2016年10月26日水曜日

『インジャスティス・リーグ』発売!今からでも間に合う『ジャスティス・リーグ』誌


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

最後の最後で一日遅れの更新……失礼いたしました! 来週からは、編集部員たちが執筆するブログに戻りますが、引き続きよろしくお願いします。

さて、今週は本日26日より順次発売となる『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ(THE NEW 52!)』をご紹介するとともに、過去のニュー52シリーズのジャスティス・リーグ作品を振り返りたいと思います。都内の一部書店さんでは、昨日より発売しているので、すでに読んだ方も多いかもしれませんが、ぜひお付き合いください。


まず、新刊『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ(THE NEW 52!)』を簡単にご紹介します。本書は、「JUSTICE LEAGUE」誌の30~39号をまとめたTPB(合本)になります。39号のカバーデイトが2015年4月ですので、ちょうど1年半前にアメリカでリリースされた作品です。日本でもようやく追いついてきましたね。今後の続刊も楽しみです。

前作『フォーエーバー・イービル(THE NEW 52!)』では、レックス・ルーサーたちが並行世界の犯罪組織クライム・シンジケーと戦い、ルーサー側が勝利を収めました。ヴィランであったルーサーは、世界を救ったヒーローとしてみられることになるのですが、その続きが本書になります。本書の物語は大きく分けて二つあります。一つは、パワーリングを巡る物語。もう一つは、アマゾ・ウィルスが蔓延して、皆がゾンビ化する物語です。二つの物語を通しての主人公は、レックス・ルーサー。彼がこれらの物語にどのように関わっていくのかは、ぜひ本書で確かめてください。

店頭では本がシュリンクされていて、アメコミは中身が見れないことが多いので、ちょっと気になるシーンを以下に掲載したいと思います。ご購読するか否かの参考にしてください。

▲ページをめくると冒頭にレックス・ルーサーを中心としたジャスティス・リーグが!?

▲ウェイン邸に訪れるルーサー。彼はウェインの正体を知っていた……。

コミックスファンにとって嬉しいのが、世界一奇妙なヒーロー“ドゥーム・パトロール”との共演でしょうか。天才科学者のチーフ、元レーサーの厳ついロボットマン、元パイロットで全身が包帯に巻かれたネガティブマン、元ハリウッド女優のエラスティガール(あの「Mr.インクレディブル」のイラスティガールの元ネタといっても過言ではないか……双方ともスペルは“Elasti”)、元医学者生のエレメントウーマン。彼らがどうのように絡んでいくのか……ご期待ください!

▲ドゥーム・パトロール、見参!

▲ルーサーが原因でアマゾ・ウィルスが拡散され……。

強靭なスーパーヒーローたちもアマゾ・ウィルスに感染し、次々と倒れていくなかで、スーパーマンとバットマン(マスクを着用)だけは感染を免れ、ゾンビ化した者たちを退治していた。だが、ゾンビと戦っていたバットマンのマスクが壊れ……続きはコミックで!

▲バットマンがゾンビになる!?
さて、本書も気になるところですが、次巻はダークサイドとアンチモニターとの戦いにジャスティス・リーグが加わるという壮大なスケールの「ダークサイド・ウォー」編です(上下巻として発売予定)。こちらもぜひご期待ください。


巻数を重ねるごとに、どんどんスケールが大きくなっていく「ジャスティス・リーグ」誌。今回は、「アメコミ魂」の過去記事を拾いつつ、過去作を振り返っていきたいと思います。


第1巻『ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!)』
とにもかくにも、第1巻ですので、まずは本書からお読みください。本書は、スーパーヒーローがスーパーヒーローとして認知されていなかった時代のお話で、彼らが初邂逅する物語です。ニュー52シリーズでの現代より「5年前」にあたる出来事が描かれています。どうやって、ジャスティス・リーグができたのか、映画公開前にチェックしてくださいね。

●過去のアメコミ魂● 
『フラッシュ:新たなる挑戦』から始める“ニュー52”


第2巻『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』
バットマン、スーパーマン、グリーンランタン、フラッシュ、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ――7人で結成されたヒーローチームが誕生してから数年後、彼らは世界一のヒーローチームとして認められ、世界中の人々に愛されていました。ですが……という物語です(笑)。他の作品と比べると、ちょっと地味ですが、面白いのでぜひ追いかけてみてください。

●過去のアメコミ魂●
2013年のShoPro Books刊行作品を振り返る


第3巻『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃(THE NEW 52!)』
本書でフィーチャーされているのは、『アクアマン:アトランティスの王(THE NEW 52!)』も発売され、注目が集まっているアクアマン。「アクアマン」誌の日本語版はオリジナル編集で第3巻まで刊行する予定なのですが、『アクアマン:アトランティスの王(THE NEW 52!)』を読み進めていくと必ずこの物語が必要になってきます!

