2014年7月28日月曜日

『GODZILLA ゴジラ』を より楽しむ必携の一冊!

こんにちは

今月のアメコミ新刊『バットマン:喪われた絆』『スパイダーマン:ブルー』いよいよ明日729日(火)発売となりました! 早いところではもうお手元に届いている方も、いらっしゃるかもしれませんね。

▲『バットマン:
喪われた絆(THE NEW 52!)』

スコット・スナイダー[作]
グレッグ・カプロ他[画]
定価:2,000円+税
●7月29日発売予定●
▲『スパイダーマン:ブルー』
ジェフ・ローブ[作]
ティム・セイル[画]
高木 亮[訳]
定価:2,000円+税
●7月29日発売予定●

バットマン「喪われた絆」シリーズ三部作第一弾としてまたスパイダーマン9月発売予定『スパイダーマンステイシーの悲劇』(正式タイトル確定しました!)に続くストーリーとしてどちらも楽しみにしていただけたらと思います。

さて今週の「アメコミ魂」は、ShoPro Booksが誇るアートブックシリーズの最新作をご紹介します!

先週7/25(金)に公開された映画『GODZILLA ゴジラ』その主役「ゴジラ」は1964年に東宝が製作した『ゴジラ』にて登場しました以来、日本で28作品が作られ、また過去にはハリウッド版『ゴジラ』も製作されたのは皆さんご存知の通りです


登場から60年を迎えた2014年……、アメリカから「ゴジラ」が再上陸!

▲『GODZILLA ゴジラ
アート・オブ・デストラクション』

マーク・コッタ・ヴァズ[著]
ギャレス・エドワーズ[序文]

本書は『GODZILLA ゴジラ』を生み出したギャレス・エドワーズ監督へのインタビューをはじめ、制作チームの「ゴジラ」と、作品に対する熱い思いが無数に詰まっています。

ただし、本書は単なるインタビュー集ではありません

スタッフの「ゴジラ」にかける情熱はもとより、
“21世紀のデジタル技術が実現した映像クオリティ”
“多数のアーティストが試行錯誤を重ねたデザインアート”
などなど、超一流のスタッフが最高の『GODZILLA ゴジラ』へとたどり着く過程を丁寧に記録しています。

本書を手に取っていただく大半の方は、映画本編を楽しみにしていると思いますのでネタバレにならぬように、内容は目次でご紹介します。



GODZILLA ゴジラ アート・オブ・デストラクション

序文 ギャレス・エドワーズ

<パート1:夢が現実に>


・Atomic Monster 核怪獣

・Journey Story 道程を描く
・Brainstorming ブレーンストーミング
・Evolution 進化
・Previz プレビズ
・Primal Sounds 原始の叫び
・The Presentation プレゼン
・The Trestle Bridge トレッスル橋
・Setting the Stage 舞台設定

新鋭の監督が抜擢されるまでの経緯、「ゴジラ」をもう一度デザインするとともに、新たな敵「ムートー」を生み出す作業、これまでにない圧倒的な迫力のある映像を作るまで、が詳細に記録されている。初めての予告編が発表されたその瞬間から監督の夢とファンの夢がともに現実に向けて動き出した……。

<パート2:撮影所の魔法>

・Role-Playing ロールプレー

・The Inner Sanctum 聖域
・Control Room コントロール・ルーム
・Into the Q-Zone 隔離地帯の中へ
・Making Monsters メイキング怪獣
・Path of Destruction 破壊の道
・Smoke and Shadow 噴煙と影
・War Stories 戦争物語
・The End of the Line 最終章
・Godzilla Encounter at Comic-Con™ コミコンにゴジラ再び

実際に撮影を始めるにあたってキャストのキャラクター構築や、セットの世界に現実味を加える作業が進む。また「ゴジラ」「ムートー」のデザインを試行錯誤しながら形にしていく。撮影したすべての要素を一つにするまで、スタッフの戦いは続く。

<パート3:創造>


・Monster Bloodbath 怪獣大虐殺

・Into the Digital Realm デジタル界へ
・“This Is Going to Work,
・This Is Going to be Cool . . .” 格好良い

撮影した映像とデジタルエフェクトの融合は、本作の出来を決める鍵。また音響や臨場感を演出する効果は、現実感を強くするために重要な要素。より格好よくするにはどうしたらいいか? その答えが『GODZILLA ゴジラ』として出来上がった。


本書の表紙は毛筆で書かれた『ゴジラ』が目を引きますが、これは原書デザインのままです。
「日本が生んだゴジラ」という“メイド イン ジャパン”を意識したのでしょうか。

本文の見出しも、英文はもちろん原書のままですが、見出しの日本語も、実は原書からのオリジナルなんです。目次だけではほんの少し「?」な日本語も本書を見れば納得していただけるのではないでしょうか。もちろん、本文はきちんと“読める日本語”になっていますのでご安心を!

