2016年5月31日火曜日

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』前日譚&
読者待望の『グレイソン』同時発売


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

明日はいよいよ映画『デッドプール』の公開日ですね。いまから楽しみにしている「アメコミ魂」読者も多いのではないでしょうか。映画を観たら、きっと原作コミックも読みたくなるはずですので、デッドプールについて書いてある「アメコミ魂」の記事のリンクを貼っておきます。前回も新刊ホークアイ VS. デッドプールに関する記事でしたので、よろしければそちらもご覧ください。お気に入りのコミックが見つかるといいですね。

皆様にあえて推薦するとすれば、ソー&ロキやハルクなどがゲスト出演している読み切り作品デッドプールの兵法入門か、デッドプールのキャラクターを把握でき、さらに別紙の解説書も充実しているデッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウスがいいと思います。個人的に好きなのは、様々な作家の作品が読める短編集デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプションと、デッドプールの悲しい過去が明かされるデッドプールVol.3:グッド・バッド・アンド・アグリーです。

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さて、デッドプールの話はここまでにして、本日発売のアメコミ邦訳版の話に戻ります。この2作品もとても面白いので、劇場の帰り道、書店さんに立ち寄ったらぜひ手に取ってみてください!

では、MARVEL繋がりでシビル・ウォー/キャプテン・アメリカ:プレリュードから先にご紹介しましょう。
ⓒ 2016 MARVEL
本書は、映画『アベンジャーズ:プレリュード』の頃から小社より適宜刊行している、マーベル・シネマティック・ユニバースの前日譚コミックシリーズです。映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』をすでにご覧になった方ならお分かりかと思いますが、表紙の写真は、空港(飛行場)でキャップチームとアイアンマンチームが対峙する、興奮度MAXの一場面ですね。左からジェレミー・レナー演じるホークアイ(クリント・バートン)、エリザベス・オルセン演じるスカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)、クリス・エヴァンス演じるキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)、セバスチャン・スタン演じるウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)です。

そして、このチームにポール・ラッド演じるアントマン(スコット・ラング)が加わるのですが、彼は緊張感のある戦いの場面にユーモアを与えてくれる貴重な存在です。さらに、マーベル・シネマティック・ユニバース初登場となるスパイダーマンもアニメのスパイダーマンに近い、親しみやすいキャラクターになっていました。もちろん、恒例となっているスタン・リー大先生のカメオ出演もあります(後半に注目です!)。この映画は、『キャプテン・アメリカ』の第3弾にあたるのですが、出演陣の顔ぶれを見るかぎり、実質『アベンジャーズ』と言っても過言ではありません。まだ映画を観ていない方はぜひご覧になってください。

本書の収録作品には、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に繋がる『アイアンマン3』と『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』のMCUコミックが入っています。過去の映画を観なおさなくともこれを読めば大筋を把握することができるはずです。そして、映画本編の冒頭でクロスボーンズ(ブロック・ラムロウ)が登場するのですが、このシーンに繋がる前日譚を描いたインフィニット・コミック、さらに原作のシビル・ウォー第1話が収録されています。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ:プレリュードは、各作品がどう繋がっていたのか、直前に何が起こっていたのかなどを知ることができるので、映画を観た後でも充分楽しめると思いますよ。また、来たるべきMovieNEXの発売にも備えることができますので、一読の価値ありです!


次に、発売前から話題沸騰の『グレイソン』をご紹介しましょう。
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.
今回の日本語版ロゴは、いかがでしょうか? 原書のロゴのイメージを崩さず、インパクトもあり、「スパイ大作戦」のような雰囲気を醸し出していると個人的には感じました。日本語版のロゴを作るといつも賛否両論あるそうなのですが、今回は、称賛していただいてる声のほうが比較的多いみたいですね。
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.
さて、本書を読む前に、まず『フォーエバー・イービル』で起こった出来事を思い出してください(『フォーエバー・イービル』についてはこちらをお読みください)。ナイトウィングとして活躍していたディック・グレイソンは、ジャスティス・リーグの歪んだ鏡像であり、殺人鬼集団であるクライム・シンジケートの一人スーパーウーマンにマスクを剥がされ、正体が世間に晒されてしまいます。ディック・グレイソンは、ナイトウィングとしてのヒーロー活動ができなくなり、世間的には死亡したことになる……というところが本書には描かれております。

そして、この状況を利用したグレイソンは、極秘スパイ組織スパイラルの秘密を探るために、スパイラルの新人工作員“エージェント37”となって活動していく、というのが本書『グレイソン』です。スパイラルは、危険な臓器を回収し、さらにヒーローたちの素性を暴こうとする怪しい組織。グレイソンは、彼らの怪しい行動を“マローン”という人物に逐次報告する二重スパイを行っています。その“マローン”というコードネームを使用しているのは……もちろん、バットマンことブルース・ウェインです(しっかりバットマンも登場しますよ!)。彼らの師弟関係(親子関係?)、友情関係が垣間見えるのもファンにとっては嬉しいですね。また、グレイソンは、グレーなスパイ稼業の中でもヒーローとしての己の考えを貫こうとしており、悩みながら活動に従事するのですが、その描写も読み応えがあります。
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.
本書には、先日重版が決定した『DCキャラクターズ:オリジン』(DCキャラクターのオリジンを収録した原書「シークレット・オリジン」を日本で再編集したコミック)で収録できなかったディック・グレイソンの「シークレット・オリジン」が冒頭に入っているのも嬉しいですね。まず「ディック・グレイソンとは?」を把握してから、『グレイソン』本編を読みすすめることができる。アメコミ初心者にとっても、親切な構成ですよね。

本編が終わると、巻末には「グレイソン:フューチャーズ・エンド」が収録されております。ちょっと注意していただきたいのですが、これは5年後の未来を舞台にしたイベント「フューチャーズ・エンド」のタイイン作品です。ゆえに本編とは関係がありませんので、こちらは短編として読んでください。お読みいただければわかるのですが、この短編の構成が殊に秀逸なので、ぜひ何度も味わってみてください。ただし、本編の続きだと思ってそのまま読んでしまうと、頭に疑問符が沸いてくるかもしれないので、「グレイソン:フューチャーズ・エンド」は独立した作品としてお楽しみください。


来週は、シクラーとの運命の出会いを描いた『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』を紹介します。
ⓒ 2016 MARVEL

では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


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