2014年8月25日月曜日

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』前日譚、発売

「アメコミ魂」読者のみなさま、こんばんは!

毎日暑いですが、夏をエンジョイしていますか?

今回ご紹介するのはガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュードというタイトルです。
▲『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』
定価:2,000円+税
●9月3日発売予定●
本書は、9月13日(土)に公開される映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に合わせて出版する映画関連コミックで、前半は映画本編の背景を描いた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』2話、および『デンジャラス・プレイ』が収録されており、映画の世界をより深く楽しめます。

後半はこの宇宙最凶チームであるガーディアンズ・オブ・ギャラクシー各キャラクター原作エピソード5話を収録。これらを読むことで、登場キャラクターの知られざるルーツを辿ることができます。

映画本編の過去を描いたオリジナル・ストーリー『プレリュード』#1『プレリュード』#2『デンジャラス・プレイ』の設定や展開は完全に映画版ベースとなっています

『プレリュード』#1では、ガーディアンズのメンバーである女暗殺者ガモーラ”と妹分“ネビュラ”とのストーリーが描かれています。パワー・ストーンであるオーブを巡る女同士の壮絶な戦いは、読んでいてつい引き込まれます。

『プレリュード』#2は、個性的なキャラクターで編成されるガーディアンズチームの中でも、遺伝子改造されたアライグマのロケット”(CMで見た方も多いはず……)と樹木型ヒューマノイドの“グルート”黄金ペアが活躍するストーリーです。

キュートなルックスとは裏腹に、ライフルをぶっ放すという過激な宇宙の無法者である“ロケット”と、「私はグルート」の一言しか話せない心優しく天然キャラの“グルート”とのやりとりはもちろん、長年の相棒である二人ならではのコンビは最高です! ぜひ、本書と映画の両方で、二人(2匹)の息の合ったアクションにご注目ください!

そして後半の各キャラクター登場エピソードは、映画とはまったく異なった世界観を堪能することができます。

それも、これらの収録エピソードは描かれた年代も作家もそれぞれバラバラで、マーベル・コミックスの歴史を簡単に振り返ることができるアンソロジー的な要素もあります。その中には、“アイアンマン”“ハルク”といった“アベンジャーズ”の面々が出てくるエピソードもあり、ガーディアンズメンバーとの活躍にはワクワクさせられます。また、映画版では心優しいグルートですが、コミック版初登場のグルートはホラー・キャラというギャップも興味深いです。

それから、ガーディアンズのリーダーである“ピーター・クイル”のオリジンを改めて描いた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 #0.1というレアなストーリーも収録されています。このストーリーでは、なんと一時的にあのスーパーヒーロー”がガーディアンズにチーム参加しているんです! 「それは一体、誰なのか……?」ぜひその目でご覧ください!

先日、映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の試写を観させていただきましたが、型破りなキャラクターが暴れ回る様はまさに映画ならではの体感でした。

幼くして地球から誘拐されトレジャー・ハンターとなったピーター・クイル。そんな彼がある日、巨万の富を夢見てオーブを盗む。だが、このオーブこそ銀河を滅亡させるほどの力を持つパワーストーンであった。そのオーブを狙う悪党たちから追われることになったピーターは、刑務所で出会った宇宙最凶のアライグマや、犯罪歴を持ったヤバすぎる仲間たちとチームを組んだ。それが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。彼らは、この勝ち目のない無謀すぎる戦いに、どう挑むのか――。

……というイントロダクションからも、派手なバトル要素やスターシップが飛び交うスケール感あふれるアクションはもちろんのこと、危機を通じてお互いを信じることを知り真の仲間となっていくストーリーもあり、興奮と感動が満載です!

また、この映画で注目したいのは、冒険を彩る地球の70年代ヒット曲の数々!