日本での出版に際しては、高温多湿のため貼り付いてしまう可能性がある印刷は変更しましたが、サイズや内容は、原書イメージをそのままに再現できるよう心がけました。原書に関わった方に喜んでもらえる日本語版になったら嬉しいなぁ……なんて思っています。

手前味噌で恐縮ですが、本書『GODZILLA ゴジラ アート・オブ・デストラクション』は、ShoPro Booksアートブックの中で最高の初動を記録することができました。

「ゴジラ」シリーズが好きな方SF映画好きの方はもちろん、立体造形物を作る方には参考にしていただきたいですし、さらには、ミリタリー好きの方には登場する米軍兵士の装備各種をチェックする資料にもなるかと思います。アーロン・テイラー=ジョンソン演じる主人公、フォード・ブロディ大尉ともにHALOジャンプする他の隊員の装備が異なることも、確認することが出来ます。

もちろんそんな細かいことは気にせずに『GODZILLA ゴジラ』を見たすべての方に見ていただきたい1冊です!

本書をご購入いただいた方を対象にバンダイの『GODZILLA ゴジラ』商品「S.H.MonsterArts ゴジラ(2014)」「ゴジラエッグ ゴジラ2014」&「ゴジラエッグ ムートー」が当たるプレゼントキャンペーンも実施! ぜひとも、お手にとってご覧ください。

それではまた!


(文責:石割太郎)

2014年7月21日月曜日

『喪われた絆』前夜祭! 『バットマン:笑う男』再読

みなさん、こんにちは!

ニュー52バットマン『喪われた絆』三部作、刊行スタートまでいよいよ1週間ほどに迫りました!

というわけで今回は、これを読めば『バットマン:喪われた絆』をより楽しめること請け合い、という1冊をご紹介したいと思います。その作品とは……『バットマン:笑う男』

▲『バットマン:笑う男』
エド・ブルベイカー[作]
ダグ・マーンキ、パトリック・ジーカー[画]
定価:1,900円+税
●好評発売中●
ジョーカー関連のコミックとしては、『キリング・ジョーク完全版』『ジョーカー』も小社から発売されています。たしかに、ご存じアラン・ムーアの手がけた永遠の名作である前者や、リー・ベルメホの驚異のアートが堪能できる後者は、必読コミックです。しかし、『笑う男』も、『喪われた絆』の刊行が迫ったいまこそお読みいただきたい、オススメの1冊なのです!

『バットマン:笑う男』は、2005に読み切りの豪華版増刊誌としてアメリカで発売されました。当時のDCコミックスは、バットマン初期の活躍を、フランク・ミラーによる『バットマン:イヤーワン』の時間軸の延長線上で語り直そうとしていたのですが、その第1弾が『笑う男』だったのです。

本作のテーマは“ジョーカーとの初対決”。バットマンが個人名義の雑誌をついに獲得した、1940の記念すべき『バットマン』第1号の物語の“リ・イマジネーション”となっています(ちなみに、未邦訳ですが、本作以降も同じコンセプトで、ヒューゴ・ストレンジとの初手合わせを描いた『バットマン・アンド・ザ・モンスター・メン』、吸血鬼モンクと遭遇する『バットマン・アンド・ザ・マッド・モンク』が発売されています)

▲『バットマン:
喪われた絆(THE NEW 52!)』

スコット・スナイダー[作]
グレッグ・カプロ他[画]
定価:2,000円+税
●7月29日発売予定●
まだバットマンを“宿敵”としては認識していなかった頃のジョーカー、そして、ジョーカーほど常軌を逸した犯罪者とは初めて出会ったバットマン……両者の初々しい(?)戦いぶりがスリリングに描かれます。もちろん、これはニュー52が始まる前の作品です。しかし、今回読み返してみて、“これがあったから『喪われた絆』のあの場面が……”と思わず感慨にふけってしまいました。きっと先に読んでおけば、両者のお互いに対するただならぬ思いを、より深く理解できるのではないかなと思います。

ニュー52バットマンのほうでは、彼のオリジンを語り直した1年にわたるストーリーライン『バットマン:ゼロ・イヤー』が最近完結しましたが、『喪われた絆』を楽しむにあたって、『バットマン:笑う男』はまだまだ有効な1冊です!

