2013年7月29日月曜日

「急遽、代筆を受けてしまったのだ」の巻

こんにちは!

はじめまして、本日は「アメコミ魂」担当者の代筆をしております。つい1時間ほど前の話です。
日々の編集作業に追われ、憔悴した顔のブログ担当者Gくんが、突然「ふぅ――ッ」と深いため息をもらしながら、私のデスクにそっと近寄り、ボッソっと一言。

(Gくん)「あのぅ……アメコミ魂のブログ更新、明日でいいでしょうか?」
(自分) 「…………」

おいおい、更新日は守ろうよ!と思った私は「ちゃんと更新しないとダメでしょッ!?」と、一度は彼の申し出を撥ねたのですが、トホホ顔の担当者にちょっぴり哀愁を感じてしまったので(笑)……代筆を受けるけることにしました。ということで、今回は終始、駄文になってしまうかもしれませんが、しばらくお付き合いください。

夏はまだまだこれからですが、今年の7月は我々に小社にとって“熱い”夏でした。なぜならば、『サイボーグ009 USAエディション』の刊行にはじまり……。

▲アメコミ版「サイボーグ009」
梟の法廷vs.バットマンの最終決戦が描かれた『バットマン:梟の街(THE NEW 52!)』、アレックス・ロスのアートが冴えわたる『マーベルズ』、さらに、これはバンド・デシネですが、雰囲気が最高だと好評を博している『塩素の味』と、海外コミックを4作品も刊行することができました。
▲待望のニュー52バッツ第2巻
▲マーベル初の復刊(小社調べ)
▲夏の香り、プール、塩素の味
これもひとえに皆様のおかげであります。本当にありがとうございます。

今回のアメコミ魂は、7月に刊行したコミックのなかから、「この部分にこだわって編集しました!」と、小さな自慢ができるようなポイントを紹介していこうと思ったのですが、それはまた次の機会にさせていただき、今回は、いま話題となっている作品を一つぜひとも紹介させてください。

いま話題となっている作品――そう 『パシフィック・リム ビジュアルガイド』です! 巨大怪獣vs.巨大ロボ! 鬼才ギレルモ・デル・トロが手掛ける話題作『パシフィック・リム』(8月9日公開)の豪華本であります。しかも3,000部限定発売なんて、読者の皆様に叱られそうなのですが……現在、大好評発売中なのであります! この場を借りまして、ぜひ告知を。いや、アメコミファンも絶対気になっていると思いましてね……。

これまで海外コミックや映画のメイキング本の邦訳出版を数多く手がけてきた小社は、鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が放つSF超大作『パシフィック・リム』の唯一の豪華本『パシフィック・リム ビジュアルガイド』を3,000部限定にて7月24日に刊行いたしました(売行き絶好調です)。

昨日、記者会見も行われ、また「アーバンドッグ ららぽーと豊洲」で開催されたジャパンプレミアイベントも好評だった映画『パシフィック・リム』。本書は『パシフィック・リム』の誕生秘話から本作で使われた最先端の特殊効果まで、壮大な『パシフィック・リム』の世界観を凝縮したビジュアルガイドブックです。
 『パシフィック・リム ビジュアルガイド』
 ギレルモ・デル・トロ(序文)、デイヴィッド・S・コーエン(文)
富原まさ江、堂田和美
 大型本(286㎜×260mm)・上製・156ページ・オールカラー・特典付き
◆完売◆
豊富な写真とともに語られる制作時のエピソードはもちろんのこと、人型巨大兵器“イェーガー”や地球を絶滅の危機に陥れる未知なる巨大生命体“KAIJU”の詳細なデータを徹底分析し、その完成までに至る細かなデザインプロセスもあますところなく記録しています。

また、ギレルモ・デル・トロ監督自身がノートに綴ったアイデアやイメージスケッチのコピー、映画で使用されているプロパガンダポスターなどの特典付録も満載です。SFファン、特撮ファン、怪獣ファンなら絶対に見逃せない貴重な資料の数々が詰まった垂涎の一冊です。
▲日本語版でも特典付録が満載です!(*写真は原書イメージです)

さらにギレルモ・デル・トロ監督自らが本書を解説した画像を字幕付きでYouTubeにアップいたしましたので、ぜひ一度チェックしてくださいね! 宣伝担当Tが頑張って字幕処理などをしてくれました!
 