 ●過去のアメコミ魂●
『JL:アトランティスの進撃』で今後のDC映画祭りを予習


第4巻『ジャスティス・リーグ:トリニティ・ウォー(THE NEW 52!)』
本書のキーマンは、カバーアートの背景にいるフードをかぶった“パンドラ”という女性です。彼女は、各誌にわたって、隅っこのほうに必ず登場していたのです! それを見つけるのも楽しみの一つでした。彼女の行動、目的、敵対するグループなどすべてが謎に包まれていたのですが、その謎がついに本書で明らかになります!

●過去のアメコミ魂●
お待たせしました! トリニティ・ウォー!


第5巻『フォーエバー・イービル(THE NEW 52!)』
前巻の衝撃的なラストを受けての本作。必ず第4巻と第5巻はセットでお読みください。本書では、史上最悪のヒーローチームが登場します。本ブログの冒頭でも述べましたが、悪の組織クライム・シンジケートに対抗したのが、ジャスティス・リーグではなく、ルーサー率いるヴィラン軍団だったのです! 手に汗握る展開はぜひ本書にて!

●過去のアメコミ魂●
史上最悪のヒーローチーム!「フォーエバー・イービル」!


そして、第6巻にあたる『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ(THE NEW 52!)』へと続くのですが、ジャスティス・リーグに興味を持った方はまず「誕生」から読み進めていけば、来年の映画公開までにはまだ間に合いますので、ぜひご一読ください!

次週は奇怪なヒーロー『ムーンナイト/光』をご紹介します。

では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)

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2016年10月18日火曜日

祝・デッドプール“マーベル・ナウ!”シリーズ完結
最終巻『オール・グッド・シングス』発売


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

2015年10月、ちょうど1年前……デッドプールの“マーベル・ナウ!”シリーズ、記念すべき第1巻『デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント』の邦訳版が発売されました。それから巻数を重ね、いよいよ、シリーズ最終巻『デッドプール Vol.8:オール・グッド・シングス』が明日発売となります!

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本書の帯に「冗舌な傭兵、死す。」と、ちょっとショッキングな惹句がありますが……アメコミ読者ならお分かりですよね(笑)。『デッドプール Vol.8:オール・グッド・シングス』は、2015年上半期に発売されていた「デッドプール」誌#41~#45、#250をまとめたTPB(合本版)です。デッドプールは、単純な傭兵仕事のために中東に向かうのですが、そこでオメガレッドらと死闘を繰り広げたり、シクラーと深い関係のある古代墓所へ探索したりと、今回も奇想天外な物語が展開されます。なぜ、デッドプールは死んでしまうのか……そこはぜひ本書でお確かめください!

本編以外に、過去を描いた特別編では、クロスオーバー・イベント「インフィニティ・ガントレット」(小社より刊行予定あり!?)における知られざる逸話を初公開! さらにハワード・ザ・ダックなど多くのキャラクターがゲスト出演する短編集も収録しております。明日は書店さんへ直行ですね!

さて、「アメコミ魂」ではデッドプールの“マーベル・ナウ!”シリーズを多く取り上げてきました。本書『デッドプール Vol.8:オール・グッド・シングス』でいったん終了となりますが、改めてこれまでの“マーベル・ナウ!”シリーズを「アメコミ魂」とともに振り返ってみましょう!


