2015年3月9日月曜日

『フラッシュ:新たなる挑戦』から始める“ニュー52”

こんばんは!

ShoPro Booksアメコミ新刊、今月は刊行タイトルがいろいろと盛りだくさんです。期待の1冊はもうお手元に届きましたか? 今週のアメコミ魂は、その中から『フラッシュ:新たなる挑戦』をご紹介します!

▲『フラッシュ:新たなる挑戦(NEW 52!)』
フランシス・マナプル[作・画]
ブライアン・ブッチェラート[作・画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中!●
世界最速の男“フラッシュ”

セントラルシティ警察の科学捜査官バリー・アレンは、ある嵐の晩に稲妻と化学薬品を浴びたことで超高速移動の能力を身につけた。異次元のエネルギー「スピードフォース」を使いながら、彼はスーパーヒーロー“フラッシュ”として悪と戦っている……。

日本ではまだそれほどまでは知名度の高くない“フラッシュ”ですが、DCコミックスでは1940年に登場した歴史あるヒーローです。

当然アメリカでの人気は高く、これまでにも何度かのドラマ化&映画化されており、最近では2014年最新テレビドラマが放送されたほか、まだ少し先ですが2018年には新作映画も公開予定になっています。

そんな、いま話題沸騰中のDCヒーロー“フラッシュ”

本書『フラッシュ:新たなる挑戦』は、DCコミックスの最新シリーズ“ニュー52”のひとつとして、2011年9月に創刊された『フラッシュ』第4シリーズの#1~8を収録しています。

主人公のバリー・アレンは、“フラッシュ”としては二代目。これまでに4人のキャラクター“フラッシュ”として活躍していますが、ファンからの根強い人気を受けて、ニュー52ではバリーが活躍することになりました。

アメコミの作画というと「ちょっと太めの線濃いめの彩色」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、『フラッシュ:新たなる挑戦』では、筆先のような強弱を付けた繊細なラインにふんわりとやさしいタッチの彩色、さらに大胆に2ページを見開きで使用したコマ割り、などと意表を突かれたような感じでした。本書を読み進めるうち次第に、バリーの正義感やその繊細な心情を感じたり、登場するヴィランたちの「凶悪」というよりも「どこか人間臭い」感じがにじみ出ているようです。

そんな本書の作画は、アーティストがフランシス・マナプル、カラリストがブライアン・ブッチェラートというコンビ。2人の作画コンビはニュー52以前のシリーズでも『フラッシュ』を担当しており、ニュー52からは脚本も2人の共作となりました。
イラストにも定評のあるコンビが綴る『フラッシュ』、本作では「いいひと」という印象のバリーですが、今後さらに活躍するストーリーや、これまでに登場したヴィランたちがどのように関わってくるか、などなど今後の展開から目が離せません!

“ニュー52”スタートのきっかけとなる出来事「フラッシュポイント」も、フラッシュが大きな役割を果たしています。

DCコミックス入門編の1冊として、もしくは今後のニュー52の行く先を知るための1冊として、アメコミ初心者の方からコアファンの方までみなさんにもっと知って欲しいヒーローコミックが誕生しました!

ところでこの『フラッシュ:新たなる挑戦』、もちろん1冊で楽しめる内容ですが、“ニュー52”の他のヒーローたちとの関連を知るとより面白くなること間違いナシです。
『ジャスティス・リーグ:
誕生(THE NEW 52!)』
ジェフ・ジョーンズ[作]
ジム・リー[画]

定価:本体2,000円+税
●好評発売中●

ヒーローチーム“ジャスティスリーグ”の結成秘話を描いた、小社刊『ジャスティスリーグ:誕生』の表紙をよく見てみてください。左下に……そう、フラッシュがいるんです!

店頭だと帯に隠れて目立たないかもしれませんが、ここにいることを思い出してからこの本をめくると、P1からあの深紅のスピードスターがいることに気づきます。

セントラルシティ警察の科学捜査官という立場から慎重な態度や、高速移動の能力でスーパーマンと渡り合う姿はなかなかの存在感。ぜひ応援してください。

▲『ジャスティス・リーグ:
魔性の旅路(THE NEW 52!)』
ジェフ・ジョーンズ[作
ジム・リー[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
この『ジャスティスリーグ:誕生』は“ニュー52”の中でも「5年前」にあたる出来事。

それから5年後、という時間軸で起きている出来事がニュー52のストーリーにおける現代です。

小社刊行の作品では、『ジャスティスリーグ:誕生』を起点に、『ジャスティスリーグ:魔性の旅路』『ジャスティスリーグ:アトランティスの進撃』といった続編と平行して、『バットマン』梟三部作や先月発売の『シャザム!:魔法の守護者』、そして今回の『フラッシュ:新たなる挑戦』が、みな同じ時期に起こっていると考えてください!

そう思って『ジャスティスリーグ:魔性の旅路』を読み直してみると……バリーの同僚、パティ・スピボットの名前が出てきたり、『バットマン:梟の法廷』で語られる暗殺者 タロンとの戦いのワンシーンも登場。

▲『ジャスティス・リーグ:
アトランティスの進撃(THE NEW 52!)』
ジェフ・ジョーンズ他[作]
アイヴァン・リース他[画]

定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
続く『ジャスティスリーグ:アトランティスの進撃』では登場シーンはないものの、連絡がつかないフラッシュについて「今、ゴリラと戦っている」なんてセリフも。改めて、ヒーローたちの繋がりを見つけることができます。

『ジャスティスリーグ』の三部作について、もっと内容が気になる方は、2014年のアメコミ魂「『JL:アトランティスの進撃』で今後のDC映画祭りを予習」もあわせてお読みください!

DCコミックス奥深い世界観に触れる最初の一歩に、『フラッシュ:新たなる挑戦』オススメします!

そうそう、ニュー52では各作品に姿を見せている謎の女性「パンドラ」がいます。『フラッシュ:新たなる挑戦』ではどこに登場しているのでしょうか……? 見つけられますか?

これまで「ShoProのアメコミは『バットマン』ばかり……」という印象がありましたが、ニュー52のタイトルもだんだんと増えてきました。好みのタイトルは見つかりました?

刊行されているDCタイトル全て網羅!とまでではまだまだありませんが、今後もどしどしラインナップを充実させていけたら、と考えています。

邦訳希望のタイトルその他ご要望などありましたら、ぜひご意見メールTwitterでのメンションなどいただけたら嬉しいです!

それでは今週はこのへんで!


(文責:石割太郎)