気になる中身はというと……


(以下、本書紹介文より引用)↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

ウォリー・ウェスト(三代目フラッシュ)は、彼の先輩にあたるバリー・アレン(二代目フラッシュ)が引き起こした“フラッシュポイント”事件によって、現実の時空間から追放され、次元の狭間に囚われてしまった。虚無の空間を彷徨うウォリー……かつてキッド・フラッシュと名乗り、フラッシュの名を受け継いだ彼だけが、この世界の謎を見ることができる。いったい誰が“失われた10年間”を盗んだのか? ウォリーは地球に戻らなければならない。彼の愛する人たちが避雷針の役目を果たしてくれるはずなのだが、誰に接触を試みても、彼はますます世界から遠ざかり、真の消滅へと近づいていく……全宇宙の運命は、ウォリーの再生にかかっているのだ! 

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 ちなみに本書は、新シリーズの第一弾ということ以外にも見所があります。それは、かの名作『ウォッチメン』との関わりです。刊行から年月が経っても、いまだに熱烈なファンを生み出し続けている同作がどのように関わっているのか、それはここではあえて触れません。ぜひ、お手に取って、ご自身の目でお確かめください。

 さて、ShoPro Booksでは 、「リバース」シリーズの刊行開始に際しまして、今月もう二作品同シリーズの作品を刊行いたします。『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』と『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』です。

 今回はそのうちの『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』をご紹介したいと思います。

スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン
ピーター・J・トマシ[作]
パトリック・グリーソン[作・画]
ダグ・マーンキ他[画]
定価:本体2,300円+税
◆2017年8月23日頃発売◆


以下、あらすじ↓↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

鋼鉄の男が第二の故郷を守るために命を落とした時、彼の体現する真実と正義は永遠に失われたかと思えた。しかし、それを遠くから見つめるもう一人のスーパーマンがいた。より年齢を重ね、経験と知恵を身につけたスーパーマン。さらに彼は妻のロイス・レーンと、息子のジョナサン・ケントを伴っていた。
とある消え去ったユニバースから逃れてきた彼が、表舞台に現れる。いまは亡きもう一人の自分の名前を継承して、地球で最も偉大なヒーローとして飛び立つために。
だが、この次元にたどり着いたクリプトン星の生き残りは、彼だけではなかった。
“エラディケイター”として知られる人工知能体が、エル家の生存者を追う。彼の目的はクリプトン星人の遺伝情報の保存のみであり、他の生命体に対する考慮は一切ない――たとえそれが、カル=エル――つまりクラーク・ケントの血を継ぐ者であったとしても。
果たしてスーパーマンの息子は、目覚めたばかりの能力を使いこなして、地球人としての自分をまっとうすることができるのか? それとも母なる世界の灰のなかから、新たなクリプトン星人として生まれ変わってしまうのか?

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 本書は「DCリバース」のスタートに際し、2016年6月に刊行された序章的な『スーパーマン:リバース』と、それに続いて9月まで毎月2号のペースで刊行された『スーパーマン』#1-6をまとめた単行本になります。ここで登場するスーパーマンは、ニュー52!で活躍したスーパーマンではなく、「インフィニット・アース」後に登場したスーパーマンです。彼はロイス・レーンと結婚し、息子も生まれていました。なぜ別のアース(次元)にいた彼が、メインのアースに現れたのか? また先代(ニュー52!)のスーパーマンよりも経験豊富な壮年のスーパーマンが、力が覚醒しつつある息子とともにどのような活躍をみせるのか? などなど、こちらの作品も見どころが満載です。



 と、ここまで駆け足でご紹介してきましたが、ShoPro Booksでは今後も「DCリバース」の作品を続々刊行する予定です。ぜひお楽しみにしてください。

 それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責・山口大介) 



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2017年8月8日火曜日

これがワンダーウーマンの「ベリーベスト」!最強美女戦士の名バトルを厳選!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