少し紹介しますと、まずオープニングを飾るのが10cc“I'm Not In Love”。'75年6月に全英1位を記録したスーパーヒット曲です。ちなみに、10ccの名前の由来には都市伝説がありましたね。気になる方は調べてみてください。この都市伝説を私はずっと信じていました……(汗)。

“ギャラクシー(銀河)”つながりでは、David Bowie“Moonage Daydream”。グラムロック時代のアルバム『ジギー・スターダスト』('72年)収録曲です。この頃のDavidは宇宙人コスチュームでライブをしてました。

そして、終盤にはMarvin Gaye&Tammi Terrell“Ain't No Mountain High Enough”。60年代最多のヒット曲輩出レーベル、モータウンレコードが放ったスーパーデュオの代名詞。ラストシーンと曲の歌詞が見事にマッチしています! さらにエンドロール直前には、あの伝説グループのあの曲が……それは劇場でご確認ください!

暑さも少しは落ち着く9月には、ぜひ本書を、映画を観る前と観た後に読んでいただき、さらに広がる銀河への冒険エンジョイしていただければ幸いです。


(文責:渡辺直

2014年8月18日月曜日

夢の二大ヒーロー競演!『X-MEN/スパイダーマン』

こんばんは!

お盆休みも終わって、今日からお仕事という社会人の方も多いのではないでしょうか。8月も後半戦!暑さに負けずがんばりましょう

さてそんなお盆休みの最中にも作業いただいた印刷会社さんや流通さんの努力を一身に受けて、8月のShoPro Booksアメコミ新刊来週8/27水曜日ごろから店頭に登場していきます。

今月の新刊は…

<その1>
先週のアメコミ魂でご紹介したバットマン「喪われた絆」三部作の第2弾
ジョーカー:喪われた絆(上)

<その2>
映画『アベンジャーズ』で登場したヒーローの等身大ストーリー
ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン

そして<その3>が、今回ご紹介するX-MEN/スパイダーマンです!
▲『X-MEN/スパイダーマン』
定価:1,850円+税
●8月27日発売予定●
1962年『アメイジング・ファンタジー』#15でデビューしたスパイダーマンに続いて、1963年に創刊した『X-MEN』でデビューしたX-MEN。ともに1960年代生まれのスーパーヒーローとして、マーベルのコミックを彩ってきました。

2000年以降『X-MEN』『スパイダーマン』はいずれも実写映画が制作されており、日本でもおなじみのヒーローになりました。
この春公開された映画『アメイジング・スパイダーマン2』でエンディングに『X-MEN:フューチャー&パスト』のワンシーンが入っていたという話題も記憶に新しいところです。

同じ時代に平行してストーリーが展開されてきたことから、似たような「スーパーヒーロー」と思われているかもしれません。
ここで改めて『スパイダーマン』『X-MEN』キャラクターの違いをおさらいしてみましょう。

【スパイダーマン】
・さえない高校生 ピーター・パーカー
 放射線を浴びたクモに咬まれたことで「スパイダーパワー」を得たことから誕生。
・唯一の家族であるメイおばさんにも正体を明かしていない、孤独なヒーロー。
スパイダーパワーと優れた身体回復能力をもち
 腕につけた「ウェブシューター」からウェブ(クモ糸)を飛ばす。
※2014年現在の設定に準じています

【X-MEN】
・生まれつき特殊能力をもつ「ミュータント」たちのグループ。
 メンバーも年代によって入れ替わっている
・ミュータントの子どもたちを保護した「恵まれし子らの学園」で生活している。
・メンバーの持つ特殊能力は
 テレパシー・テレキネシス・空を飛ぶ・氷を操る・テレポート…などそれぞれ。
※同上

古くから作品をご存知の方にはお馴染みですね!


前置きが長くなりました。

今月新刊の『X-MEN/スパイダーマン』は、2008~2009年に発行された『X-MEN/SPIDER-MAN』#1-4に加えて、スパイダーマンとX-MENがコミックの中で始めて顔をあわせた1966年『X-MEN』#15、そしてストーリーとして競演した1967年『X-MEN』#35とをまとめた単行本の邦訳版です。

前半に収録されている4本は『X-MEN/SPIDER-MAN』用に作られた本作オリジナルストーリーです。
ライターはマーベル作品『ワールド・ウォー・ハルク:X-MEN』『アベンジャーズ・アカデミー』などを手がけるクリストス・ゲージ。またイラストを手がけるアーティストは、マーベルやDCのコミックでカバーアートを手がけるマリオ・アルベルティ