関連ニュースとしては(すでにご存じの方も多いと思いますが)、『パシフィック・リム』と日本が世界に誇るイラストレーター寺田克也氏とのコラボポスターが公開されています! 寺田版ポスター、欲しいッ! 

最後になりましたが、実はこの『パシフィック・リム』は本国ではちゃんとアメコミになっているんですよね。存在自体は知っていたのですが、この『パシフィック・リム ビジュアルガイド』で手いっぱいでしたので、残念ながら見送ってしまいました……う~ん、ここはGくんに「アメコミ魂」を見せてほしかった(後日談:結果、小社で刊行することになりました)。 
▲『Pacific Rim: Tales From Year Zero』
さて、映画『パシフィック・リム』とアメコミが最後に繋がったところで、今回はこのへんでおしまいとさせていただきます。 前回の椎名さんによる「オルタナティブコミックとは何か?」から、今回はガクンッと質が落ちてしまいましたが、次回からはまた担当者が頑張ってくれると思います。今後ともよろしくお願いいたします。

ではまた!


(文責:山本将隆)

2013年7月15日月曜日

「オルタナティブコミック」 とは何か?

こんにちは。

このブログでは主にヒーローもののアメコミを中心に扱っているのは以前書いたとおりですが、小社では他のジャンルの本もいろいろと刊行しています。そのなかでも、先日発売したブラック・ホールは、いわゆる“オルタナティブコミック”の傑作と呼ばれる作品なのです。

『ブラック・ホール』はアメリカのコミックですが、通常はアメコミとは呼ばれません。
そこで使われる呼称が“オルタナティブコミック”なのですが、これっていったいどんな意味なのでしょうか? 「オルタナティブ」を辞書で引くと、「二者択一」とか「代替品」などという言葉が出てきます。しかし、具体的にはどんなニュアンスなのでしょうか?

そんな分かりづらーい“オルタナティブコミック”の世界について知るために、『ブラック・ホール』の翻訳を担当していただいた椎名ゆかりさんに寄稿していただきました。ぜひこれを機に、楽しくも奥深い“オルタナティブコミック”の世界に足を踏み入れてください!

それでは椎名さん、お願いします!!



“オルタナティブコミック”とは何か?
先月、当サイトを運営する小学館集英社プロダクションから拙訳によるアメリカのコミックブラック・ホールが出版された。公式サイトに掲載された宣伝文句に「米オルタナティブコミック界の帝王チャールズ・バーンズ、ついに日本上陸!」とあるように、本作はチャールズ・バーンズの初邦訳だ。
▲『ブラックホール』日本語版
チャールズ・バーンズはデビュー当初から、アート・スピーゲルマン主宰のコミックス雑誌『RAW』で続けて作品を発表し、その作家性が注目されてきた。アート・スピーゲルマンは、“オルタナティブコミック”を代表する作家であり、コミックスとしてのみならず一般の小説と並んでその芸術性が高く評価される『マウス―アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語』(邦訳・晶文社、1991年)の作者である。更にバーンズは高級文芸誌『The New Yorker』でイラストを発表するなど、イラストレーターとしての評価も高い。
▲『RAW』
▲『MAUS』
実際にチャールズ・バーンズはアメリカの“オルタナティブコミック”を語る際には必ず名前のあがる作家のひとりであり、『ブラック・ホール』は“オルタナティブコミック”の傑作と言われている。