さて、『バットマン:笑う男』70ページ弱の中編だったため、単行本化にあたってもう一つエピソードが追加収録されました。それが『笑う男』の2年ほど前に、『ディテクティブコミックス』で連載された『ウッドキラー』。じつは、こちらのエピソードも隠れた逸品なのです。

登場するのはバットマンと、初代グリーンランタン(アラン・スコット)! 何を隠そう、初代グリーンランタンは、バットマン以前にゴッサムシティを守っていた(ということになっている)スーパーヒーローなのです。当初は一介の鉄道技師だったアラン・スコットですが、やがてゴッサムシティのとあるテレビ局の副社長になり、いまやヒーロー稼業からも引退し、悠々自適の生活を送っています。そんなある日、初代グリーンランタンの過去につながる殺人事件が起きて……といった場面から物語は始まります。

考えたものをなんでも具現化できる魔法の指輪を操り、投げ縄スプレー缶を出現させて敵と戦い、街には彼を称える銅像が建てられている……そんなゴールデンエイジのおおらかさを漂わせた往年のスーパーヒーローと、現役のビジランテの対比はなんとも言えない味わい深さがあります。さらに、このエピソードの最後には、ちょっとした二段オチがあるのですが、そこに『バットマン:ハッシュ』“ある場面”とのつながりを感じて思わずニヤリ。こうやって人はアメコミにハマっていくのかもしれませんね。ツボを押さえた心憎い物語となっています。

本書に収録された二つの物語のライターはエド・ブルベイカー。もともとノワール系のオリジナル・コミックを得意とし、2000年頃からバットマン系列誌を担当して広く知られるようになります(同世代の作家としてはブライアン・マイケル・ベンディスなど)。やがてマーベル・コミックスに仕事の軸足を移すようになった彼が手がけたのがキャプテン・アメリカ! 8年にわたった担当期間のあいだに、バッキーの復活スティーブ・ロジャースの暗殺と復活など、大いに話題を提供し、高い評価を得ました(ブルベイカーによるキャプテン・アメリカは、かつても小社からも『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』が発売されていました)。ちなみに、今年公開された映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でも、彼はカメオ出演しています。
▲『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』
2000年代後半のマーベルの顔となったブルベイカーは、他にも『デアデビル』『アンキャニー・X-MENなどを担当しつつ、さらに2006年にある雑誌を立ち上げます。1970年代に考案されたB級ヒーローを見事に再生させた『イモータル・アイアンフィスト』もまた高い評価を受けたのですが、そこで彼の共作者を務めてメインストリームに進出したライターが、やがて“マーベル・ナウ!”で最高の作品!と絶賛されるコミックを立ち上げることになるのです。そのライターこそマット・フラクション、コミックは『ホークアイ』。小社より8月発売予定です!

▲『ホークアイ:
マイライフ・アズ・ア・ウェポン』

マット・フラクション[作]
デイビッド・アジャ他[画]
●8月発売予定●
ではでは、今日はこのへんで。

(文責:中沢俊介)

2014年7月14日月曜日

ジョーカー、ついに登場! 『バットマン:喪われた絆』

みなさん、こんにちは!

ついにヤツが帰ってくる!

というわけで、今回は729発売予定『バットマン:喪われた絆(THE NEW 52!)』をご紹介させていただきます。
▲『バットマン:
喪われた絆(THE NEW 52!)』
スコット・スナイダー[作]
グレッグ・カプロ他[画]
定価:2,000円+税
●7月29日発売予定●
『デス・オブ・ザ・ファミリー』という原題で知られるこの作品で、ついにバットマンの宿敵ジョーカーがニュー52のユニバースに本格復帰します! じつはジョーカーは、2011年のニュー52立ち上げ時、『ディテクティブコミックス』の創刊号に登場したきり、消息不明になっていました。そして、約1年後、雑誌『バットマン』のほうで、堂々の復活を果たすことになったのです(ここらへんの流れの詳細は、翻訳者である高木亮さんによる巻末解説をお読みください)