スパイダーマンを苦しめた宿敵「クレイブン」が、X-MENの能力を狙う科学者「シニスター」と出会い、互いの因縁を元にスパイダーマンとX-MENが共闘する、という内容で、メンバーやストーリーのバックボーンはそれぞれ「1970年代」「1980年代」「1990年代」「2000年代」に展開されていた内容を基にしています。
キーワードを上げるとしたら「初代メンバー」「ブラックコスチューム」「クローン?」「M-デイ」でしょうか。

もちろん、そんな設定を知らずとも読めるストーリーになっていますので初見の方でも安心です。
マーベル作品には必需品の同梱冊子でも解説していますので、さらに気になる方はそちらもぜひご覧ください。

また、ストーリーに直接のつながりはありませんが、映画『X-MEN:フューチャー&パスト』では1973年にさかのぼったウルヴァリンが活躍するストーリーでした。『X-MEN/スパイダーマン』の世界観とも通じる“過去”のエピソードですね。
映画を見た方も、そうでない方も、楽しんでいただけたらと思います。


後半に収録されているのは「X-MEN」「スパイダーマン」が、互いに存在を知りつつもまだ関わることのなかった1960年代のストーリー
当時の読者にとってこのクロスオーバーは、待望の1話だったのではないでしょうか?
(その割にピーターにとっては、あまりいい出来事ではなかったようですが……詳しくは本編にて!)

この1冊、前半が“古い時代のエピソードを元にストーリーを綴った”ということからスパイダーマン:ブルーのイメージとすれば、後半は“当時のストーリーを再収録した”ということでベスト・オブ・スパイダーマンスパイダーマン:ステイシーの悲劇のような仕上がりになっています。
古くから知る方はもちろん、最近「X-MEN」「スパイダーマン」を知ったもののどれから読んでいいかワカラナイ!という方にもオススメしたい1冊です。


ところで「アメコミ魂のオススメ本を1冊読んでみたけど、次はなに読んだらいいの?」お悩みのアメコミ初心者の方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方はこの際、ShoPro Books ツイッターアカウントをフォローしていただき、メンションにてご相談ください!

編集部厳選の2冊めをご案内します!

それではまた次回!


(文責:石割太郎)

2014年8月11日月曜日

先読み!『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』

みなさん、こんにちは!

アメリカでは、先月24日から27日までコミコンが開催されました。DCコミックス関連のニュースとしては、噂されていた“制作予定の映画タイトル一挙発表”こそなかったものの、『ゴッサム』『フラッシュ』『ARROW/アロー』といった話題のドラマの新情報が開示されたり、バットマン75周年のパネルがあったりと、大いに盛り上がったようです。

さらにコミコン後、米ワーナーは2020年までに全部で10本のDC映画を公開すると発表し(そのうちの二つは“イベント・フィルム”と……!)、ファンの度肝を抜きました。

残念ながら最初の1作となるべき、『バットマンvスーパーマン』の公開は2016年に延期されてしまいましたが、マーベル/ディズニーに負けないよう、ぜひ老舗の意地を見せてほしいですね。

さて、日本では、今年の夏はジョーカー祭りです!

先月発売しました『バットマン:喪われた絆』に続いて、『ジョーカー:喪われた絆』上下巻2ヶ月連続で刊行して、ジョーカーのニュー52ユニバースへの本格復帰を三部作で祝いたいと思います! 
▲『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』
定価:2,200円+税
●8月27日発売予定●
アメリカにおいて“喪われた絆Death of the Familyクロスオーバー・イベントとして展開していたので、バットマン系列各誌に関連エピソードが並行して連載されました。そして、それらを編集して1冊にまとめたのがThe Joker: Death of the Family450ページを超える原書を、日本では『ジョーカー:喪われた絆』上下巻として、2冊に分けて発売させていただくことになりました。

今月27日発売予定『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』では、以下のキャラクターのエピソードがフィーチャーされています。

バットマン……ジョーカーの帰還によって、混迷するゴッサムシティ。雨後の筍のごとく現れたジョーカーを信奉する犯罪者集団に、バットマンが立ち向かう!(掲載誌:『ディテクティブコミックス』