まずは、“マーベル・ナウ!”シリーズの第1巻と第2巻を紹介した記事『デッドプール再始動! 新シリーズの魅力をご紹介!!』をご一読ください。このシリーズに着手した意気込みのようなもの(?)が少しだけ感じられると思います(笑)。

Ⓒ 2016 MARVEL
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次に、シリーズのなかでも一、二を争うシリアスな作品である第3巻を紹介した『【デッドプール新刊情報】 物語はついに佳境に突入!!』。この『デッドプール Vol.3:グッド・バッド・アンド・アグリー』はデッドプールの知られざる過去を描いた作品としても知られ、人気のあるストーリーですので、ぜひ手にとってお読みください。

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「アメコミ魂」で第4巻『デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド』を紹介する頃(記事『皆さま、お待たせしました! デッドプール再々始動!!』『デッドプール&ホークアイ新刊情報!』)になると、アメリカでは映画『デッドプール』が公開され、その評判が日本にも広まり、早く観させてくれぇ!と心の中で叫んでいたのを思い出します……。

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第4巻を読み終えて、さあ、お次はデッドプールの結婚を描いた第5巻を読むぞ!と意気込んでいたのですが、なんと、その前に読むべき第4.5巻という位置づけの秀作『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』があったんですよね。内容については記事『運命の出会「デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット」全国の書店さん/ネット書店さん等にて発売!』をお読みください! シクラーとの出会いを描いた読み応えのある作品です。このへんから私が「アメコミ魂」の執筆を担当しておりました。

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さあ、シクラーとの運命的な出会いを果たしたデップーさんがついに結婚&新婚旅行!という、おめでたい物語になるわけですが、そのお話は、第5巻を紹介した人気記事『えっ? あのデップーさんがついに結婚!? 「ウェディング・オブ・デッドプール」いよいよ発売!』でご確認ください!

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第5巻のあとは、これまたデップーの過去を抉ったシリアスな第6巻、“禅プール”が登場する第7巻と続きます。「アメコミ魂」でも潤沢に紹介できるかと思いきや、急遽、一ヵ月半の休載となり、下記のようなまとめ記事になってしまいました……すみません!

『スーサイド・スクワッドにパシリム、デップーにタートルズ 7月後半~9月前半の新刊情報を一挙紹介! 』
『BATMAN DAYって何? 日本初4週連続バットマン刊行! さらに禅プールの「デッドプール Vol7:アクシス」発売!』

Ⓒ 2016 MARVEL
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日本では、ちょうど1年前に始まった“マーベル・ナウ!”シリーズは、映画『デッドプール』という空前絶後のイベントを挟んで、『デッドプール Vol.8:オール・グッド・シングス』で終わりを告げます。

デッドプール関連では、すでに『デッドプール VS. サノス』の発売はアナウンスされておりますが、以降、ShoPro Booksはどんな展開をしかけてくるのか……お楽しみに!


来週は、『「インジャスティス・リーグ」刊行記念!今からでも間に合う「ジャスティス・リーグ」誌』をお届けいたします。
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 では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


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2016年10月11日火曜日

アメコミ初心者講座「アメコミって何から読めばいいの?」


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

私は、5月3日より「アメコミ魂」の記事を担当させていただきましたが、11月より編集部員が自ら筆を執ることになりました。以前より「アメコミ魂」に登場していた渡辺と山口に加え、新メンバーの関谷と鈴木が執筆いたします。どんなテイストの記事になるのか、いまから楽しみですね。私もたまに担当するかもしれませんが、今後ともご愛読のほどよろしくお願いいたします!


先週は「アクアマン」について書いたのですが……もう読んでくれましたよね(笑)? 来週19日には『アクアマン:アトランティスの王』が発売となりますので、その前にぜひご一読ください! さらに先月末に発売した『バットガール:バーンサイド』について翻訳者の中沢氏に取材した記事も合わせてお読みください!

●アメコミ魂の過去記事●
・アトランティスの王「アクアマン」始動!……ところで、アクアマンってどんなヒーローなの?
・バットマン月間を締めくくる、強くてキュートな女子大生!『バットガール:バーンサイド』ついに登場!


それでは、本日のお題『アメコミ初心者講座「アメコミって何から読めばいいの?」』に移りましょう! おっと、その前に……。「そもそもアメコミって何?」って思った方(そんな人はここにはいらっしゃらないかもしれませんが)は、下記にある過去記事をぜひお読みください。これさえ読めば、大雑把ではありますが、アメコミを理解することができると思います!

