2013年9月23日月曜日

『エリジウム ビジュアルガイド』を語る

こんにちは!

今回は2本立てです。

映画『第9地区』を手掛けたニール・ブロムカンプ監督最新作『エリジウム』――ShoProBooks読者であれば、絶対気になる映画ですよね。あの『第9地区』、『District 9』の監督ですからね。『第9地区』のビジュアルガイドは海外では刊行されたんですが、日本の公開に間に合わなかったので、翻訳出版を断念した記憶がありますが、今回は映画公開ドンピシャ『エリジウム ビジュアルガイド』を刊行することができました。映画のほうは先週の9月20日に公開されましたね。マット・デイモン&ジョディ・フォスター主演なので、評判は上々のようです。


『エリジウム ビジュアルガイド』
マーク・ソールズベリー[著]ニール・ブロムカンプ[序]
■定価:3,360円(税込)|絶賛発売中
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.
“富と永遠の理想郷、エリジウム”そして“貧困と荒廃の地球”――。映画の内容もさることながら、設定画やセット資料なども気になるところですよね。この独創的な世界観をつくりあげた作品の舞台裏が凝縮した本書には、巨匠シド・ミード(『ブレードランナー』『エイリアン2』『トロン』)が描いたコンセプトアートも多数収録されているんです!

そのほかにも撮影風景、スチール写真、設定画、セット資料、近未来のロボットやビークルなどのビジュアル、制作秘話などのエピソードも満載です。






まあ、僕の拙い文章よりは“百聞は一見にしかず”ということで、本書に収録されている資料を少しだけお見せしましょう! 書店さんではシュリンクがかかっていることが多く、確認できませんからね。では、どうぞ!


▲2154年、第三世界の都市となった荒廃したロサンゼルス
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.


▲ロケ地となったメキシコシティを歩くマックス役のマット・デイモン
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲上空に見えるのは人類の理想郷エリジウム(コンセプトスケッチ)
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲荒廃した地球の住民がエリジウムに行く唯一の方法はこの違法シャトルしかない
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲マックスが働く工場のコンセプトスケッチ。この工場で悲劇が起こる…
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲事故にあったマックスに薬を渡す危険物回収ロボット。詳細は映画にて
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲スパイダーの住処。ここでマックスは一大決心をするのだが…
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲マックスが着用するエクソ・スーツ。機能については本書にて
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

▲『エリジウム』に登場するロボットは二足歩行型。警察もロボット。このような緻密な資料も満載!
TM & (C) 2013 TriStar Pictures Industries, Inc. All rights reserved.


最後に本作品の物語を。2154年――人類は二分されていた。富裕層はスペースコロニー“エリジウム”に住み、貧困層は荒廃した地球に住んでいた。人類の理想郷であるエリジウムには、不治の病をも完治させる再生装置が完備され、富裕層たちは永遠の命を手に入れていた。余命5日を宣告された地球に住む主人公マックスは、永遠の命をてにいれるために“エリジウム”行きを決断するのだが……。


SFファンならずとも映画ファンならば絶対見逃せない本作唯一のビジュアルブックですので、ぜひお買い求めください。


ではまた!


(文責:山本将隆)

『R.I.P.D. / アール・アイ・ピー・ディー』を語る

こんにちは!

9月28日頃発売(地域によって若干異なります)の『バットマン:ハッシュ 完全版』『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』については、すでにこちらでご紹介させていただきました。どちらも読者からの刊行希望の多かった作品ですから、発売日が待ち遠しいですね。

さて、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、同日にアメコミをもう1作品刊行するんですよ。DARK HORSE COMICS作品だからいうわけではありませんが、まさにダークホース的存在『R.I.P.D. / アール・アイ・ピー・ディー』です。騙されたと思ってぜひ読んでみてください。なかなか面白いんですよ、この作品。

アートもアニメ画っぽく親しみやすいし、翻訳も『ヘルボーイ:壱/弐』や『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』の堺三保さんの訳で非常に読みやすくなっています。ゴーストを退治するニック刑事とロイ保安官の掛け合いとかスラングとかも面白く訳していただいています。ちなみに堺三保さんには10月末刊行予定の『2ガンズ』の翻訳も担当してもらいました。ハードボイルドな作品で、11月1日公開の同名映画の原作コミックです。

