2016年1月25日月曜日

アメコミと音楽の幸福な関係

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!

先週の土日は雪が降ると言われていましたが、冬空ではあったものの降雪もなく、お出かけには不便のない休日でしたね。筆者のことで恐縮ですが、先週の土曜日、幕張メッセで開催された「次世代ワールドホビーフェア’16 Winter」に出かけてきました。というのも、ShoPro Booksから刊行している「OHABOOK おはスタのことば遊び ババン!コトババーン」の販売ワゴンが出るということで、そのお手伝いをしてきました。会場は家族連れのお客さんで大盛況で、日本のコンテンツ業界の健在ぶりがうかがえました。

さて、今回の「アメコミ魂」は、アメコミと音楽にまつわるあれこれをご紹介していきたいと思います。

昨年夏、マーベル・コミックスでは、ヒップホップの名盤のジャケットカバーにオマージュを捧げたヴァリアントカバーのコミックを大量にリリースしました。ギャングスタ・ラップのパイオニアであるドクター・ドレーや、ニュースクールと言われる時代のトップランナーだったア・トライブ・コールド・クエスト00年代以降のギャングスタの筆頭である50セントなど、新旧織り交ぜたアーティストたちへオマージュが捧げられています。(詳細はこちら

そんなマーベル・コミックスのキャラクターのなかでも、よく音楽をネタにするのが、皆さんご存じのデッドプールです。とくに「マーベル・ナウ!」でリランチされたあとのシリーズは、音楽ネタのオンパレード。

例えば『デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント』の102ページ3コマ目に「ウータン・クランの剣術使い」というセリフが出てきます。このウータン・クランというグループは、実在するヒップホップ・グループの名前です。彼らは香港カンフー映画の影響を受けていて、武術ネタを歌詞や曲名、アルバムタイトルに盛り込んでいることが特徴です。他にも70ページ5コマ目では、デッドプールが、デスメタルバンド、パンテラの『5ミニッツ・アローン』という曲をBGMとして脳内再生してくれと読者に語りかけたりもしています。

デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント
ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン[作]
トニー・ムーア[画]
定価:1,800円+税
◆好評発売中!◆
そもそも“冗舌さ”が特徴のデッドプールは、音楽ネタに限らず、映画、コメディショー、セレブのゴシップ、政治ネタなど、大量のパロディをセリフのなかに盛り込んでいるので、翻訳家・高木亮さんの解説を参照しながら読むと、現在のアメリカのサブカルチャーへの理解が深まること請け合いです。

さて、アメコミと音楽にまつわるあれこれを語る上で、欠かすことができないのがアメコミ映画です。

現在のアメコミ映画の潮流は、おおまかにクリストファー・ノーランが確立したシリアス路線(DCエクステンデッド・ユニバース)と、映画版『アイアンマン』を2作目まで監督したジョン・ファブロージェームズ・ガンなどの新進監督を起用したエンターテインメント路線(マーベル・シネマティック・ユニバース)に分けられます。
※ジョン・ファブローは映画版『アイアンマン』の2作目までを監督した後、袂を分かっています。ジェームズ・ガンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年公開)の監督を務めました。

マーベル・シネマティック・ユニバースの快進撃の突破口となった『アイアンマン』(2008年公開)に大きく貢献したのが、ハードロック/ヘビーメタルです。同作の予告編冒頭に流れる印象的なギターリフは、言わずとしれたAC/DCの名曲『バック・イン・ブラック』(予告編はこちら)のもの。このギターリフのイメージが、本作では全編通して貫きとおされています。エンディングでは、タイトルもそのものズバリのブラックサバスの名曲『アイアンマン』のインストバージョンが使われています。

ちなみにAC/DC2010年に発表したアルバム『アイアンマン2』は、同バンドの実質上のベストアルバムであるだけでなく、そのタイトル通り、映画『アイアンマン2』(2010年公開)のサウンドトラックでもあります。同アルバムに収録されている『シュート・トゥ・スリル』は、映画版のメインテーマに使われていました。

アイアンマン』の例を取っても明らかなように、アメリカ的なエンターテインメント色を強調しているのが、マーベル・シネマティック・ユニバースの特徴と言えるでしょう。

一方、DCエクステンデッド・ユニバースはどうでしょうか?

