2016年3月14日月曜日

クァンタム&ウッディ3巻発売記念 バディ・ムービー特集

「アメコミ魂」をご覧の皆さん、こんにちは!

この度、カルトな人気を誇る、“笑撃”のバディアクション作『クァンタム&ウッディ』の最新『QUANTUM AND WOODY CROOKED PASTS, PRESENT TENSE』(原題)の発売が決定しました!
『QUANTUM AND WOODY CROOKED PASTS, PRESENT TENSE』
※原著イメージ
  ※前巻の紹介記事はこちら

それを記念して今回は、バディ・ムービーの傑作をご紹介して、いわゆる「バディ物」の魅力を掘り下げていきたいと思います。

さて、バディ・ムービーというと、絶対に外すことができないジャンルがあります。それは刑事物。ベテランと新人、エリートと叩き上げ、堅物とアウトロー、様々な組み合わせのコンビが丁々発止のやり取りを繰り広げ、様々な傑作が生まれています。

まずはウォルター・ヒル監督による刑事アクションの傑作『48時間』(1982年公開)をご紹介します。ニック・ノルティ演じる白人刑事ジャックと、エディ・マーフィ演じる黒人の服役囚レジーが時間限定のコンビを組み、脱獄犯を追い詰めるという作品です。当時、『サタデー・ナイト・ライブ』で人気絶頂だったコメディアン、エディ・マーフィが映画に本格的に進出したのが本作。彼はその後、『ビバリーヒルズ・コップ』(1985年公開)で、映画スターとしての地位を確立します。いかにも強面で融通が利かなそうなジャックと、口だけ達者でお調子者のレジーが繰り広げるやり取りが好評を博し、2作目まで作られました。

続く刑事バディ物の傑作は、『リーサル・ウェポン』(1987年公開)。本作の主人公リッグス刑事は、『マッドマックス』のヒットでスターの仲間入りを果たしたメル・ギブソンの第二の当たり役となり、作品もシリーズ化され3作品が作られました。無鉄砲で血気盛んなリッグスと、真面目一徹のベテラン刑事マータフが、反発を繰り返しながら信頼関係を築いていく様を、コメディタッチとド派手なアクションを織り交ぜながら描いた80年代後期のアクション映画を代表する作品です。

いわゆる刑事アクションを徹底的にパロディしながらも、刑事アクションの新たな金字塔となった作品があります。エドガー・ライト監督の『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2008年公開)です。大都会のエリート警官ニコラスが、その能力の高さを鬱陶しがられて左遷され、赴任した片田舎でコンビを組むことになったのは、刑事アクション映画オタクのお荷物警官ダニーでした。のどかで犯罪とは無縁と思われていた村の秘密に、凸凹コンビが協力して立ち向かい、最終的には手に汗握るアクションが展開されます。本作の主演コンビ、サイモン・ペッグとニック・フロストは、コンビで主演を務めることが多いのが特徴。ということで、この2人が主演した刑事アクションではない傑作バディ・ムービーをご紹介しましょう。

その作品とは、グレッグ・モットーラ監督作『宇宙人ポール』(2011年公開)です。アメリカに憧れるイギリス人のオタクコンビ、グレアムとクライブが、念願が叶ってアメリカで行われる一大オタクイベント、コミコンに訪れます。そのついでに、大好きな宇宙人スポット巡りをしている最中に、アメリカの施設から逃走中の宇宙人ポールと出会い、彼を宇宙へ帰すための冒険が始まります。とにかくスティーブン・スピルバーグ作へのオマージュが大量に投下された本作は、映画ファンなら思わずニヤリとしてしまう演出が随所に織り込まれながらも、映画にそれほど詳しくない観客もしっかりと楽しめるコメディに仕上がっています。何より、主演のサイモン・ペッグとニック・フロスト、そして宇宙人ポール(モーションキャプチャーを務めたのはコメディ俳優のセス・ローゲン)の爆笑必至の掛け合いを、ぜひ一度ご覧ください。

とにかくバディ・ムービーには傑作、名作、佳作、良作が大量にあるので、そのいちいちを取り上げているとキリがありません。以下に筆者の個人的なオススメのバディ・ムービーをズラズラっと並べるので、もし気になるタイトルがあったら、ぜひお近くのビデオレンタル店で手にとってみてください。

スティング』(1973年公開)
L.A.大査線/狼たちの』(1986年公開
張り込み』(1987年公開)
ミッドナイト・ラン』(1988年公開)
大災難P.T.A.』(1988年公開)
バッド・ボーイズ』(1995年公開)
メン・イン・ブラック』(1997公開)
シャーロック・ホームズ』(2009年公開)
21ジャンプストリート』(2012年オーストラリア公開、日本未)
エンド・オブ・ウォッチ』(2012年公開)
最強のふたり』(2012年公開)
テッド』(2013年公開)

バディ・ムービーの最大の魅力は、物語を通じて、2人の主人公が固い絆で結ばれていく過程を見せること。もしくは固い絆で結ばれた2人の主人公が、物語を通じてその絆を確認することにあると思われます。そして2人の主人公を設定することで、キャラクター同士のやり取りが生まれ、物語が生き生きと動き出すということもあります。つまりバディ物には、物語が面白くなる要素が詰まっているのです。

5月中旬に発売予定のクァンタム&ウッディ最新作『QUANTUM AND WOODY CROOKED PATS, PRESENT TENSE』(原題)も、もちろんバディ物の魅力がたくさん詰まった作品。堅物のエリック、お調子者のウッディ。日頃は反発し合う2人が、事件を目の前にしたときには、一致団結……となりそうでならなかったり。それでも最終的には固い絆で結ばれている2人のやり取りは、爆笑しつつも胸を打つ瞬間もあります。バディ物の定石を上手く外しながら、守るべきところはしっかり守った素晴らしいバランスの作品です。

いわゆるスーパーヒーロー物とはひと味もふた味も違った魅力を持つ本作を、映画を観る感覚で楽しんでください。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう! 


(文責:山口侘助)