夏まっさかりですね。うだる暑さが続く毎日ですが、編集部は今日もみんなで元気にアメコミを制作しております。

「暑さ」と言えば、それを吹き飛ばすようなワンダーウーマン旋風がいまアメリカからやって来ています。TVで、駅で、書店で・・・。街を歩けばいたるところで映画『ワンダーウーマン』の告知を目にするので、「ワンダーウーマンってだれ?」と言っていたアメコミ初心者でも、もうすでに彼女の名前ぐらいは覚えた方も多いのではないでしょうか。

さて今回ご紹介するのは、先週発売したばかりのワンダーウーマンの新作『ワンダーウーマン:ベストバウト』です。これまでのワンダーウーマン・ファンはもちろん、「ワンダーウーマンって知ったのはほんの最近だよ」、「映画はぜひ見に行きたい!」というワンダーウーマン初心者にこそぜひ読んでいただきたい作品です。

●表紙
『ワンダーウーマン:ベストバウト』
ジョージ・ペレス、ジョン・バーン他[作・画]
定価:本体1,800円+税
●好評発売中●



■初登場は76年前!
そもそもワンダーウーマンがコミックで華々しいデビューを飾ったのは、1941年。もう76年も前のことで、それだけ長く愛されてきたキャラクターであり、アメコミ人気を牽引してきた重要な存在です。

■ワンダーウーマン旋風がやって来た
だからこそ、アメリカ本国では彼女の映画化を「今か今か」と長年待ち望んできたわけで、今年公開されるやいなや大変なヒットとなったのです。
他のアメコミ映画と比較すると、『ドクター・ストレンジ』、『ローガン』、『アイアンマン』、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を超えるオープニング成績を達成する熱狂ぶり。
しかも、ジェシカ・チャスティンなどのハリウッド女優やTV番組の女王オプラ・ウィンフリーなど多くのセレブがこぞってコスプレ姿などをSNSにアップ、「I LOVE WONDER WOMAN!」を競って発信しています。

ちなみに映画は、あの『美女と野獣』や『ラ・ラ・ランド』を超えて、2017年ツイートされた映画No.1のようで、それだけ多くの方々が話題にしたようです。
7月11日には映画の大ヒットを受けて、あのマーベルのキャラクターであるデッドプールがワンダーウーマンを祝福するツイートをアップ。両手でハートマークを作ってかわいらしい画像が話題を呼んでいます。

このように、アメリカの人々にとっては、このキャラクターがいかに特別なのか、親しみを覚えているのか、とてもよく分かるエピソードが次々に出てきています。

■どんなヒーローなのか
では、このワンダーウーマンとはいったいどんなヒーローなのか。
ご存知の方も多いと思いますが、いま一度紹介します。

本名はダイアナ。セミッシラ(またはパラダイス島)に住む、女性のみからなる超種族アマゾン族の女王ヒッポリタの娘。外界から閉ざされていた島に住んでいたが、陸軍パイロットのスティーブ・トレバーが不時着したことで、初めてシニカルな現代社会に足を踏み入れることとなる。

特殊能力としては、怪力、飛行能力、格闘術、格闘戦術、俊敏性で、その輪にかかった者に真実を話させる真実の投げ縄、弾丸を跳ね返す腕輪、ブーメランになるティアラを武器として使用する。

■コミックス史上最高のヒロイン
登場から70年以上、様々な雑誌の表紙を飾り、フィギュアが作られ、Tシャツなどファッションにも採用され、これほど広く露出したヒロインは他にいないのではないでしょうか。
美貌と頭脳、腕力を兼ね備えることで、フェミニズムのアイコンとして親しまれてきたことが、その一番の理由かもしれません。