『R.I.P.D. / アール・アイ・ピー・ディー』は、10月18日公開の映画『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』の原作コミックになります。映画のほうもこれまたB級臭がいたしますが(笑)、悪霊(ゴースト)たちのCGなどにもしっかり制作費をかけているようで、アクションあり、笑いありの娯楽作品としてたいへん楽しめました。

監督は『RED/レッド』(2010)のロベルト・シュヴェンケ監督。公式でも引用していますが、『メン・イン・ブラック』や『ゴーストバスターズ』などが好きな人には超おススメです。映画では、『グリーン・ランタン』でハル・ジョーダン役を演じたライアン・レイノルズがニックを、『クレイジー・ハート』で米アカデミー賞主演男優賞を獲得したジェフ・ブリッジスがロイを演じています。


このコミックは、1999年10月から2000年1月にかけて出版された4冊のミニシリーズ『R.I.P.D.』をまとめた単行本の邦訳版です。タイトルの“R.I.P.D.”は、“Rest in Peace Department”の頭文字をとったもので、“Rest in Peace(安らかに眠れ)”と“Police Department(警察署)”をかけた造語でしょう。本書では「冥福警察」と訳しています。


脚本を担当したピーター・M・レンコフは、テレビ番組や映画の脚本家/プロデューサーとして有名で、CBSの人気長寿番組『HAWAII FIVE-O』や『24-TWENTY FOUR』『CSI: ニューヨーク』などを手掛けています。エミー賞にノミネートされるなど、数々の賞を受賞した実力派なのです。

本書でコミック業界のデビューを果たしたペンシラーのルーカス・マランゴンは、その後ダークホース・コミックス社の『スター・ウォーズ』シリーズなどを担当した。アニメーター/イラストレーターとしても活躍しているインカーのランディ・エンバリンは、コミックではインカーを担当することが多く、『アメイジング・スパイダーマン』や『GIジョー』などの作品を手掛けており、親しみやすい独自のスタイルを確立しています。


原作コミックと映画の内容は大きくかけ離れていませんが、映画はエンタメ要素を重視し、さまざまなアイデアが付け加えられています(現世ではロイが金髪美女に、ニックがアジア系の老人になってしまうとか)。一方、原作コミックは、映画よりもシンプルなストーリーで、アートもアメコミを初めて読む人に受け入れやすい作風になっています。映画を先に観てもよし、本書を先に読んでもよし、ぜひ双方に通じる『R.I.P.D.』のコンセプトを楽しんでください!

余談ですが、「あれ?『○○のアメコミ魂』というタイトルバナーから“○○”の冠がなくなっている?」とお気づきの方……素晴らしい、あなたはもう「アメコミ魂」マニアです。情けない話ですが担当者がブログに手が回らないということで、今後しばらくはブログの執筆担当者を特定せず、複数名で執筆していこうかと思います。引き続きよろしくお願いします。

ではまた!


(文責:山本将隆)

2013年9月9日月曜日

『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』を語る

こんにちは!

前回の「アメコミ魂」では期待の復刊作品『バットマン:ハッシュ 完全版』をご紹介しました。今回はその『バットマン:ハッシュ 完全版』と同じ発売日である9月28日頃発売予定のデッドプール初邦訳作品『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』について少しだけ語ってみようかと思います。

▲日本語版カバー
ソフトカバー、オールカラー328ページ、定価:2,940円(税込)……アメコミ初心者の方には少々お高く感じるかもしれませんね。とはいえ、表紙の雰囲気やこのブログを見て気に入っていただけたのならば、お買い求めいただいて損はないと思います。アメコミファンからすると、328ページで2,940円!?と、いい意味でいていただいているかもしれませんね。

本書は、とってもお茶目でクールな作品です。いつもの邦訳アメコミとは違って「クスッと笑える」場面も多いですし、気軽に読めちゃう海外マンガです。一応はじめに申しておきますと、今回の作品はデッドプールというキャラクターとゾンビ版デッドプールの頭部(ヘッドプール)との珍道中が描かれてありますので、少しだけ、ほんのちょっとだけ“グロ注意”ということだけお伝えしておきます。驚く度合いは個人差がありますからね。作品内容は違いますが『ウォーキング・デッド』や『キック・アス』を楽しめた人ならまったく問題はないですよ。

