2015年1月26日月曜日

映画『復讐の女神』と一緒に、『シン・シティ3』を!

皆さん、こんにちは!

ただいま絶賛公開中の映画『シン・シティ 復讐の女神』。そして、1月28日(水)にはコミックシン・シティ3が発売となります。そう……マーヴ、ドワイト、そしてミホと、スクリーンやページでまた会えるのです!
『シン・シティ3』
フランク・ミラー[作・画] 定価:本体2,000円+税
●1月28日頃発売●
じつは今回『シン・シティ3』が発売されることで、映画版2作品の元になったエピソードがすべて日本語で読めるようになりました。ご参考までに、映画に使用されたエピソードが日本版コミックの何巻に収録されているか、照合してみますと……
『シン・シティ1』『シン・シティ2』『シン・シティ3』

『シン・シティ 復讐の女神』(2014年米公開/日本では現在公開中)
「ア・デイム・トゥ・キル・フォー」
前作で娼婦街をギャングから救ったドワイト(ジョシュ・ブローリン)の前日譚。魔性の女エヴァ(『300 帝国の進撃』に続いてエヴァ・グリーン!)に翻弄されるドワイトは、思わぬ窮地に立たされて……。

「ジャスト・アナザー・サタデー・ナイト(コミック題:いつもどおりの土曜の夜)」⇒
バーからの帰り道、ホームレスを襲う大学生の集団を見かけたマーヴ(ミッキー・ローク)。そして、血塗られた夜の幕が上がる。

「ロング・バッド・ナイト」⇒映画オリジナル
街を牛耳るロアーク上院議員とポーカー対決をすることになった、腕利きギャンブラーのジョニー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)。その勝負の行方は?

「ナンシーズ・ラスト・ダンス」⇒映画オリジナル
前作で老刑事ハーティガン(ブルース・ウィリス)に救われたナンシー(ジェシカ・アルバ)の後日譚。ストリッパーに身をやつした彼女は、ハーティガンの復讐のためにロアーク上院議員をつけ狙うが……。
『シン・シティ1』
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

『シン・シティ』(2005年公開)
「カスタマー・イズ・オールウェイズ・ライト(コミック題:顧客は常に正しい)」
ジョシュ・ハートネットが殺し屋を演じた冒頭の短編。映画化をしぶるフランク・ミラーに、ロバート・ロドリゲス監督がパイロット版としてこの短編を映像化してみせて許諾を取り付けたという、歴史的な1編です。

「ハード・グッバイ」
一夜限りの関係しかない美女のために、命を懸けるマーヴ! 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の記憶もまだ新しかったイライジャ・ウッドの、不気味な存在感が光っていました。

「ビッグ・ファット・キル」
昔の恋人ゲイル(ロザリオ・ドーソン)と、彼女が束ねる娼婦街を守ろうと、立ち上がるドワイト(本作ではクライヴ・オーウェン)。見どころはなんといってもミホ(本作ではデヴォン青木)! ベニチオ・デル・トロの怪演も印象的でした。

「ザット・イエロー・バスタード」
卑劣な殺人鬼から少女を救った老刑事ハーティガンを待っていた、過酷な運命……。憎々しいイエロー・バスタードの“黄色”は、ぜひコミック/映画の両方でご堪能ください!
『シン・シティ2』
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●
 それでは遅ればせながら、今回発売される第3巻収録の2作品をご紹介させていただきます。

1)「ファミリー・バリューズ」
1997年10月に126ページの描きおろしグラフィックノベルとして発売された作品で、「ビッグ・ファット・キル」(第2巻収録)の後日談にあたります。

ゲイルからある依頼を受けたドワイトは、1軒のダイナーに向かいます。そこは凄惨な銃撃事件のあった場所で、真相を探るドワイトとともに、読者はギャングの抗争の裏に隠された悲劇を知ることになります……。雪の一夜の物語は今の季節にピッタリ! パルプ小説のヒーロー「ザ・シャドウ」に関する言及もあったりして、その後のフランク・ミラーを知る読者をニヤリとさせてくれます。また、全編にわたって“小さな死神”ミホが活躍する、ミホ好き必見!の一編でもあります。

2)「ブーズ、ブローズ&ブレッツ」
短編集。1991年から始まった『シン・シティ』シリーズですが、フランク・ミラーは長編執筆の合間にさまざまな形で短編も描いていて、それらがまとめられています。

もちろんマーヴ、ドワイトといったおなじみのキャラクターが登場します。しかし、個人的なお気に入りキャラは、「ザット・イエロー・バスタード」(第2巻収録)にも出てきた二人組の小悪党“デブとチビ”ことシュラブ&クランプ。意外な存在感を発揮して楽しませてくれます。また、殺し屋“ブルー・アイズ”と“大佐”(じつは映画第1作でジョシュ・ハートネットが演じたキャラ)は次の第4巻にも登場するので、ぜひご注目を。

ちなみに、収録作品の初出情報はというと……

○『紅いドレスの女、その他の物語(The Babe Wore Red and Other Stories)
』(1994年11月)収録
⇒「3番のドアの向こう側では…(And Behind Door Number Three…)」
⇒「顧客は常に正しい(The Customer Is Always Right)」
(※前年のサンディエゴ・コミコン用に刊行されたダークホース・コミックスのアンソロジーに収録)
⇒「紅いドレスの女(The Babe Wore Red)」

○『静かな夜(Silent Night)』
(1995年11月)収録
⇒表題作

○『ダークホース10周年(A Decade of Dark Horse)』#1
(1996年7月)収録
⇒「パパの箱入り娘(Daddy’s Little Girl)」

○『ロスト、ロンリー&リーサル(Lost, Lonely, & Lethal)』
(1996年12月)収録
⇒「デブとチビ(Fat Man and Little Boy)」
⇒「ネズミ(Rats)」
⇒「碧い瞳(Blue Eyes)」

○『セックス&バイオレンス(Sex & Violence)』
(1997年3月)収録
⇒「迷い道(Wrong Turn)」
⇒「乗り間違い(Wrong Track)」

○『いつもどおりの土曜の夜(Just Another Saturday Night)』
(1998年10月)収録
⇒表題作(※前年に『シン・シティ』#1/2として、通販限定で発売)

フランク・ミラー本人からも高評価を頂いている『シン・シティ』日本版コミックも、残るはあと1冊となりました。次回発売シン・シティ4の収録作品は1編のみとはいえ、シリーズ最長編である『ヘル&バック』。映画版第3弾が作られるとしたら、本作が原作になるだろうともっぱらの噂です。
『シン・シティ4』
定価:本体2,000円+税
●次回発売●
しかも、これまでの作品では黄、青、赤といった差し色が効果的に使われていましたが、本作ではついにフルカラーのページが登場します! ある日、謎めいた少女エスターと出会った退役軍人のウォレス。しかし彼女が何者かにさらわれ、ウォレスは街に潜む巨悪に一人で戦いを挑むことになります……。罪の街で生まれた壮絶な愛の物語、ご期待ください!

ではでは、今回はこんなところで。


(文責:中沢俊介)