しかし、ここまで読んできて「“オルタナティブコミック”って何だろう?」と思った人は少なくないのではないか。“オルタナティブ”という言葉のイメージと『ブラック・ホール』の表紙や解説を見て、「なんとなくわかるような気もするけれど、実際のところ“オルタナティブコミック”って何なの?」と思った方のために、当コラムではアメリカにおける“オルタナティブコミック”とは何かについて書いてみようと思う。

例えば『ミュータント・ニンジャ・タートルズ』(原題 Teenage Mutant Ninja Turtles 以下『TMNT』)という作品をご存じだろうか。
▲Teenage Mutant Ninja Turtles
『TMNT』は、4匹の亀が謎の物質を浴びたことで人間化し、同じく人間化したネズミを師匠に忍術を学び様々な敵と戦う物語である。実写映画、劇場アニメーション、TVアニメーション、TVゲーム、おもちゃ等々、メディアミックスも成功し、現在アメリカでは3度目のアニメ化作品が放映中。典型的なスーパーヒーロー像からは若干ズレているものの、擬人化した亀の主人公たちがヒーローとして活躍する人気作だ。

メジャーなプロパティと言える『TMNT』だが、原作は既存の作品のパロディ色を強く打ち出して1984年に始まった白黒のコミックであり、“オルタナティブコミック”と呼ばれることもある作品である。『TMNT』の原作が“オルタナティブコミック”と聞くと違和感を持つ人が多くいるかもしれない。大規模なメディアミックスも行われ、亀とは言えスーパーパワーを持ったティーンエイジャーが主人公の、子供に人気がある作品と聞けば、“オルタナティブ”のイメージとは真逆と感じる人もいるだろう。
▲コミック版『Teenage Mutant Ninja Turtles』
この『TMNT』や『ブラック・ホール』のように、一見まったく違う方向性を持った作品が同じように“オルタナティブコミック”と呼ばれることからもわかるように、“オルタナティブコミック”はわかりづらく、それが何かを説明するのは実は凄く難しい。

近年よく聞く“バンド・デシネ”という言葉と比べてみると、そのわかりづらさがよく伝わるのではないか。はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド(玄光社MOOK、2013年)では、“バンド・デシネ”について以下のように説明している。「フランス語圏のマンガです。ベルギーやスイス、ヨーロッパ近隣、最近ではアジアの作家もいます」(p18)。つまり“バンド・デシネ”とはフランス語圏で出版されるマンガの総称である。

しかし“オルタナティブコミック”は“バンド・デシネ”と違って総称ではなく、ある一群の作品を示すジャンルを表す言葉である。(仮にここでは、アメリカのマンガの総称を“コミックス”と呼ぶことにする。)コミックスに限らず何においても、ひとつのジャンルにどの作品が含まれて、どの作品が含まれないかを語るのは難しいが、特に“オルタナティブコミック”の場合、特定の題材、流通の形態、制作のされ方等を指しているわけではないことも、余計にその言葉をわかりづらくしている。

そのわかりづらさのひとつに、もともと“オルタナティブコミック”が「特定の何か」を指す言葉としてではなく、「特定の何かでないもの」を指すために使われ始めたことも原因としてあるかもしれない。“オルタナティブ”(=もうひとつのもの、代わりの、等)という言葉の示す通り、“オルタナティブコミック”とは“メインストリーム”、つまり既に存在するコミックスの“主流”に対して、“主流ではない”作品を示そうとして使われ始めたのである。

身も蓋も無い言い方をすれば、“オルタナティブコミック”とは何かについて厳密に語ろうとすると、「“メインストリーム”と呼ばれる作品以外のコミックスのこと」ぐらいしか言えなくなってしまう。しかし、そうすると今度は「コミックスの“メインストリーム”とは、どういう作品群のことか」も説明する必要が出てくる。しかもややこしいことに、“メインストリーム”と見なされる作品も実は、状況や文脈によって異なるのである。