・基礎から始めるアメコミ講座【1】
 ⇒「アメコミとは?」を簡単に解説してくれています。

・基礎から始めるアメコミ講座【2】
 ⇒日本のマンガの制作体制と比較しながら、アメコミの制作体制をわかりやすく解説。

・「オルタナティブコミック」とは何か?
 ⇒上記のアメコミ講座と一緒に合わせて読むと、アメコミがより理解できると思います。


では、本日のお題を始めましょう。

ここ数年、邦訳コミックは月に何冊も刊行されています。小社の邦訳コミックでいうと、5年前は月に1冊ほどでした。10年前はなんと年間1冊のみ……。邦訳コミックが激増した背景には、アメコミ映画の隆盛があると思います。2011年以降は最低3本のアメコミ映画が公開され、なかでも2012年は、大ヒット映画『アベンジャーズ』、『アメイジング・スパイダーマン』、『ダークナイト ライジング』とビッグタイトルが公開されました。それらに伴い、邦訳コミックも一気に刊行点数が増えていきました。現在では、月に5冊前後の邦訳コミックが刊行されています。これだけ出版されていると、ホントに何から読めばいいのかわからなくなっちゃいますよね。

そこで、今回は「アメコミって何から読めばいいの?」と題し、タイプ別に分けて「はじめの一冊」をお薦めしたいと思います。もちろん、人によっては様々な推薦コミックがあるかと思いますので、アメコミに詳しいお友達がいれば、その人の話に耳を傾けてもいいかもしれません。

【タイプ①】
“アメコミは複雑なので、誕生譚がわかるアメコミから読みたい!”という初級者へ
■定価:本体1,200円+税
本書は、スーパーマン、バットマン、グリーンランタン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ、グリーンアロー、ワンダーウーマン、スーパーガール、ハーレイ・クイン、コンスタンティンと、映像化されたキャラクターたちの短編オリジンを収録した作品です。


【タイプ②】
“雰囲気を味わいたいので、一番安いアメコミから読みたい!”という初級者へ
■定価:本体980円+税
現在、小社で発売している邦訳コミックのなかで最安値のコミックがこちらです。バットマンとスーパーマンのバトルがオムニバス的に収録されているので、「続きが気になる!」と思わせてしまいますが(それは読んでからのお楽しみ!)、アメコミの雰囲気を知るにはベストな作品だと思っております。


【タイプ③】
“劇画タッチは苦手だから、アニメ調のアメコミから読みたい!”という初級者へ
■定価:本体1,600円+税
先日発売し、たちまち重版出来となった人気作。ブルース・ティムという、バットマンアニメを語る上で欠かせない人気アニメーターが描いた最高傑作。ジョーカーに恋するハーレイ・クインの愛くるしい姿は必見です。併録してあるラフ画や色指定稿は、アメコミ制作の工程が垣間見える資料にもなるはずです。


【タイプ④】
 “SF小説も好きなので、重厚な名作アメコミから読みたい!”という初級者へ
■定価:本体3,400円+税
SF文学の最高峰ヒューゴー賞も受賞した、まさにアメコミを代表する作品。少し乱暴かもしれませんが、アメコミにハマるかハマらないかは、本書を読んで決めてください!と言っても過言ではありません。ただし、スーパーヒーローものが好きな方には、ちょっと合わないかもしれません。


【タイプ⑤】
 “映画好きなので、映画原作の売れているアメコミから読みたい!”という初級者へ
■定価:本体2,200円+税
映画原作で売れているといえば『WATCHMEN ウォッチメン』もそうなのですが、映画もスマッシュヒットとなり、今もファンを魅了しているアメコミ映画の原作コミックといえば本書でしょうか。実際、小社コミックのなかでも一、二を争う売れ行きです。映画好きの方なら『キック・アス』をお薦めしたいと思います。


【タイプ⑥】
“読み切り作品で、超絶アートが堪能できるアメコミから読みたい!”という初級者へ
文句なしでアレックス・ロスというアーティストの作品をお薦めしたいのですが、彼の作品のなかでもマーベル派の方なら『マーベルズ』を、DC派の方なら『キングダム・カム 愛蔵版』を推薦したいなと……もう「はじめの一冊」という趣旨からはずれているような気がしますが……(すみません!)。
■定価:本体2,300円+税