キャットウーマン……『バットマン:喪われた絆』には登場しなかったキャットウーマン。しかし、ヤツは彼女にも近づいていた。果たしてその目的は……?(掲載誌:『キャットウーマン』

ハーレイ・クイン……『バットマン:喪われた絆』ではジョーカーに手を貸した彼女だったが、じつは、その前後には身の毛もよだつ再会劇があった!(掲載誌:『スーサイド・スクワッド』

バットガール……ジョーカーの復活をまだ知らないバットガール。だが、ヤツの魔の手は容赦なく迫る。母親を誘拐された彼女は、謎の声に導かれて監禁場所に向かうが……。(掲載誌:『バットガール』

普段、日本ではなかなかご紹介できないキャラクターが活躍するのもクロスオーバーの醍醐味の一つ。なかでも今回は、ハーレイ・クインバットガール(バーバラ・ゴードン)という、ニュー52を経て大きく様変わりした二人に要注目です!

ハーレイ・クインは以前のコミカルなキャラクターとはずいぶん外見も変わって、毒々しい雰囲気が増し、いまやDCヴィランからなる決死部隊“スーサイド・スクワッド”の一員になっています。

一方、バットガールのほうは“梟”三部作ですでにお目見えしていますが、なんといっても今回の敵はジョーカー『バットマン:キリングジョーク』での半身不随からは回復しているものの、因縁浅からぬ相手です。さらに、『バットマン:ブラックミラー』に登場した“あのキャラクター”も登場して、否が応でも盛り上がる展開になっています!

事件の前日譚、後日談、余波などを描いて、イベントの全貌がより深く理解できる内容となっている『ジョーカー:喪われた絆』。さまざまなアーティストによって描かれるジョーカー像(とくにあのマスク)とともに、ぜひ楽しんでいただければと思います。

▲『バットマン:喪われた絆』
●好評発売中!●

来月三部作がいよいよ完結!ということで『ジョーカー:喪われた絆〈下〉』が発売予定となっております。しかし、それと同時に、バットマン史に燦然と輝く名シリーズの日本版刊行が、ついにスタートします。そう、『バットマン:ノーマンズ・ランド』です! こちらはかなり長大なシリーズで、1冊ごとのページ数も多くなるので、全4巻をじっくり出していきたいと考えています。9月刊行のラインナップもお楽しみに!

▲『ジョーカー:喪われた絆〈下〉』
●9月26日発売予定●

▲『バットマン:ノーマンズ・ランド1』
●9月26日発売予定●
※原書イメージ

ところで、小社ではアメコミBDをはじめ、さまざまな国のコミックを刊行させていただいていますが、そもそも“絵の連なりによって物語をつづる”という手法――故ウィル・アイズナー言うところの“シークエンシャル・アート”――は、どのようにして確立されたのでしょうか?


そんな奥深い謎に迫る講演が9月6日(土)千代田区立日比谷図書文化館にて開催されます。題して『ストーリーマンガ時代のはじまり 日本・アメリカ・フランスの1930年代』。講師の佐々木果さんは、“ササキバラ・ゴウ”名義でも活躍されているまんが史研究家です。1930年代といえば日本では『のらくろ』が、アメリカでは『スーパーマン』が生まれた頃。我々が知っている“マンガ的なもの”がどうやって生まれたのか……たしかに気になりますね。お近くにお住いの方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

ではでは、今日はこのへんで。


(文責:中沢俊介)

2014年8月4日月曜日

『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』を読んだ!

「アメコミ魂」読者のみなさま、はじめまして。

新しくメンバー入りしました、渡辺と申します。 

約2年間、フランスパリにあるグループ会社へ出向のため海外赴任しており、出向任期満了に伴い、先週帰国しました。

「日本は暑い……」

フランスも夏ですが、日本と違い湿気が無いためカラッとした爽やかな暑さです。2年という時間が、日本の夏への耐性をリセットしてしまったのでしょうか。アイスマンストームの力で涼しくしてほしい!!