クリストファー・ノーラン監督作『ダークナイト』(2008年公開)によって確立されたシリアス路線。その方向性を盛り上げるのは、重厚な映画劇伴です。

バットマン ビギンズ』(2005年公開)、『ダークナイト』(2008年公開)、『ダークナイト ライジング』(2012年公開)の三部作を通して音楽を担当したのは名匠ハンス・ジマー1994年に『ライオン・キング』でアカデミー作曲賞、ゴールデングローブ賞の音楽賞に輝き、その後も『グラディエーター』(2000年公開)でゴールデングローブ賞の音楽賞に再度輝くなど、高い評価を得ている劇伴作曲家です。

シンセサイザーとオーケストラを組み合わせた重厚な音作りが特徴で、近年は『インセプション』(2010年公開)、『インターステラー』(2014年公開)など、クリストファー・ノーランと手を組む機会が増えています。ちなみに、今年325日に公開される『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でもスコアを手がけています。

もともとDCコミックスを原作とする映画は、1978年公開のリチャード・ドナー監督、クリストファー・リーブ主演の『スーパーマン』でも、巨匠ジョン・ウィリアムズが手がけるなど、映画劇伴との相性がよいようです

マーベル・シネマティック・ユニバース=(広義の)ポップス”、“DCエクステンデッド・ユニバース=映画音楽”という傾向が、今後の映画の展開でどのように変化するのか、あるいはしないのか。その辺りに注目してみるのも面白いと思います。

今回は、「アメコミと音楽」という視点で記事をお届けしました。普段から読み慣れているアメコミも、こういう見方をしてみると、また違った魅力を再発見できるのではないでしょうか?

それでは今日はこの辺で。また来週お会いしましょう! 


(文責・山口侘助)

2016年1月18日月曜日

“エメラルドの射手”、グリーンアローとは?

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!

この冬は暖冬と言われていますが、本日の東京は雪景色。皆さま、お足元はお気を付けください。

さて、今年から「DCエクステンデッド・ユニバース」が本格的に始動し、DCコミックスをモチーフにした映画の製作が続々と決まっていますが、その流れはドラマにも及んでいます。その嚆矢となったのがグリーンアローを元にした『ARROW / アロー』(予告編はこちら)です。

201210月に第1シーズンがアメリカで放送開始になり、昨年10月に第4シーズンの放送がスタート。アメコミドラマとしては長寿のシリーズです。本シリーズのスピンオフとして、一昨年からフラッシュが主人公の『THE FLASH / フラッシュ』(予告編はこちら)も放送がスタート。こちらも第2シリーズの放送が決まっており、着実に人気を集めていることがうかがえます。他にもゴッサムシティを舞台に若き日のゴードンの活躍を描く『GOTHAM / ゴッサム』(予告編はこちら)が放送され、DCコミックスのドラマは着実にユニバースを広げています。

さて今回は、それらDCコミックスのドラマ群の先駆けになった『ARROW / アロー』と縁の深いコミック、『グリーンアロー:イヤーワン』のご紹介です。本書『グリーンアロー:イヤーワン』は、「ニュー52」以前の2007年に、全6号のリミテッドシリーズとして刊行されました。今月27日に邦訳版が小社より刊行される本書のあらましをご紹介いたします。


アンディ・ディグル[作] ジョック[画]
定価:2,200円+税
127日頃発売予定◆
本書では、スリル中毒の若き富豪オリバー・クイーンが“エメラルドの射手”ことグリーンアローへと変貌するきっかけとなるエピソードが描かれます。

信頼するボディーガードの裏切りに遭い、絶海の孤島へと漂着したオリバー。手製の弓矢だけを頼りに、生と死が隣り合わせのサバイバルを生き抜くうちに正義に目覚めます。そして彼を苦境へと追い込んだドラッグ商人たちと対決することになるのですが……。