■歴代の名バトルばかり6話を編集
この『ワンダーウーマン:ベストバウト』は、このヒーローをよく知るファンはもちろん、初めての方にも読みやすい「ワンダーウーマン入門編」とも言える一冊です。
内容はタイトルどおり、これまでの彼女の戦い、特に印象的なバトルとされる6つのストーリーを集めた「ベスト」版のおもむき。音楽のベスト版CDと同じく、どこを読んでも彼女のすごさ、魅力が詰め込まれたエピソードに出会えて、面白さ満載なのです。ハズレなし、どこから読んでも分かりやすく、この一冊で6つの味が楽しめるようなお得感のある仕上がりになっています。

戦う相手も神や怪物、ヴィランに心を操られた友人などバラエティに富み、ファイトスタイルも異なれば登場する武器も多彩。作品を手がけるのはエピソードごとにすべて異なるスター作家と呼ばれるアーティストたちで、様々なテイストのワンダーウーマンを楽しむことができるのも魅力です。


では、ここで各エピソードについて、あらすじや死闘を交わす敵、見どころを紹介します。
気になったエピソードからページをめくってもすんなりと読み進められるので、初心者でもまったく構える必要はありません。

●第1話 「集中攻撃」
【あらすじ】
ダイアナは神々から世界征服を企む軍神アレスを止める命を受けて、「男の世界」に旅立つ。
アレスの目的が「第三次世界大戦」を引き起こすことにあると知った彼女は、アレスの娘ハルモニアから入手した護符に導かれて、敵の手に落ちたアメリカのミサイル基地にたどり着く。
【戦う敵】
オリンポスの軍神アレス。ゼウスの息子の一人だが、他の神々を目の敵にしている。
【見どころ】
軍神アレスが放つ沸き立つ炎の中で、苦悶するワンダーウーマン。

●第2話 「密林の夜」
【あらすじ】
ゲートウェイシティに拠点を移したダイアナは博物館で働きながら、いろいろな敵と戦っていた。そんなある日、友人マイク・ショアが失踪したとの知らせを受けて、彼女は捜索を始める。事件の背後に宿敵チーターの存在を感じた彼女は、動物園の跡地へ向かうと…。
【戦う敵】
宿敵チーター。元考古学者だが、植物神によって力と野獣の姿を得る。
【見どころ】
敵の攻撃に対して、あえて無抵抗となり、その思いを受け止めるワンダーウーマン。

●第3話 「石化の魔眼」
【あらすじ】
魔女サーシが妖女メデューサをよみがえらせて、ダイアナのもとに送り込む。大使館職員の息子を石に変えたメデューサにとどめを刺そうとするダイアナだが、メデューサは軍神アレスを召喚して、神の名のもとに正式な決闘を挑む。
【戦う敵】
目を合わせた者を石に変えるメデューサ。ゴルゴーン3姉妹の末妹。
【見どころ】
敵の姿を見て石と化さないで済むように、ワンダーウーマンがとる驚きの行動。

●第4話 「犠牲」
【あらすじ】
ジャスティス・リーグを再建させたマックス・ロード。その魔の手が他のヒーローにおよぶ可能性を恐れたスーパーマンは地球へと向かう。後を追って、ダイアナもマックスがいるとおぼしきスイスへ急行すると…。
【戦う敵】
スーパーマン、マックス・ロード
【見どころ】
地球と宇宙の区別なく繰り広げられる、スーパーマンとの高速かつ大規模なバトル。

●第5話 「邪悪の申し子たち」
【あらすじ】
市民の暴動が起き、混乱状態に陥ったワシントンDC。事件の背後には、不気味な5人の少年の暗躍があった。ダイアナも現場へ駆けつけるが、そこに現れたパワーガールもどこか様子がおかしかった…。
【戦う敵1】
パワーガール。別次元のスーパーマンのいとこで、彼と同様の能力を持つ。
【戦う敵2】
軍神アレスの5人の子どもクロウズ。アレスが魔法によって、アマゾン族の女性に産ませた。
【見どころ】
パワーガールとの美しい女性どうしによる、激しい肉弾戦。