実は私、幼少の頃にアメリカに住んでいたことから、アメコミは身近に触れることができた存在であり、スパイダーマンX-MENは自分にとって、日本のどのヒーローよりも、スーパーヒーローでした。特に、X-MENウルヴァリンは大好きなキャラクター。本書の中でも出てきますが、例の“バナナ色の派手なコスチュームはやっぱりカッコイイ! それまでX-MEN達は黒のレザー風のコスチュームを着用していましたが、本書以降、ウルヴァリンは従来の黄色と青のコスチュームに戻っています。

『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』
マーク・ミラー[作]

ジョン・ロミータJr.[画]
定価:本体3,200円+税
●小社より絶賛発売中●
今回はそのX-MENから、ウルヴァリンをフューチャーしたこの1冊を選んでご紹介します!

『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』

本書はマーク・ミラーが脚本を担当した月刊誌『ウルヴァリン』#20-32(200412月~200511)をまとめた単行本の日本語版。

まず、本書のタイトルにドキッとしました。なぜなら、『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』ですからね……。

自分の中でX-MENは、自分たちミュータントを忌み嫌う人間たちを守るため戦い続けているヒーロー集団。なんとそのヒーローであるウルヴァリンが合衆国の敵になってしまうのです。

暗殺者集団ハンドとテロリスト組織ヒドラが仕掛けた巧妙な罠により、ウルヴァリンが暗殺者として洗脳され、殺戮と破壊を繰り返しながら米国の機密情報を奪い、逃走してしまう。国家を重大な危機に陥れたウルヴァリンは、さらにファンタスティック・フォーデアデビルといった仲間だったはずのヒーローたちをも次々と襲撃していく――。

といったイントロダクションとなりますが、あのウルヴァリンが敵に回ってしまうことにより引き起こされる惨事はありつつも、その過程でのファンタスティック・フォーデアデビルとの戦いは、読み応えバッチリです。洗脳されているとはいえ、仲間であることに間違いはなく、暴走するウルヴァリンに対してあくまでも抑止しようとするヒーローたち。その優しさがウルヴァリン世界最硬度の金属アダマンチウムでコーティングされた鋭いクロー()の餌食を次々に増やしてしまうことに……。

単なるパワー戦ではなく、ミスター・ファンタスティックは交渉に持ち込もうとしたり、シングとは一種のケンカ友達であることを思い出させる台詞があったりと、各ヒーローの特性や関係性も描かれています。

一方のウルヴァリン自身も、“暴行犯を殺害して、被害女性を助ける映像がATMの防犯カメラに残っていた”、“数多くの凶行とわずかな善行”といったように、心のなかの善人が悪の洗脳と戦い激しく葛藤します。優等生的なヒーロー像とは一線を画す、荒くれた性格や言動が特徴的なキャラクターであっても、本書では「心の葛藤」というとても人間くさいところをウルヴァリンというヒーローに当てはめてドラマチックに描写しています。ヒーローという憧れの存在であっても、自分たちと共通する部分があると知って、今まで以上に親近感を持つことができたような気がします。

ということで、小学生ではじめてアメコミを手にしたときは、まさか将来的にアメコミに携わるなんて夢にも思わなかったわけですが、こうしてまた大人になってから数十年振りにアメコミを読んでみると、ストーリーだけでなく、そのアートワークもまた興味深く、違った楽しみ方に触れることができました。

本書はウルヴァリンという、今ではマーベル・ユニバースを代表する顔である人気キャラクターにスポットを当てており、複雑なキャラクターの歴史を知らなくても十分に楽しめる内容です。往年ファンの読者のみなさまはもちろん、2013年公開の映画『ウルヴァリン:SAMURAIではじめて知った! という新規読者の方にもぜひお手に取っていただきたい作品となっております。

さらにX-MENは、5月末に公開された映画X-MEN:フューチャー&パスト』でその過去のストーリーに興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。 

ShoPro Books8月新刊にラインナップしているX-MEN/スパイダーマンは、そんなX-MENと我らがスパイダーマンの秘められた過去を、新たなストーリーとして描いています。
X-MEN/スパイダーマン
クリストス・ゲージ[作]
マリオ・アルベルティ[画]

定価:本体1,850円+税
●8月27日発売予定●
マーベルが誇る2大キャラクターがコミック上で初めて顔を合わせた1966年のストーリーも収録! お見逃し無く!

それではまた次回に。


(文責:渡辺直