若き富豪が絶海の孤島でのサバイバルのなかで正義に目覚めるという設定は、多少の改変こそあるものの、ドラマ『ARROW / アロー』でも踏襲されています。そもそもグリーンアローことオリバー・クインが初登場したのは1941の『モアファンコミック#73になります。この頃のグリーンアローの設定では、オリバーは考古学者という設定で、ネイティブ・アメリカンの研究をしていたため、弓矢の腕に秀でていたということになっていました。

60年代に入り、ビジュアル面では、コスチュームが野性的なデザインになり、その後のトレードマークになるヒゲが加わりました。また億万長者から没落したという設定が加わり、より市民に近い目線を持ったヒーローになりました。同じく“緑のヒーロー”であるグリーンランタンとコンビを組み、ヴィランではなく、人種差別やフェミニズム、カルト宗教など当時の社会問題と対峙するヒーローとして、社会派コミックの古典となっていきました。

90年代にはオリバー・クイーンのグリーンアローはメトロポリスを守るために死亡し、実の息子コナー・ホークが2代目グリーンアローを襲名。21世紀には、コミック好きの映画監督ケビン・スミスをライターに迎えた新シリーズの立ち上げにともない、オリバーが華々しく復活します。そして2011年に行われたDCコミックスの一大リランチ「ニュー
52」以降は、オリバーはハイテク企業「Qコア」の若き社長として、ヒゲや息子、結婚といった設定はなかったことになりました。ちなみに「ニュー52」のオリジンは『DCキャラクターズ:オリジン』(小社刊)に収録されていますので、気になる方はそちらもお手にとっていただけたらと思います。

創刊当初は頻繁にライターが変わり、方向性が定まりませんでしたが、2013年の#17以降からシリーズを任されたライターのジェフ・レミアとアーティストのアンドレア・ソレンティノが描き出した“アロー一族”の物語によって高評価を獲得。現在に至ります。

ここまで、グリーンアローの来歴を駆け足でご紹介してきました。本書『グリーンアロー:イヤーワン』には、グリーンアローの成り立ちから現在に至るまでの経緯を、翻訳家・中沢俊介さんがより詳細に解説していますので、そちらもぜひご覧ください。

従来のアメコミファンはもちろん、ドラマ『ARROW / アロー』にハマっている方にもぜひオススメしたい1冊です。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!


(文責・山口侘助)

2016年1月11日月曜日

ヴィランの特攻部隊「スーサイド・スクワッド」とは?

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!

お正月が過ぎて、今日は三連休の最終日。お休み気分をそろそろ切り替える時期ですね。

さて、今回の「アメコミ魂」では、ヴィランによって結成されたチーム「スーサイド・スクワッド」をご紹介したいと思います。

スーサイド・スクワッドの初登場はけっこう古く、19599月に刊行された『ブレイブ&ボールド』誌になります。
写真右から1987年にスタートした『スーサイド・スクワッド』第2期シリーズの#2、#14
※原著イメージ
その後、19875月に刊行された第2期シリーズの『スーサイド・スクワッド』#1によって、基本的なコンセプトが確立されます。そのコンセプトとは、「減刑と引き換えに政府の無謀な作戦に駆り出されたスーパーヴィランたちによる特殊部隊」というもの。

ヴィランたちの活躍を描くという作品の性質上、いわゆる一般的なスーパーヒーロー物と比べると、ハードボイルドな展開が特徴で、冷徹に作戦を遂行していく姿にはケイパー物(計画犯罪劇)、アンチ・ヒーローの魅力が詰まっています。

正義の側に立ったスーパーヒーローたちのストーリーとは対照的な彼らの活躍は、コミックファンにも受け入れられ、後のDCコミックスのユニバースを形成する大きな要素になっていきます。

また、デッドショットが人気ヴィランに昇格したという点も、このシリーズの功績として記しておきたい点といえるでしょう。

「ニュー52」によってリランチされて以降は、基本的な設定は踏襲しつつも、人気ヴィランのハーレイ・クインなどがメンバーに加入。この「ニュー52」版『スーサイド・スクワッド』の#1-7201111月〜20125月)をまとめた単行本を『スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴』として、今月27日に刊行いたします。本書には、ここまで述べてきたスーサイド・スクワッドの詳細な解説がついていますので、ぜひそちらもご一読いただきたいです。

スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴』のあらすじを軽くご説明いたしますと、減刑と引き換えに集められたヴィランたち(デッドショット、ハーレイ・クイン、エル・ディアブロ、ブラックスパイダー、キングシャーク、ボルテイク)がベースボールスタジアムに送り込まれます。そこには、生体兵器と化した6万人の観客がいました。彼らは観客たちを、“処理”するために送り込まれたのです。非情な任務を遂行するにつれ、その事件の背景にある陰謀などが明らかになっていきます。果たして彼らは生き延びることができるのか? 
スーサイド・スクワッド 悪虐の狂宴
アダム・グラス[作]
フェデリコ・ダロッチオ[画]
定価:2,000円+税
部隊の実質的なリーダーであるデッドショットを中心に、ハーレイ・クインの暴走などにより物語は過激に展開していきます。デッドショットの冷徹に任務を遂行していくハードボイルドな魅力や、ハーレイ・クインの病的かつエロティックなキャラクター(単独誌では、コミカルでキュートな面が強調されています)などなど、まさに「悪(ワル)の魅力」が詰まった物語を、ぜひ手に取って楽しんでいただきたいです。

さて「スーサイド・スクワッド」といえば、今年は映画版が公開されることでも話題になっています(予告編はこちら)。

前回の「2016年公開のアメコミ映画特集」でも取り上げましたが、ここで改めて映画版『スーサイド・スクワッド』の追加情報をご紹介したいと思います。

まず、映画版『スーサイド・スクワッド』のメンバーをご紹介します。()内はそれぞれ演じる俳優たちを記載しています。

デッドショット(ウィル・スミス)
ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)
リック・フラッグ(ジョエル・キナマン)
エル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)
スリップノット(アダム・ビーチ)
キャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)
カタナ(カレン・フクハラ)
エンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)
キラー・クロック(アドウェール・アキノエ=アグバエ)

そして本作最大の注目キャスティングが、ジョーカーを演じるジャレッド・レトです。『ダラス・バイヤーズクラブ』(2014年公開/予告編はこちら)で、トランスジェンダーのHIV患者レイヨンを演じ、第86回アカデミー賞を筆頭に、第71回ゴールデングローブ賞、第20回全米俳優協同組合賞、第79回ニューヨーク映画批評家賞など数々の映画賞で助演男優賞を受賞して地位を確立した若手実力派俳優です。ビジュアルから徹底的に役になりきるレトですが、その姿勢は今回も健在です。先日、日本で公開された公式ビジュアルの狂気に満ちたジョーカーの笑顔は、これまでジョーカーを演じてきたジャック・ニコルソン、ヒース・レジャーと比較しても見劣りしません。予告編で見られる笑顔が張りついたまま変化しないジョーカーの表情が印象に残ります。

豪華キャスティングでも話題になっている本作によって、コミックの『スーサイド・スクワッド』にもますます注目が集まることでしょう。元々、邦訳化を望んでいたコアなコミックファンはもちろんですが、映画をきっかけにコミックに興味がわいた方々は、映画の予習として『スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴』を読まれてはいかがでしょうか?

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!


(文責・山口侘助)

2016年1月4日月曜日

2016年アメコミ映画+α 最新情報をお届け!

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、明けましておめでとうございます!