そんな記念すべき復活劇を手がけたのは、『バットマン:梟の法廷』をはじめとするニュー52バットマン“梟”シリーズから続投の黄金コンビ

まずライターはスコット・スナイダー。最近小社より発売された『バットマン:ブラックミラー』『バットマン:ゲート・オブ・ゴッサム』も好評な、ニュー52バットマンのメインライターです。思い返せば、『ブラックミラー』でディック・グレイソン版バットマンと対決したジョーカーも、出番は短いながらも強烈なインパクトを残しました。しかし今回はある意味主役として、それを上回る活躍(?)が堪能できます。

バットマン最大最凶の宿敵ということで、これまで数多くのジョーカー譚が描かれてきました。そして小社でも『バットマン:キリング・ジョーク完全版』(アラン・ムーア/ブライアン・ボランド)『ジョーカー』(ブライアン・アザレロ/リー・ベルメホ)『バットマン:笑う男』(エド・ブルベイカー/ダグ・マーンキ)などを出版しています。さまざまな作家がそれぞれの解釈でジョーカーを描いてきたのですが、スコット・スナイダー版ジョーカーのポイントはバットマンへの常軌を逸した“愛”なのかなと。ニュー52をまたいでも揺るがないジョーカーのバットマンへの“愛”が、どんなとてつもない事態を巻き起こすか……ぜひご覧になってお確かめください!
▲『ジョーカー』
定価:2,400円+税
●好評発売中●
ペンシラーはグレッグ・カプロ。日本ではそれほど知名度がありませんが、アメリカでは個人名義の画集が発売されるほどの実力派です。かつて日本版が出ていたトッド・マクファーレン『スポーン』でも、じつはある時期から本編のペンシルは大部分カプロが手がけていました。あれからずいぶん時間が流れ、彼の絵柄も変化&進化しています。日本人にとっても親しみやすい造形センスと、アメコミらしい重量感ある描き込み、そして豊かな表情……当時の『スポーン』ファンの皆様にも、まだまだ若々しい、いまのカプロをぜひ見ていただきたいです!

また、各エピソードの間にちょっとした短編が差し挟まれているのですが、そちらの作画を担当してるのが、ジョック! そう、『ブラックミラー』のコンビが再現されているのです。『バットマン』といえば、現在のバットマン系列の主力雑誌。というわけで、アート面でも見どころ満載の1冊となっています。

▲『バットマン:ブラックミラー』
定価:2,600円+税
●好評発売中●
さらに、登場キャラクターも出し惜しみなしの豪華キャスト

前回の“梟”シリーズでは、新生ユニバース立ち上げにふさわしく、新たな敵役として秘密結社“梟の法廷”を登場させて見事成功を収めましたが、そろそろお馴染みのキャラクターの活躍も見たくなるのがファン心理というもの。そんな期待に応えたのか、バットファミリーはもちろん、主要ヴィランも勢ぞろいしています。それも、ジョーカーがバットマンのために考え出したおぞましくも大掛かりなシナリオの一部として……。どのような形で登場するのかは本編を読んでのお楽しみですが、とにかく、読み進めていくうちに、さしたる能力も持ち合わせていないはずのジョーカーの恐ろしさがひしひしと伝わる展開になっています。

ちなみに、待望のジョーカー復活を祝って、本書のカバーはちょっと特殊な仕様にさせていただきました。ご購入いただいたら、ぜひカバーをめくってみてください。使い方次第で、あなたもジョーカーになれる、かも……。

さて、『喪われた絆』は、バットマン系列各誌にまたがるクロスオーバー・イベントとして展開されました。キャットウーマン、ハーレイ・クイン、バットガール、ナイトウィング、レッドフード、レッドロビン、そしてロビン……。ジョーカーと出会うことで彼らに何が起こったのか、それぞれの雑誌で描かれたのです。そんなエピソードを編集してまとめたのが『ジョーカー:喪われた絆』。日本版では原書を上下巻の2冊に分けて『バットマン:喪われた絆』も含め、三部作として順次刊行していきます。
▲『ジョーカー:
喪われた絆〈上〉(THE NEW 52!)』
●8月発売予定●
まず来月は『ジョーカー:喪われた絆〈上〉(THE NEW 52!)』。さまざまな作家によって描かれるジョーカー……どうぞお楽しみに!