とはいえ、絶対に“オルタナティブコミック”とは呼ばれない(=メインストリーム)作品群は存在するので、逆説的にそこから“オルタナティブコミック”について把握することは可能だろう。その作品群とはふたつあり、1つ目は新聞の全国紙に連載しているコミックストリップ、2つ目は大手コミックス出版社DCとマーベルから出ているスーパーヒーロー作品である。つまり、これ以外はすべて“オルタナティブコミック”と呼ばれる可能性があり、場合によっては実際にそう呼ばれている。

映画・マンガ批評家の小野耕世氏が、著作アメリカン・コミックス大全(晶文社、2005年)の中で「アメリカの物語マンガ出版の分野」として、以下の三つの分類を行っている(P17)。

① 1世紀以上の歴史をもつ新聞連載マンガ(newspaper strip)


② スーパーヒーローものを中心とするコミックブック出版のメインストリーム (main stream comics)
③ マンガ家が個人で出したり小さな出版社(比較的大きなものも)から出ているオルタナティヴ・コミックス(alternative comics)

小野氏の分類は非常に簡潔で、とても分かり易い。ただし「新聞連載マンガ」でも、掲載されている新聞が全国紙の場合は“メインストリーム”とみなされるが、全国紙ではなく「オルタナティブ・ニュースペーパー」(いわゆるミニコミ誌のようなものから、大学新聞や地方紙なども含む)というタイプのものである場合は、連載コミックスを“オルタナティブコミック”と呼ぶこともある。

更に上の②で取り上げられている「コミックブック出版のメインストリーム」では、コミックブックがスーパーヒーローを扱っていたとしても大手2社(DCとマーベル)以外から出ている場合は“オルタナティブコミック”と呼ばれることがあるので注意が必要だ。しかも大手2社から出ていても扱っている題材によっては“オルタナティブコミック”と呼ばれることもある。作者オリジナルの作品が多い大手DC社のVertigoレーベル作品を“オルタナティブコミック”と見る人は多い。

最後の③の「個人で出したり小さな出版社から出ている」作品に限っては、すべて“オルタナティブコミック”と言っても大丈夫に思われるが、実は「小さな出版社」から出ていても「GIジョー」などの他メディアの有名プロパティのコミカライズ作品が“オルタナティブコミック”と呼ばれることはほとんどない。

このように見ていくと“オルタナティブコミック”がわかりづらく、説明するのが難しい言葉であることをわかっていただけると思うが、それでもぼんやりと“オルタナティブコミック”が示す作品群のイメージはつかめてきたのではないだろうか。

そこで、ある程度の誤解や漏れが生じることを承知で、敢えて“オルタナティブコミック”を以下のように定義してみることにする。

「全国紙に連載されているコミックストリップではなく、大手コミックス出版社DCやマーベルから出ているスーパーヒーローものでもない、作者オリジナルのコミックスのこと。一般に作家性の強い文学的作品を指す場合が多いとも考えられるが、出版形態によってはエンターテイメント性の高い作品も含まれる。」
個人的には、アメリカのコミックスの多様性を理解する上で“オルタナティブコミック”という言葉のわかりづらさを知ることはとても重要だと思っている。このわかりづらさ、即ち多様性もアメリカのコミックスの魅力の一部なのだから。

椎名ゆかり





※「オルタナティブコミック」の日本語表記は「オルタナティブ・コミック」であったり、「オルタナティブ・コミックス」であったりするが、この記事では、「オルタナティブコミック」に統一する。
(編集:佐藤学

2013年7月1日月曜日

『マーベルズ』と旧版『マーヴルズ』の違いを詳細解説

こんにちは。

今回は読者の皆さまから質問の多い、7月24日頃発売のアメコミ『マーベルズ』について説明させていただきます。
なぜ質問が多いのかというと、本書は約15年前の1998年に小社から刊行した『マーヴルズ』という作品の改訂再販本だからです。つまり、当時『マーヴルズ』を購入された方からの「内容はどこが同じで、どこが違うのか?」というご質問が主になります。
それにお答えする前に、まずは『マーベルズ』という本そのものについてご紹介させていただきます。