■定価:本体3,400円+税


タイプ別にしたものの、結局は「コレ!」というのが定まりませんでしたね……それほどアメコミの世界は奥が深いんだと(汗)。それでも一冊を選べというのであれば、個人的には『DCキャラクターズ:オリジン』をお薦めいたします。賛否あるかもしれませんが、価格的にも内容的にも入門書として適していると思います。

また、私は、アメコミをはじめて読む人と出会ったときには「好きなキャラクターで選んでもらう」ようにしております。ですので、参考までに個人的に推薦したい邦訳コミックをいくつか挙げておきますね。

スパイダーマンなら『ベスト・オブ・スパイダーマン』、バットマンなら『バットマン:梟の法廷(THE NEW 52!)』もしくは『バットマン:リル・ゴッサム1』、アベンジャーズなら『アベンジャーズ:シーズンワン』、ジャスティス・リーグなら『ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!)』、 デッドプールなら『デッドプールの兵法入門』もしくは解説が充実した『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』、とにかくマーベルキャラ大集合のコミックが読みたいのであれば、『A+X:アベンジャーズ+X-MEN=最強』でしょうか……なんだかんだ言ってたくさん挙げてしまいました。


最後に、二つほどお知らせがあります。

まず、スター・トレックのお知らせを。スター・トレックの最新作映画『スター・トレック BEYOND』が10月21日(金)にいよいよ公開となります!
映画を観た後には、グリーン・ランタンとの共闘を描いたクロスオーバー・コミック『スター・トレック/グリーン・ランタン』もご一読ください! 映画とは直接関係ありませんが、面白いコミックですよ。邦訳コミックの刊行ラッシュで、本書の告知が行き渡らなかったかもしれないので、映画のタイミングでこの秀作をプッシュさせていただきました!


次に話題作の復刊情報を。限定3,000部で販売した幻のガイドブックが普及版として蘇ります。『パシフィック・リム:ビジュアルガイド[普及版]』は、12月14日頃発売です。現在、復刊ドットコムさんで予約受付中です(随時他店舗さんでも予約が開始されます)。内容を知らない人は、限定版を発売した時のムービーをご覧ください。デル・トロ監督自らが内容を説明してくれています!
※限定版はハードカバーでポスターなどの付録がありましたが、今回の普及版はソフトカバーで付録はありません。価格も異なります。普及版は定価:本体3,000円+税です。本文は限定版も普及版も同じ内容になっております。

本日の記事は以上になります。来週は、マーベル・ナウ!シリーズのデッドプール作品を振り返りながら、最終巻『デッドプール Vol.8:オール・グッド・シングス』を紹介します。再来週は、ジャスティス・リーグ IN ジャスティス・リーグ……ではなく、『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』を過去作品とともに紹介します!

お楽しみに~。

では、また来週火曜日の正午に。


(文責:乙間萌生)

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2016年10月4日火曜日

アトランティスの王「アクアマン」始動!
……ところで、アクアマンって誰?


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

今年は日本でも盛り上がりをみせたBATMAN DAYですが、先日刊行した『バットマン:マッドラブ 完全版』『バットガール:バーンサイド』はもう読んでくれましたか? 特に『バットマン:マッドラブ 完全版』は、発売後にすぐ重版がかかり、本書を望んでいた読者の皆様には大変喜んでいただいております。読もうかどうしようか迷っている人は、アメコミ魂の記事を参考にしてください!

●アメコミ魂の過去記事●
“悪カワ”ハーレイ・クインの誕生譚を描いた不朽の名作『バットマン:マッドラブ 完全版』、三度目の登場!
バットマン月間を締めくくる、強くてキュートな女子大生!『バットガール:バーンサイド』ついに登場!


さて、今週は10月19日頃発売の『アクアマン:アトランティスの王』を紹介します。アクアマン単独誌は、おそらく初邦訳だと思います。本日はアクアマンの魅力をできるだけわかりやすく、お伝えできればと思っております。

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アメコミファンであれば、映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』をご覧になった人も多いでしょう。アクアマンも一瞬登場したので、話題になりました。


また、2017年公開予定の映画『ジャスティス・リーグ パート・ワン(原題)』に続き、2018年公開予定の映画『アクアマン(原題)』もアナウンスされており、今後の活躍が楽しみなキャラクターです。アクアマンを演じるのは、ハワイ出身の野性味あふれる俳優ジェイソン・モモア。映画『コナン・ザ・バーバリアン』(2011)のコナン役、テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2012)のカール・ドロゴ役で知られています。

現時点では、スーパーマンやバットマンと比べると、アクアマンはまだまだ知名度が低いと思いますが、映画が公開されれば、知名度も上がり、一躍人気者になるはずです。

映画公開までまだ少し時間はありますが、アクアマンが全国に知れわたる前に、本書『アクアマン:アトランティスの王』で予習をして、お友達にちょっとした薀蓄を語れるぐらいまでになっておいてください!