2016年も、アメコミ情報を中心に、その周辺を取り巻くカルチャーなどバラエティ豊かな記事をアップしていきますので、引き続きご愛顧ください。 

さて、新年一発目の投稿は、昨年から当ブログで追いかけ続けてきた2016年に公開されるコミック原作映画の最新情報です。そこからヒモづけて、アメコミファンに注目してもらいたい映画の情報も紹介できたらと思います。


バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
325日公開(予告編はこちら
昨年初秋頃から劇場予告が流れ始めていたので、アメコミファンならずともその作品自体はすっかり定着している感がありますね。タイトル通り、バットマンとスーパーマンが映画世界で初めて共演します。本作にはワンダーウーマンが登場することが明らかになっています。ヴィランとしてスーパーマンの宿敵レックス・ルーサーも登場するようです。本作からバットマン/ブルース・ウェイン役がクリスチャン・ベールからベン・アフレックに交代しました。俳優としてだけではなく、映画監督としても高い評価を得ているアフレックがどんなバットマン像を作り上げるのかに注目したいところ。また、映画版のレックス・ルーサーというとジーン・ハックマンのイメージが強いですが、今回から演じるのは若手実力派ジェシー・アイゼンバーグ。2011年公開のデイビッド・フィンチャー監督作『ソーシャル・ネットワーク』での名演が記憶に新しいですね。繊細で細面な印象のアイゼンバーグが作り上げるレックス・ルーサー象にも注目です。
アイゼンバーグがどのような俳優か気になる方にオススメしたい作品が『アドベンチャーランドへようこそ』(2009年全米公開/予告編はこちら)です。大学を卒業して大学院へ進む間のひと夏、大人と子供の端境期で揺れ動く青年の体験を描いた青春コメディの傑作です。監督は『宇宙人ポール』(2011年公開)『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007年全米公開)のグレッグ・モットーラが務めています。


シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
4月29日公開(予告編はこちら
マーベル・シネマティック・ユニバース最新作。こちらも劇場予告が流れているので、すでに映像を目にした方も多いと思います。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で生まれたアイアンマン/トニー・スタークとキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースの確執が表面化するのが本作。お互いの正義観の相違が対立関係に発展する模様。本作では、キャップの親友バッキーがキーマンとなることが、予告編からうかがえます。さらに予告編ではブラックパンサーもチラッと登場しています。ちなみにこちら、全米公開よりも一週間早く日本で公開されます。


デッドプール(原題)
6月1日公開(予告編第2弾はこちら
「あのデップーさんが映画化だって!?」と、情報公開がされるやいなや、SNSを中心に大きな話題になりました。肝心のデッドプール役には、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で、デッドプールになる以前のウェイド・ウィルソンを演じたライアン・レイノルズが起用されました。『ウルヴァリン』のデッドプール像には、ファンから批判も多かったのですが、本作の予告編におけるデッドプールの“冗舌”ぶりや容赦のないバイオレンス描写に、早くもファンからの喝采が集まっています。ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド、エンジェル・ダスト、コロッサスなどのキャラクターも登場する予定。続報が待ち遠しい作品のひとつですね。


ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ:アウト・オブ・シャドウズ(原題)
6月3日全米公開(予告編はこちら
昨年、マイケル・ベイの製作総指揮で前作が公開されましたが、早くも続編の登場です。本作のヴィランはロックステディとビーバップ。巨大なミュータントたちとタートルズがどんな戦いを繰り広げるのか?ファンならずとも見逃せません。
本作でマイケル・ベイはメガホンを執っていませんが、彼のアクション要素を過剰に詰め込んだ作風は、シリーズに如実に反映されています。

超大作イメージが強いマイケル・ベイ作品のなかでも一風変わった作品をご紹介します。その作品とは『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』(2013年全米公開/予告編はこちら)。90年代に米・マイアミで実際に起こった誘拐殺人事件をもとにした作品なのですが、ベイ監督の過剰な演出によって笑っていいのかいけないのか、ギリギリのラインのブラックコメディに仕上がっています。「マイケル・ベイ=大味」と思っている方ほど、見ていただきたい作品です。