ではでは、今日はこんなところで。


(文責:中沢俊介)

2014年7月7日月曜日

絵本のような名作『スパイダーマン:ブルー』を紹介

こんにちは。

今日は7月7日、七夕です……が全国的に空模様がイマイチのよう。
それどころか、7月としては過去最大級の台風がやってきているとかで
織姫と彦星は残念ながら来年まで逢えそうにないですね。

そんな、はじまったばかりの7月ですが今月はShoPro Booksから久々のマーベル作品『スパイダーマン:ブルー』をお届けします。
『スパイダーマン:ブルー』
ジェフ・ローブ[作]
ティム・セイル[画]
高木 亮[訳]
2,000円+税
●7月29日発売予定●
「名作」といわれる『スパイダーマン:ブルー』スパイダーマンファンの方だけでなく、初心者の方にも手にとっていただきたいこの作品を発売前ですがその内容をご紹介します!


あらためての“おさらい”

1962年に誕生した『スパイダーマン』、主人公はご存知「ピーター・パーカー」
彼は“ガリ勉パーカー”と言われるほど学校の中でも影が薄く、さえない青年だった訳ですが、スパイダーマンとして活躍するうちに、いろいろな人との関係が広がっていきます。

現在までのベースとなるストーリー、あらすじのおさらいは小社刊『ベスト・オブ・スパイダーマン』を読んでいただくのが一番です。未読の方は、アメコミ魂「『ベスト・オブ・スパイダーマン』を読んでみた話」もあわせてご覧ください。

◆誰もが知る2人のヒロイン

本書のヒロイン「グウェン・ステイシー」「メリー・ジェーン(MJ)」
ファンの方にはもうおなじみですがグウェンといえば『スパイダーマン』のストーリーに欠くことのできないピーター・パーカー初めての恋人。またメリー・ジェーンは、後日ピーターと結婚することになる女性でその初登場からピーターを振り回す自由すぎる女性、です。

本書は、大人になってMJと結婚したピーターがまだ若かったころ(=初期のエピソード)を思い出しながらグウェンに語りかける、という形で展開していきます。
※2002年の作品なので、現代のピーターとMJは夫婦になっています。

本書各章のサブタイトルはジャズのスタンダードナンバーから取られていたりティム・セイルの描くアートは1960年代のスパイダーマンを髣髴とさせる、など全編に渡ってノスタルジーを感じさせる仕上がりとなっています。ピーターが語りかけるように紡ぐ各章のモノローグも過去を振り返るスタイルで、よりその雰囲気を強くしています。

また、ハリー・オズボーンフラッシュ・トンプソンなどの友人たちに加えグリーン・ゴブリンをはじめ、ライノバルチャーといった敵も登場し、古くからおなじみのキャラクターがその花を添えています。

◆タイトル「ブルー」に秘められた熱い想い

『スパイダーマン:ブルー』は、2002年から2003年にかけて刊行された6本のミニシリーズ単行本にしたものです。作者はジェフ・ローブティム・セイルのコンビで日本でもマーベルやDCコミックの作品で人気のあるクリエイターです。

特に2001年から2003年のマーベル作品『デアデビル:イエロー』『スパイダーマン:ブルー』『ハルク:グレイ』はいずれも各キャラクターの初期の時代のストーリーを描いたものとして知られています。

それぞれ、その色にまつわるジャケットデザインとそのタイトルとストーリーとが関連するようなイメージになっているのは「さすが!」というところでしょうか。
(『デアデビル:イエロー』『ハルク:グレイ』は現在のところ未邦訳です)

本書の場合は“物悲しい”「ブルー」がそのイメージです。

◆友達…片思い…そして

単なる同級生でしかなかったハリー・オズボーン思わぬことから親しくなったピーター。その友人である、ブロンドの髪が魅力的な女性「グウェン」ピーターは心を奪われます。次第にその距離が近づいている……かと思いつつ決定的ではない2人。

一方でメイおばさんを通じて紹介された「メリー・ジェーン(MJ)」。その自由奔放なキャラクターにぐいぐいと押されてしまうピーター思わせぶり? 気になる相手? ただ振り回されているだけ? と読者もMJに引っかき回されているような感じではないでしょうか。

バレンタインデーの夜、パーティをぶち壊した怪人クレイブンと戦ったスパイダーマン。部屋に戻ってきたピーターを待っていたのは、いったい誰だったのか……。

ピーターと同じように、ドキドキしながらページをめくっていただきたいです!

◆このお話の先はといえば

本書では、ストーリー冒頭にブルックリン橋が描かれています。映画『アメイジング・スパイダーマン2』をご覧になった方もご存知のとおりグウェンがその命を落とした場所、です。

この場所を舞台としたお話は『スパイダーマン:ステイシーの悲劇』へと繋がっていくのですが、こちらは8月刊行予定なので、また改めてご紹介することにいたしましょう。

それではまた!


(文責:石割太郎)