●第6話 「神々の戦い」
【あらすじ】
ダイアナはゼウスの子どもを身ごもったゾラという人間の女性を守ることになる。様々な神がゾラとその子どもを狙うが、最大の敵がファーストボーンだった。ロンドンを陥落させたファーストボーンに対して彼女は完全と立ち向かう。
【戦う敵】
ファーストボーン。ゼウスとヘラの知られざる第一子だが、ゼウスに忌むべき存在として放逐された。
【見どころ】
敵への憎しみのあまり、我を失い、狂気のままに戦うワンダーウーマンの姿。


■何十年も変わらないヒーロー像
個人的には、タイトルがどれもとてもいいなと思うのです。
小説家でも、「題がいい」ということが大作家の証、などとも言われますが、古典文学のような格調高さがあって、展開するストーリーに想像を膨らますことができます。

また、この6編はすべて同年代の作品ではなく、1980年代から2010年代までのそれぞれの年代からピックアップされています。この30年間のワンダーウーマンの歴史であり、その歴戦の集大成とも言える作品に仕上がっています。

だから、よくよく読めば、確かにその時代の社会情勢を感じる作品もあれば、逆に時代が変わってもこのヒーロー像だけは変わらない、とキャラクターのコンセプトに一本筋の通ったところも感じることもでき、キャラクターに込めた作り手の一貫した熱いこだわりが脈々と流れているように思うのです。

■ワンダーウーマンの本当の魅力が見えてくる
ワンダーウーマンを形容する際に多く使われるのは、「美しさ」と「強さ」。確かにそのとおりです。しかし、この6つのエピソードをまとめて読むと、その下に隠れていたもう一つの彼女の魅力が浮かび上がってきます。
それは、やさしさとも言えるし、思いやり、もっと大げさに表現すると「慈悲」とも言えます。それは助ける人物に対してはもちろん、戦っている相手にさえ時にはその感情を持ってぶつかっていくのです。怒りや憎しみ、復讐の心にまかせて相手を打ち負かそうとするだけではないのです。相手の攻撃に対して無抵抗のまま受け続け満身創痍になったり、あるいは涙を流したり、そんな姿はまさにその象徴ではないでしょうか。
これこそが、他の男性キャラクターにはない特徴で、魅力であり、彼女が多くの方から長く愛されてきた理由の一つでしょう。

■驚きの壮絶シーンを見逃さないで
本書で、絶対に見逃さないでほしい1場面、いえ1コマがあります。それは強敵ファーストボーンとの戦いのさなかに起こります。ワンダーウーマンを知っていればいるほど、このシーンはショックです。初見で私ははっと息をのんだほど。彼女のとった行動があまりにも突拍子もなく、そして恐ろしく、でもそれ以外にはないと思えるほど理にかなっています。ですが、読者の多くはやはり納得しつつも強い衝撃を受けてしまうのではないでしょうか。
見てのお楽しみですが、「彼女が、そ、そんなことを…?」という事態なのです。

■今月末には次回作も発売!
このワンダーウーマンについてもっと知っていただきたいとの思いから、23日ごろに新作『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』の発売も予定しています。

●表紙
『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』
グレッグ・ルッカ[作]

リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税


【あらすじ】
ワンダーウーマンに衝撃的な出来事が起こる。アマゾン族の故郷である神秘の島、セミッシラに帰れなくなってしまったのだ。島に帰る方法をただ一人知るのは、凶暴な半獣の女性、チーターだ。宿敵であるチーターと手を組むことで、彼女は再び故郷の地を踏むことができるだろうか…。


今後ますます注目されていくこの史上最高の女性ヒーロー。他のヒーローにはない独特の魅力にぜひ触れてみてください。

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)

2017年8月1日火曜日

DCユニバース、"ニュー52"バットマン完結!そして物語は"リバース-REBIRTH-"へ

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
今日から8月、いよいよ夏本番ですね!毎日暑い日が続きますが、みなさまこの夏のご予定はもう立てられましたか?
夏といえばサーフィン! 私は毎日、部屋の中でネットサーフィンに明け暮れる毎日です。

そこで、今回取り上げる書籍の評判をネットで検索してみたところ、

「○○ちゃん、アマゾンからなんか薄いアメコミが届いたわよー」
「えー、アメコミが薄いわけないじゃん・・・って薄っ!