スーサイド・スクワッド
8月5日全米公開(予告編はこちら
昨年のコミコンで予告編が公開されて、「ウィル・スミスがデッドショット?」「マーゴット・ロビーのハーレイ・クインが可愛い!」と、映画ファン、コミックファンの間で話題に。監督には、これまで犯罪映画、戦争映画の傑作・佳作を作り上げてきたデイビッド・エアーを起用。スーパーヴィランによって結成された決死部隊という、映画『特効大作戦』(1967年公開)を思わせる作品だけに、戦争・犯罪映画の名手であるエアー監督の起用は納得ではないでしょうか?
そんな彼のフィルモグラフィでも注目していただきたい作品が、『エンド・オブ・ウォッチ』(2013年公開/予告編はこちら)です。アメリカでも屈指の犯罪多発地域であるLAサウス・セントラルの警官をリアルに描いた作品です。POV(主観ショット)手法で撮影され、常に暴力と死が隣り合わせにあるパトロール警官のヒリヒリとした日常を克明に描き出した作品です。
ちなみに『スーサイド・スクワッド』、いよいよShoPro Booksから邦訳版を刊行いたします。映画の公開前に作品世界を味わってみてはいかがでしょうか?
スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴



X-MEN:アポカリプス(原題)
8月6日全米公開(予告編はこちら
前作『X-MEN:フューチャー&パスト』から引き続きブライアン・シンガーが監督を務め、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンスといった主要キャストも続投します。また、今回初登場の史上最強のミュータント、アポカリプスには、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年公開)でポー・ダメロンを演じたオスカー・アイザックが起用されています。巨大化してプロフェッサーXに襲いかかり、都市を破壊する描写から、その最強ぶりがうかがえますね。
さて、オスカー・アイザックといえば、『スター・ウォーズ』『X-MEN』とビッグタイトルに続けて起用されています。『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2014年公開)の名演で一躍脚光を浴びましたが、彼の好演が光る作品が『ドライヴ』(2012年公開/予告編はこちら)です。主人公が恋するヒロインの夫役として出演しています。衣装、美術、ライティング、音楽などなど、全編、全カットの細部に監督ニコラス・ウィンディング・レフンの美学が貫き通されたバイオレンス・アクションです。好き嫌いが分かれる作品ですが、新しい映像体験をしたい方には、ぜひともオススメしたい作品です。


ガンビット(原題)
10月7日全米公開
デッドプール同様、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に登場したガンビットも映画化されます。『ウルヴァリン』では、ガンビット役をテイラー・キッチュが演じましたが、本作からはチャニング・テイタムが引き継ぎます。監督には、日本のラノベ原作の映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年公開)のダグ・リーマンが起用されました。若手俳優のなかでも人気・実力ともにトップクラスのテイタムが主演とあって、映画ファンの間でもにわかに注目が集まっています。
鍛え抜かれた肉体美と繊細な演技で注目を集めるテイタムですが、とくに近作で彼の名演が光ったのが『フォックスキャッチャー』(2015年公開/予告編はこちら)です。実力、地位、名声、人望すべてを兼ね備えた兄の影で苦悩するレスリング選手を見事に体現しています。ちなみに本作で監督を務めたベネット・ミラーは、第67回カンヌ国際映画賞国際コンペティション部門で監督賞を受賞しました。


ドクター・ストレンジ(原題)
12月10日全米公開
マーベル・ユニバース最強の魔法使い、ドクター・ストレンジも映画化されます。詳細な情報はまだ明かされていませんが、ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』で日本でも多くのファンを獲得しているベネディクト・カンバーバッジが主演を務め、監督には『エミリー・ローズ』(2006年公開)など、ホラーやSF映画で手腕を発揮してきたスコット・デリクソンが抜擢されたことが明らかになたています。
スタートレック イントゥ・ダークネス』(2013年公開/予告編はこちら)で、遺伝子改造によって生み出された超人カーンを、特殊メイクやCGに頼らず演技力だけで体現したカンバーバッジだけに、リアリティをもって映像化することが難しく思われるドクター・ストレンジでも演じきれるのではと期待が高まります。

ちなみに小社近刊で、ドクター・ストレンジが登場する作品はこちらです。

デッドプールVol.1:デッド・プレジデント

『アイアンマン』(2008年公開)の大ヒット以降、アメコミ原作映画の快進撃はとどまるところをしりません。今年も注目作が目白押しで、ますます目が離せなくなるアメコミ映画情報を、今後も「アメコミ魂」では追いかけ続けます!

では、今週はこの辺で失礼します!


(文責:山口侘助)