本書『アクアマン:アトランティスの王』は、2011年から2012年に発表した「アクアマン」#1~#6をまとめたTPB(合本)第1巻が底本になります。詳細は後述しますが、日本語版は原書4巻を日本独自編集で全3巻にまとめて刊行する予定です。

気になる本書のライターは、DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(とにかく偉い人なのだ!)を務めつつ、数多の作品を手掛ける人気ライターのジェフ・ジョーンズ。ジェフ・ジョーンズは、同時期にニュー52シリーズの代表作『ジャスティス・リーグ:誕生』(小社刊)と『グリーン・ランタン』を発表しています(ちなみに『ジャスティス・リーグ:誕生』は発売以来、数回重版をしておりますが、また増刷すると思います!)。

本書のアーティストは、近年では、ジェフ・ジョーンズとタッグを組んだグリーン・ランタン作品で知られるブラジル出身のアイヴァン・リースと、同じくブラジル出身のジョー・プラド。彼らの緻密なアートをぜひ本書でご堪能ください。


また、本書は、今までの設定を再構築した「ニュー52」シリーズ版の第1巻にあたりますので、『ジャスティス・リーグ:誕生』同様、予備知識がなくとも本書から読みすすめていけば充分楽しめます。しかし、少しだけアクアマンの予備知識があったほうが本書をより楽しめると思いますので、誕生から長い歴史を持つキャラクター“アクアマン”の過去の設定などはここではあまり触れずに、アクアマンの魅力に迫っていきたいと思います。


まずは、アクアマンのデータを見てみましょう。

アクアマン
 初登場:「モア・ファン・コミックス」#73(1941年11月)
 NEW 52版初登場:「アクアマン(Vol.7)」#1(2011年11月)
 本名:アーサー・カリー
 拠点:ボストン、アムネスティ・ベイ、アトランティス
 身長:185.4センチ
 体重:147.4キロ 
 瞳:ブルー
 髪:ブロンド
 協力者:スティーブン・シン、メラ、バットマン
 敵対者:オーム、キメラ、ブラック・マンタ
 所属:ジャスティス・リーグ(アクアマンは創設メンバーの一人)他
 特殊能力:怪力、超人的な反射神経、耐久力を備える。
        水中で呼吸ができ、テレパシーを使って海洋生物と会話ができる、など。


1941年発売の「モア・ファン・コミックス」誌で初登場を飾ったアクアマンは、ワンダーウーマン同様、今年で生誕75周年になります。75周年を祝したベストなタイミングで、本書『アクアマン:アトランティスの王』は日本で発売されることになりました!

アクアマンは、1962年に「アクアマン」誌が発売され、ソロタイトルがスタートしました。以降、「アクアマン」誌は50年以上続いており、ニュー52版である本書がVol.7(「第7シーズン」と言い換えたほうがわかりやすいかもしれません)現在連載中のリバース版がVol.8(第8シーズン)になります。

ちなみに、ずいぶんと体格のいいアクアマンですが、いまいち想像がつかなかったので、同じ身長と体重のスポーツ選手や有名人を探してみたところ……全盛期の第65代横綱・貴乃花とほぼ同じ体格でした!


では、『アクアマン:アトランティスの王』をより楽しんでいただくために、本文サンプルとともにアクアマンの周辺情報を少しだけ紹介してまいります。

▼アクアマンは地上人と海底人のハーフ
アクアマンは灯台守である父親トム・カリーと海底王国アトランティスの女王アトランナの間に生まれました。ということは……日本語の邦題にあるように、アクアマンには「アトランティスの王」になる資格があるということですね。

▼アクアマンはいじられキャラ!?
アクアマンというヒーローは、アメリカでは時節ジョークのネタにされ、過小評価されてきたキャラクターでした。寿司ジョークのネタにされたり、パロディ動画が上がったり、米バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でコントのネタにされたりすることもあったそうです。DCコミックスの公式サイトにあるアクアマンの紹介文にも下記のような文言があります。
"Make all the sushi jokes, YouTube spoofs, and SNL sketches you want,..."