【マーベルズとは?】

原書:『MARVELS』(1994年発売)
ライター:カート・ビュシーク
アーティスト:アレックス・ロス

















タイトルの『MARVELS』とは、「驚嘆すべき者達」のこと。
つまり、普通の人間を遥かに超えた力を持つ、超人類達のことを指します。
作中には、“アベンジャーズ”や“X-MEN”、“ファンタスティック・フォー”や“スパイダーマン”といったスーパーヒーローたちが続々と登場します。敵役のヴィランにも、ギャラクタスやグリーン・ゴブリンなどの超大物が登場します。
そして、そんな本書の主人公を勤めるのが、あの“フィル・シェルダン”です!
……などと言っても、本書を御存じない方は知りませんよね。
彼は、カメラマンを目指す普通の市民であり、特別な力は何もありません。だからといって『キック・アス』のように身体にむち打って悪と戦うわけでもありません。本当に普通の市民。一般人なのです。
作品は、この一般人であるフィルが、カメラマンという仕事を通して「マーベルズ=驚嘆すべき者達」の姿を見つめていくことで描かれていきます。
彼の感情はとてもリアルに、「もし我々の世界に、超人類達がいたらどうなるのか?」という状況を伝えてくれます。

そして、そのただでさえリアルな物語を、アレックス・ロスのアートが芸術の位置へと高めました。
3歳から絵を描き始めたというアレックス・ロスは、アメコミ業界を代表する稀代の絵師です。
その作風はあまりにも写実的であり、想像の世界に生きていたはずのキャラクター達が、まるでここに実在するかのようにリアルなのです。
すごいのは、そのクオリティがすべてのコマで保たれていること。ロスの作品は1コマ1コマが芸術だと言っても、過言ではないでしょう。
本書にもその制作過程が記されていますが、1枚の絵を描くためにモデルにポーズを取らせ、時にはコスチュームを着せて写真を撮り、服のシワや光の当たり方を確認して絵を描きおこすという超人的な労力から、この芸術が生み出されているのです。
もし、アレックス・ロスの作品を見たことがない方がいらっしゃれば、ぜひ本書をお手に取ってください。絶対に驚きますよ!

そうして生まれた本書は、本国では発売時よりけた外れの人気を博し、大ヒット作品となり、批評家にも絶賛され、権威ある賞のアイズナー賞とハーベイ賞をそれぞれ3部門受賞するという偉業を達成しました。
そのあたりは、『マーベルズ』に収録する「スコット・マクラウドによる寄稿」に詳しく、そして面白おかしく書いてあります。(スコット・マクラウドはカート・ビュシークの中学時代からの友人であり、小規模出版社で活躍するコミック・アーティスト)

そんなスゴイ作品なのですが、本書は詳しい前知識なしでも純粋に楽しめる「アメコミ初心者大歓迎」の作品です!
アメコミに詳しくない方、マーベル作品に詳しくない方でも安心してお読みください。

[本書のあらすじ]
太平洋戦争前夜、野望に燃えた若者達がいた。カメラマンを目指すフィル・シェルダンもその一人だ。しかし、突如現れはじめた超人類達の存在が、彼の人生に大きな影響を及ぼしていく。その人智を超えた力に驚愕し、脅威と戦う姿に熱狂し、やがて人類を脅かす可能性に戦慄する……。我々を遥かに超えた力を持つ存在“マーベルズ”は、人類に何をもたらすのか!?




【『マーベルズ』と『マーヴルズ』の違い】
それでは本題に移ります。

・なぜタイトルが違うのか?
これも時々質問をいただくので、お答えします。
出版社名でありブランド名でもあるMARVELの日本語表記が関わっているのですが、
『マーヴルズ』が発売された当時には「マーヴル」が正式とされていました。
現在は「マーベル」が正式な日本語表記となりましたので、
本書のタイトルも『マーベルズ』に変更しました。
(※「マーヴル」表記が使われているジャンルもありますので、個別の状況によるようですが)