みたいな、本の薄さに言及されてる書き込みがチラホラ。

本日ご紹介する作品は、そんな薄くて、夏のアウトドアの持ち運びにも便利な『バットマン:エピローグ』です。

スコット・スナイダー他[作]
グレッグ・カプロ他[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆

本書は120頁と、アメコミにしては確かに薄めですね。
同時期に刊行された小社『バットマン:エターナル<下>(THE NEW 52!)』(584頁)と比べるとその差は歴然!


ですが、小社刊行アメコミの中には、もっと薄い本もあるんです。
ここで、小社アメコミ"薄い本ベスト3"をご紹介します!

1位.『バットマン:キリングジョーク 完全版』(2010年1月刊行)⇒80頁
2位.『バットマン VS. スーパーマン:ベストバウト』(2016年3月刊行)⇒92頁
3位.『デッドプールの兵法入門』(2015年9月刊行)⇒96頁

ちなみに、この三冊とも重版のかかった人気タイトルなんですよ。

薄い本の次は厚い本も気になるのが人情ですので、 "厚い本ベスト3"もご紹介すると、

1位.『バットマン:エターナル<上>(THE NEW 52!)』(2017年1月刊行)⇒600頁
2位.『バットマン:エターナル<下>(THE NEW 52!)』(2017年7月刊行)⇒584頁
3位.『バットマン:ノーマンズ・ランド1』(2014年9月刊行)⇒544頁

となってます。バットマンが見事1・2・3独占!
こうやって見ると、薄い方も厚い方も、1位、2位はバットマン関連本なんですね。

今回ご紹介する『バットマン:エピローグ』は、そんなバットマン関連本の中でも、ニュー52最終章を飾るエピローグ本ということで、絶対に見逃せない重要タイトルとなってます。


『バットマン:エピローグ』の紹介


本書は全部で4つの短編を収録してます。

最初のエピソードは、『フューチャーズ・エンド:未来への遺産』です。


舞台は5年後の世界。5年後にしては、随分と傷つきボロボロになったブルース・ウェインが、"ある実験"をしています。実験の目的は、バットマンが永遠に存在して活動を続けること…。しかしそのためには、"ある物"が足りません。それを入手するためにバットマンは、痛み止めと興奮剤で40分間の活動時間を得て、目指す目的地への侵入を試みる、というストーリーです。
"エピローグ"の第1話にふさわしい、人生の終幕を感じさせるエピソードとなってます。


二つ目のエピソードは、『過去にむしばまれた館』です。


現在より少し前、『バットマン:スーパーへヴィ』から『バットマン:ブルーム』にかけての頃のエピソードで、ブルース・ウェインがまだ記憶を取り戻す前の頃を描いた作品です。
『バットマン:エターナル』でブルース・ウェインは財産を失い、彼の屋敷は精神科病院アーカム・アサイラムの移転先にされてしまったのですが、本話の中でジェリ・パワーズは、屋敷をブルースのために取り戻し、アーカム・アサイラムの囚人を他所に移送します。そして、最後に残った最も危険な三人の囚人を移送する…という話です。


三つ目のエピソードは、『ゴッサムは』です。


本書収録の他のエピソードは外伝ですが、この『ゴッサムは』は、ニュー52の本編です。つまり『梟の法廷』から続くニュー52版バットマンのまさにフィナーレを飾るエピソードになります。

ところでみなさま、『梟の法廷』の冒頭のシーン、覚えていらっしゃいますか?