『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』の原題は“Deadpool: Merc with a Mouth”です。
“Merc”は“mercenary”の短縮形(スラング)で「傭兵」や「雇い兵」などの意味です。ほかにも「報酬目当てで働く人」などの意味もあります。邦題は原題のカナ表記にしましたが、日本語訳にすると『おしゃべりな傭兵デッドプール』でしょうか。本書では「冗舌な傭兵」と記してあります。

本書は、2009年9月から2010年9月に連載された『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』1号~13号をまとめた単行本で、一つのまとまった物語になっています。連載時のカバーアート(単行本内では各章トビラ)は、パロディの連続で『ジョーズ』やら『プリティ・ウーマン』やらの映画ポスターやニルヴァーナのジャケットなどのパロディで構成されているのも見どころですね(数量限定購入特典ポストカード配布対象書店一覧で一部使用されています)。

さて、「デッドプール」ってホントはよく知らないという方にちょっとご説明を。デッドプールの本名はウェイド・ウィンストン・ウィルソン。マーベル・コミックスのユニバースで活躍する傭兵アンチヒーローです。初登場号は1991年2月の『ニューミュータンツ』98号。誕生してまだ20年ちょっとなんですね。デッドプールをクリエイトしたのは、ライターのファビアン・ニシーザとアーティストのロブ・ライフェルドです(ライフェルドの画は本書でも見れますよ)。デッドプールの誕生秘話にはDCコミックスのデスストロークを意識して…などとありますが、このあたりは本書内にあるボリューム満点の別紙解説書をご覧ください!

デッドプールといえば戦闘能力超回復能力。ダメージを受けてもすぐ治っちゃう。ウルヴァリンをイメージしていただくとわかりやすいと思います。実際に同じ能力ですからね。また、彼は日本に来て相撲部屋に弟子入りしていたこともあり、日本語のほか語学は堪能です。あとは変貌してしまった顔に極度のコンプレックスを抱いているのですが、なぜそうなってしまったのかはこちらも解説書をお読みください(笑)。最大の特徴は、デッドプールは読者に語りかけてしまったり、メタ発言ができる数少ないキャラクターだというところでしょう。ここが彼の魅力であり、読者が彼を「可愛い」「憎めない」「面白い」と思ってしまうところだと思います。

クールなアンチヒーローなんだけど、ユーモアやパロディもあり、愛もある(笑)ヒーロー、デッドプール。ハマる人は絶対ハマってしまう、彼の魅力がいっぱい詰まった本書をぜひご一読くださいね!

ではまた!


(文責:山本将隆)

2013年9月1日日曜日

【夏休み企画⑤】『バットマン:ハッシュ 完全版』解剖

こんにちは!

今日から9月ですね。「あ~夏休み終わっちゃった」なんて思っている人も多いはず。この2週間、5回にわたって不定期に投稿した【夏休み企画】も夏の終わりと同じくこれで最後になります。おかげさまでページビューも増えました。皆さま、お付き合いいただき、ありがとうございました。

次回からは(一応)隔週月曜日更新で運営してまいります(もしかしたら不定期更新になるかもしれません……)。次回の定期更新は9月9日(月)になります。今後も即効性のあるネタがあれば定期更新にかかわらず記事をあげていく予定です。

さて、今回の企画は9月28日頃発売予定の『バットマン:ハッシュ 完全版』を紹介します。同時発売に日本初上陸の『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』や映画原作コミック『R.I.P.D. アール・アイ・ピー・ディー』などがあります。とにかく、どれも注目作ですので、ぜひご贔屓に!

これだけ邦訳コミックが出ていますと、何がいま発売されているかを忘れてしまいますので、念のために8月発売の邦訳アメコミを列挙しておきます。。
『スーパーマン:ラスト・サン』
『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』
『バットマン:梟の夜(THE NEW 52!)』
コミックじゃないけど……これも。
『アート・オブ・アイアンマン3』
あと…アメコミじゃないけどヒーローつながりでこれも……。
『科学忍者隊ガッチャマン アニメアーカイブス』


では、謎の包帯男ハッシュの話をしましょう。

■『BATMAN: HUSH』について
▲『バットマン:ハッシュ完全版』

『BATMAN:HUSH』は、2002~2003年に『BATMAN』誌で12回にわたって連載されたエピソードです。その後、全2巻のTPB(単行本)が刊行(本書を底本としたものが他社さんで邦訳)。2005年には全エピソードに加え、多くの特典ページを収録した『ABSOLUTE BATMAN HUSH』が刊行されました(今月末刊行する『バットマン:ハッシュ 完全版』は本書が底本です)。