本書を読むとわかると思うのですが、周囲の人たちはアクアマンに冷たく、どこか小ばかにしています。アクアマンに援護してもらった警察もアクアマンに感謝すらしません。アクアマンが父親との想い出のあるシーフードレストランで食事を楽しもうとしても、他のお客さん達は彼を嘲笑するかのごとく接するのです。
“いじられキャラ”のアクアマンというイメージを逆手にとり、コミックの世界においても彼に対する偏見をうまく取り入れております。彼に対する偏見を描くことで、新しいアクアマン像が浮き彫りとなり、これからの彼の行動がより際立っていくのです。


▼美女メラの存在
そんなアクアマンを支えてくれる理解者がいます。水を自在に操る能力を持つ美女メラです。彼女の正体や彼女との出会いは今後の物語に関わるので割愛しますが、アクアマンのよき理解者であり、恋人のような存在がアクアマンにもちゃんといるのです。

▼エイリアンのようなトレンチとは!?
本書『アクアマン:アトランティスの王』の原題は"AQUAMAN Vol. 1: THE TRENCH"です。副題にある"TRENCH"とは「深い溝」を意味する言葉で、「海溝」の意味もあります。本書の冒頭から出てくる謎のエイリアンがトレンチという海底種族なのですが、 海溝を住処にしているから「トレンチ」なんですね。今回はこのトレンチが暴れ回ります。

▼謎の協力者シン博士
アクアマンにはメラの他にも協力者がいます。本書初登場のスティーブン・シン博士です。現段階では、真の協力者なのかどうかは不明ですが、アクアマンとシン博士には何やら深い過去がありそうなんです……。メガネをかけた東洋人のような人物がスティーブン・シン博士。

おっと! 今日はここまでです(笑)。

人気ライターのジェフ・ジョーンズが脚本を書いているだけにお話がホントに面白いので、ついつい先々のことまでご紹介しそうになりました……。この記事だけを読んでも物語の全体像が見えないと思いますが、ちょっとでも面白そうだなと感じていただければ幸いです。

周囲から偏見をもたれるアクアマンは、自分を信じて世界のために活動する。それを支えるメラやシン博士。彼らは初めからアクアマンを支えていたのか……。そして海底からは謎の怪物トレンチが出現し、街は大混乱。そのトレンチがトリガーとなり、回り出したアクアマンとアトランティスの関係……続きはいかに!

『アクアマン:アトランティスの王』は10月19日頃発売です!



最後に、記事の冒頭で本シリーズの邦訳版「アクアマン」は第3巻までを刊行する旨をお伝えしましたが、原書をご存知の方は、小社刊行のジャスティス・リーグ第3巻『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』との重複部分はどうなるのか、気になっている方も多いかと思います。原書のアクアマン第3巻とJL第3巻は内容がほとんど重複しているんですよね。

私たちは下記のようなかたちでの刊行を考えています。

【第1巻】『アクアマン:アトランティスの王』
※原書"AQUAMAN Vol. 1: THE TRENCH"が底本です。

【第2巻】『アクアマン:王の遺産』
※原書"AQUAMAN Vol. 2: THE OTHERS"を底本に、"AQUAMAN Vol. 3"で『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』と物語が重複していない「AQUAMAN #0」と「AQUAMAN #14」を追録。

【第3巻】『アクアマン:王の最期』
※原書"AQUAMAN Vol. 4: DEATH OF A KING"が底本です。


すでに『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』を購入していただいている読者さんのことを考え、上記のような編集方針にいたしました。ただし、『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』が未読で、このアクアマンの話をコンプリートしたい人は、『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』を必ず読まなければなりませんけどね!(笑)


来週は、デッドプールのマーベル・ナウ!シリーズが最終巻となりますので、“祝「デッドプール/マーベル・ナウ!」シリーズ完結!最終巻『デッドプール:オール・グッド・シングス』発売!”を投稿いたします。ご期待ください!

では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


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