――土曜日の『ゴッサム・ガゼット』紙には"ゴッサムは"という小さなコラムが掲載されている。無作為に選ばれた市民が"ゴッサムは…"の続きを3単語以内で完成させるという企画コラムだ。――

というナレーションから、全ての物語は始まりました。

そこでは、

「ゴッサムはクソ」
「ゴッサムは呪われている」
「ゴッサムは殺人的」


など、ネガティブなワードのオンパレードでした。

しかし、ニュー52版バットマンの変遷の後、12巻後の本書でそのアンサーはどう変わったのでしょうか…?

「担当を任された当時、送られてくる答えはどれも暗く、絶望的だった。」
「でも最近…とくにここ数年、答えがどんどん明るくなってるんだ。」

ゴッサム・ガゼット紙の担当記者はこう語ります。

ここ数年といえば、まさに『梟の法廷』以降です。
ニュー52シリーズを通したバットマンの戦い――秘密結社「梟の法廷」と暗殺者「タロン」、宿敵ジョーカー、そして「ミスター・ブルーム」との死闘。過酷な戦いの末にバットマンとゴッサム市民が何を成し遂げたのかが分かります。

そして本エピソードの最後のページ、未明のゴッサムをバックに語られる短いナレーションが、全てを物語ります。
その内容は、みなさまご自身の目で、ぜひ本書を手にとってご確認ください。



本書最後のエピソードは、『リスト』です。


この話も、本書巻末を飾るにふさわしい、象徴的なエピソードとなってます。

ほんの22ページと短いエピソードの中で、ブルース・ウェインの全てが語られているといっても過言ではありません。
ブルースの両親が殺された2週間後から物語は始まり、ブルース失踪中の日本、カナダ、ユーゴスラビアでの修行の日々、そして現在を舞台とした戦いが、一冊のリストを軸に語られます。
『ゴッサムは』がニュー52シリーズの総括なら、この『リスト』は、ブルース・ウェインの人生の総括といえます。


以上、駆け足で『バットマン:エピローグ』をご紹介しました。
薄い本なのでブログも短めということで、今週はこの辺で失礼したいと思います…













…と思ったら、
「今回はバットマンだけだと短いので、ハーレイ・クインも取り上げてもらっていいですか?」
と、まさかの追加指令!?

ということで、急きょ、こちらもニュー52シリーズ最終巻となる『ハーレイ・クイン:ブラック・ホワイト&レッド』もご紹介します。


『ハーレイ・クイン:ブラック・ホワイト&レッド』の紹介

アマンダ・コナ―、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中◆

といいつつ、実は私まだハーレイをちゃんと読んだことがなくて…
で、慌てて『ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ』から読み始めたところ、


何これ、超面白いじゃーん!!


この「アメコミ魂」のこの記事この記事とか読んでいて、「なんか楽しげだなー」とは思ってましたが、ここまで面白いとは(゚∇゚ ;)

オオオオオッッッ

すっかりハーレイの虜になりました。
彼女の魅力は、陽気なユーモア、元気ハツラツな性格、少女のような健康美に尽きます。(肌は青白いですが…)
日本のアニメで例えるなら、『ルパン三世』の峯不二子のようなセクシーさではなく、『アンパンマン』のドキュンちゃんのようなキュートさとでも言うんでしょうか。

その割に、軽はずみにハンマーで男の頭をカチ割っちゃう的な凶暴&サイコパスな一面もあるんですが、ハーレイなら猟奇的殺人シーンもなぜか明るく爽やかな気分にさせてくれます。
言葉遊びやユーモアあふれるセリフまわし、ナレーションも楽しいですしね。

本書の原書サブタイトル『BLACK, WHITE, AND RED ALL OVER』もひねりが効いてます。
日本語で書くと「黒くて白くて"レッド"なモノ、なーんだ?」というなぞなぞになります。
それって何か分かりますか?