また2011年にはジム・リーのペンシル画で構成された『BATMAN:HUSH UNWRAPPED』(『バットマン:ハッシュ 完全版』にも少しだけ特別収録!)も出版されています。



ABSOLUTE版(完全版)は、大判のハードカバーで豪華なケースのついたDCコミックのシリーズで、小社でも『ウォッチメン』や『バットマン:ダークナイト』『キングダム・カム 愛蔵版』などはこのABSOLUTE版を底本としています。


左が『ABSOLUTE BATMAN HUSH』。右はABSOLUTE版を底本とした翻訳版『キングダム・カム愛蔵版』

アメコミの通常の単行本サイズと比較するとこんなにも大きいのがABSOLUTE版。書棚に収まりきれませんね(笑)


▲ハッシュ。モザイクの理由は……
ジム・リー&ジェフ・ローブの『BATMAN:HUSH』は大ヒットを記録するのですが、大ヒットに至るまでの過程などについては、『バットマン:ハッシュ 完全版』に収録されているジム&ジェフによるイントロダクションや日本語版解説をご覧ください!

本書は読みきり作品として成立しており、バットマンのキャラクターやヴィランが多く登場するので、バットマン入門書としても適しています。ちなみに“HUSH”は謎の包帯男の名前なのですが、日本語では「しっ。静かに。黙って」という意味になんですね。読む前に覚えておくといいかもしれませんね。




■『バットマン:ハッシュ 完全版』の収録特典
《その1》ジム&ジェフによるイントロダクション
ジム・リーとジェフ・ローブによるイントロダクションを冒頭に収録。これは本書の底本である『BATMAN HUSH ABSOLUTE』の出版当時(2005年)のインタビューなので、モロネタバレになっています。『ハッシュ』を初めて読む日本の読者は、この項目は本編を読んだ後に読むべきですね。逆に『ハッシュ』をすでに読んだことなある方は、初めから読んでいただいてもいいですし、とても興味深い内容になっています。
▲ネタバレが含まれているイントロダクション(写真は原書版。以下同)

《その2》カバーアート集
全2巻の単行本にもカバーアートは収録されていましたので、もちろん重複する画もあるのですが、こちらの方がアートが豊富ですね。


《その3》ジム・リーによる解説
アーティストによる場面解説。これは贅沢ですね……。写真でいうと右のページになります。日本語版でも12ページにわたって解説されています。


《その4》スケッチ集
これは画を勉強している人やイラストを趣味にしている人には大変参考になりますよね。


《その5》ジム・リーの原画が完成するまで
見開き2ページのみの収録ですが、裏側が見れてとても楽しい!


《その6》修正原稿
完全版だからこそのこの企画、マニア垂涎です!



《その6》商品デザイン
このフィギュア、うちの100名様プレゼントにあったような……。このフィギュアにもちゃんとデザイン画があったんですよね。


《その6》日本語版のみの特別収録『バットマン:ハッシュ アンラップド』の冒頭をほんの少しだけ収録!
日本の読者に喜んでもらえるか分かりませんが、一応、自分のアイデアで入れてみました。本当は全ページ入れたかったのですが、そうなると700ページ近くになってしまうのでやめました(笑)。雰囲気だけでも味わっていいただければ幸いです。
▲これが『~UNWRAPPED』の原書。う~ん、渋い


▲中身はこんな感じ! ジム・リーファンにはたまらないでしょうね……


そのほか下絵やスケッチなどもまだまだ収録されています。もちろん、いつものように日本語版解説と用語解説も収録されています。今回の『バットマン:ハッシュ 完全版』は、完全新訳なので、その点もご注目くださいね!



HUSH!(しっ!)……この記事は誰にも言わないで!……というのは冗談で、買おうかどうか悩んでいる人はこの記事を参考にしてください。最近、アメコミファンになった人には全力でお薦めできる作品です! 最後に、日本語版のケースと表紙のデザインを本邦初公開。なかなかカッコよくできたと思います。ご期待ください。





最後に【夏休み企画】を振りかえりたい人は下記をクリック!

【夏休み企画①】鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!

【夏休み企画②】ShoPro Books Lineup 2013を整理した

【夏休み企画③】100冊記念ってあったけど、いま何冊目?

【夏休み企画④】この秋、注目の映画はこれだ!


ではまた!


(文責:山本将隆)