・それぞれの内容は?
現在の基準に合わせて、
全般的に翻訳やデザインの見直しを行いましたが、
コミック本編は基本的に同じです。
ただし、本書『マーベルズ』は、2010年に米国で発売されたTPBを底本としているため、
旧版の『マーヴルズ』とは一部コンテンツが異なります。
具体的な違いは下記のとおりです。

―――――――――――――――――――――
『マーヴルズ』
1998年2月刊行
216ページ
本体価格:2,286円(税込:2,400円)

コミック本編
スタン・リーのまえがき
カート・ビュシークのコメンタリー
アレックス・ロスのコメンタリー
ジョン・ロミータ(Sr.)のコメンタリー
アレックス・ロスによる作画プロセスの解説
謝辞
―――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――
『マーベルズ』
2013年7月24日頃刊行
248ページ
本体価格:2,300円(税込:2,415円)

コミック本編
スタン・リーのまえがき
・イラスト、試し描き、スケッチ(32ページ分) ←追加
・スコット・マクラウドによる寄稿 ←追加
アレックス・ロスによる作画プロセスの解説
謝辞

※掲載が無くなったページ
[カート・ビュシークのコメンタリー]
[アレックス・ロスのコメンタリー]
[ジョン・ロミータ(Sr.)のコメンタリー]
―――――――――――――――――――――

上記のように
『マーヴルズ』の時から、『マーベルズ』は32ページ増加しました。
旧版であった3人の作家のコメンタリーが未収録なのは残念ですが、
その分、アレックス・ロスによる旧版に未収録の「イラスト、試し描き、スケッチ」が32ページ分も追加されているのが本書の売りといえるでしょう。
それらのは、どれも「さすが、アレックス・ロス!」と感嘆するクオリティであることは間違いありません。ほんの一部ですが原書を撮影した写真を掲載しますので、購入の参考にしていただけると幸いです。



『マーベルズ・ヒーローズ・ポスター』
皆さまご存じのマーベルを代表するヒーロー達が集合! ロスのアートがあまりに荘厳です。













『マーベルズ・ヴィランズ・ポスター』
こちらもマーベルを代表するヴィラン(悪役)達が集結。ド迫力!













『ブラック・ウィドウとグウェン・ステイシーのカラースケッチ』
映画「アベンジャーズ」等で人気のブラック・ウィドウと、映画「アメイジング・スパイダーマン」のヒロインのグウェン・ステイシー。
美しい2人は、本書の物語にどう関わってくるのでしょうか?








『マーベルズ ポスター』
これは単なるアルファベットのロゴではありません。よくみると、様々なキャラクター達が絵画のように描かれた、とんでもない代物なのです!












【その他のアレックス・ロス作品】
さて、いかがでしたか?
『マーベルズ』の発売まで1か月を切りました。ぜひ楽しみにお待ちいただけますと幸いです。
でも、「待ちきれない!!」という方のために、現在発売中のアレックス・ロス作品をご紹介して、今回の締めとさせていただきます。
最後にこれだけは言わせてください! 
「アレックス・ロス作品に外れなし!!」



『キングダム・カム 愛蔵版』
マーク・ウェイド[作]
アレックス・ロス [画]
3,400円+税

ある意味、本書『マーベルズ』と対をなす、DCコミックスの名作中の名作! ヒーローが不在となった近未来の世界を描く、エルスワールド(異世界)作品です。新世代の超人類達のせいで混沌としてしまった世界に秩序を取り戻すため、復帰を決意するスーパーマンだが……。
バットマン、ワンダーウーマンなど、オールスターが総登場!






『DCスーパーヒーローズ』
ポール・ディニ[作]
アレックス・ロス[画]
3,200円+税


DCコミックスの人気キャラクター達のオリジンストーリーが収録されているので、「アメコミ入門書」としてもぴったり! 幻のコミック『バットマン:ウォー・オン・クライム』等を収録した他、アレックス・ロスの制作舞台裏が垣間見れるアート集と解説も掲載!!






(文責:佐藤学)