答えはこの下に。↓↓








もうちょい下です。↓↓↓









「新聞」です。

英語で「レッド=赤」と、「レッド=read=読まれる」をかけた言葉遊びになってるんです。
英語圏では古典的な言葉遊びだそうです。
でも、それを本書のタイトルにもってきてるということは、さらにひねって、「ハーレイ・クイン」を指してるんだと思います。
なぜなら、ハーレイは、青白い肌(ホワイト)に赤(レッド)と青っぽい黒(ブラック)の髪の色ですから。
その証拠に、本書の第1話『新しい日、新しい敵』(↓)のハーレイの髪の青い部分は、青というより黒になってますし、表紙(↑)のハーレイも、黒と白と赤です。

『新しい日、新しい敵』のハーレイ・クイン

本書の内容ですが、ハーレイに惚れたおっさん(=レッドツール)が、ハーレイの気を引こうと大枚はたき、観覧車デートして、教会でサプライズ結婚式をあげ、そして最後、夜の海でいいムードになります。
…というとなんか普通の恋愛ストーリーですが、もちろんハーレイの恋愛が普通の恋愛になるわけありません。
デート(?)の最中、レッドツールもハーレイも周囲の人間を殺しまくり!! 歪んだ愛のカタチですね

そんなドタバタが読んでて楽しいんですが、残りあと1ページまで読み進めてハタと「あれ、これってニュー52の最終巻だよな」と気づいて、不安になるのが一切フィナーレ感がない事です。
最初から最後までフィナーレ感満載だった『バットマン:エピローグ』と大違い。。


…と思ったら、最後のページの、最後のコマの、ハーレイの最後のセリフ↓で、


『…最終号だからのんびりしましょ。新しい事件は来月のお楽しみ』

このとってつけたような雑なフィナーレ感ww。

最後までハーレイらしい終わり方でした。

追伸:
読み返したら、最後から2ページ目の最後のコマで、わざとらしくさりげなく、なんとリバースへのつなぎもしてました!


『再生(リバース)の光景を上から見ましょ』

そして、この腕を伸ばしたポーズはどこかで見覚えが・・・
(↓下の書店ポスターにもあるリバース・キービジュアルをご参照ください・笑)

芸が細かいのか雑なのか…最後まで楽しませてくれる、ハーレイ・クイーン最高DETH!


リバース(-REBIRTH-)の紹介


せっかくハーレイがリバースにも言及してくれたので、最後にリバースの紹介を少ししたいと思います。

私なんかより詳しくご存じの方も多いと思いますが、DCユニバースは2011年の「フラッシュポイント」によって世界が大きく改変され、2011年9月以降"ニュー52"シリーズとして展開されてきました。
そして2016年6月、それまでのニュー52の世界観を引き継ぎながら"新章突入"したのが"リバース -REBIRTH-"です。

リバース書店ポスター

小社からも、以下のようにリバースシリーズ続々刊行予定となってます。

【8月2日頃】
『DCユニバース:リバース』

【8月23日頃】
『ワンダーウーマン:ザ・ライズ 』
『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』

【9月6日頃】
・『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン (仮)』
・『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン (仮)』
・『バットマン:アイ・アム・ゴッサム (仮)』

【10月3日頃】
・『スーサイド・スクワッド:ザ・ブラック・ヴォールト(仮)』
・『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー(仮)』

【11月7日頃】
・『バットマン:アイ・アム・スーサイド(仮)』

【11月14日頃】
・ジャスティス・リーグ:アウトブレイク(仮)』

最初の6タイトルについては、購入特典として『原書カバーイラストICカードステッカー』をプレゼントします! 詳しくはこちらのページをご覧ください。


リバースシリーズ、乞うご期待!!

今週のアメコミ魂はこの辺りで締めさせて頂きたいと思います。
来週取り上げる作品は、8月25日公開映画が話題の『ワンダーウーマン:ベストバウト』ですので、映画の予習にぜひチェックしてください。お楽しみにーー!!
(文責・小出)


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