2013年5月23日木曜日

基礎から始めるアメコミ講座【2】

こんにちは!

当ブログを楽しみにお待ちいただいていた読者の皆さま、私の体調不良により更新が遅れてしまい失礼しました。とりあえず復活したので、いざ更新です!

というわけで、今回は「基礎から始めるアメコミ講座【2】」です。

「初めてアメコミを読んでみようと思う方」が対象なので、アメコミ読者にとっては“当たり前”のことが多いと思いますが、そこは温かい目で見ていただけると幸いです。


◆アメコミの制作体制
これは有名な話ですが、多くの場合、アメコミは分業制で作られています。細かい分担は下記のとおりです。

・ライター writer
ストーリーを書く、原作者のこと。

日本のマンガでも原作と作画で分かれていることも多いため、イメージが掴みやすいかもしれませんね。もちろんケース・バイ・ケースだと思いますが、その“原作”となる文章を読むと、ストーリーラインや一つ一つのセリフはもちろん、作画担当者への細かい依頼や指示、コミック本編には描ききれないほどの盛りだくさんの情報が詰まっていることに驚かされます。

原作とコミックを読み比べたい方は、ぜひ下記の作品がおススメです! 今や名ライターとしての地位を確立したグラント・モリソンの出世作で、とにかくアーティスティックなコミックとともに、それに負けないほどの“濃い”原作を掲載してあります!! 

この本は、ストーリーもアートもあまりに刺激が強すぎるので、疲れている時に読むと心を持っていかれる危険性があります。心身ともに元気な時にお読みくださいね(笑)。
『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』
グラント・モリソン[作]デイブ・マッキーン[画]

・ペンシラー penciler
作画家。 その名の通り、鉛筆で下書きを描く人のことです。

例えば「○○が描いたスパイダーマンが好き」という場合は、このペンシラーの名前が上がります。
コミックスによっては、特典ページで“ペンシル画(下書き)”を掲載しているものもありますので、ぜひ注目してください。

・インカー inker
下書きにインクでペン入れをする人のことです。

線一本の違いで大きく絵の印象が変わってしまうことだってあるので、とっても重要な仕事ですね。
日本のマンガの場合、通常は下書きもペン入れも同じマンガ家さんが手掛けるため、実は一番大きな違いがあるパートかもしれません。

・アーティスト artist
ペンシラーとインカーの両方を一人でこなすような人の場合、アーティストと表記されることがあります。

ぜひ、知っていただきたいアーティストといえば、アレックス・ロス。この方の描くコミックは、ページの1コマ1コマがまるで1枚の絵画のように美しいのです。それもそのはず、たった1コマを描くために、彼はとんでもない労力を費やしているのですが……。その素晴らしい作品と、作品作りの裏側はぜひ下記のコミックスでお読みください! 物語もアートも素晴らしい、大傑作です!!


『キングダム・カム 愛蔵版』
マーク・ウェイド[作]アレックス・ロス[画]
・カラリスト colorist
これも言葉のとおり、絵に彩色をする人のことです。

ほとんどのアメコミは全ページフルカラーなので、とにかく大変な作業です。安定した作品作りのためにも専門家の存在が必須なんですね。近年ではデジタル彩色が主流になっていて、CGを使った迫力のあるビジュアルも楽しませてくれます。

・レタラー letterer
このパートは日本のマンガ制作にはありません。文字や擬音語を書く方のことです。

現在はデジタルのフォントに移行していますが、以前はアメコミのセリフや擬音は手書きで書かれていたのです。そのため、担当者によって細かいニュアンスの違いがあり、玄人のアメコミファンにとってどのレタラーが担当しているのか?ということも重要な要素だったとか。


◆一方、日本のマンガは?
それでは、ちょっと視点を変えて、日本のマンガはどうやって作られているのでしょうか?

もちろんケース・バイ・ケースではあるのですが、比較のため、一人のマンガ家さんが作品すべてを描くパターンの一例をざっくり紹介します。

・プロット作り(やらない場合もあり)
物語の骨子となるプロットを、主に簡易な文章で作ります。(基本的にアメコミの原作よりもずっと簡易なものです)

同時にキャラクターのイラストと設定を書いた、「キャラ表」も作ります。主人公の目的と物語の進行、具体的なエピソードなどを編集者と打ち合わせ、問題なければネーム作りに移ります。



・ネーム作り
ネームとは、コマ割りや簡単なイラストを描き入れたマンガの設計図のことです。場合によっては、プロットを作らずに、いきなりネームから始めることもあります。

キャラクターが動いているか、プロットで意図していたマンガの狙いが表現できているか、それ以上に面白いかなどを編集者と打ち合わせ、問題なければ下書きに移ります。
具体的なセリフ回しや実際の作品の流れは、この時点で決まります。



・下書き
ネームで作ったコマ割りやイラストを、原稿用紙に書き入れます。実際に絵にしてみると、ネームとは違う表現や構図になることもあります。



・セリフの文字作り
日本のマンガも近年はデジタルフォントが主流になりました。下書きの時点で、編集者はセリフごとのフォントや大きさを指定して、写植を作ってしまいます。



・ペン入れ
下書きに、基本的にマンガ家さん本人がペン入れを行います。ただし、一部をアシスタントさんに任せる人から、すべて自分でペン入れを行う人まで様々です。



・仕上げ
基本的に本文はモノクロ印刷なので、いろいろな濃淡や模様を表現するスクリーントーンが大活躍。これもアシスタントさんに任せる人から、できる限り自分で行なう人まで様々です。


多少乱暴ですが、比べてみるとそれぞれの違いが分かって面白いですね。こうした制作体制以外にも様々な違いがあり、その(日本のマンガから見た)違いこそがアメコミならではの魅力を作っています。それらについても、おいおい書いていきたいと思います。


●「アメコミ魂」関連記事●
●基礎から始めるアメコミ講座【1】
●基礎から始めるアメコミ講座【3】



(文責:佐藤学)

2013年5月6日月曜日

ShoPro Books American Comics Lineup 2013

こんにちは。

今回は、我々ShoPro Booksが2013年に刊行を予定しているアメリカン・コミックスのラインナップを発表させていただきます!
掲載作品以外にも企画中の作品がありますので、企画が決定次第ご連絡いたします。ご期待ください!


◆【4月23日頃発売】(絶賛発売中!)

『JLA:逆転世界』
グラント・モリソン[作]
フランク・クワイトリー[画]
定価:1,890円(税込)

ここは善悪が逆転した世界。
ジャスティス・リーグ(JLA)は、自らの悪の鏡像と対峙する!






『JLA:バベルの塔』
マーク・ウェイド[作]
ハワード・ポーター[画]
定価:1,995円(税込)

それぞれの能力に応じて作られた罠によって、
虫ケラのごとく蹂躙されているジャスティス・リーグのヒーローたち……。
これは、裏切りの罠なのか……それとも?






◆【5月29日頃発売予定】

『スーパーマン・フォー・オールシーズン』
ジェフ・ローブ[作]
ティム・セイル[画]
定価:2,310円(税込)

スーパーマンを語るためには、これを読まねば始まらない。
若き日のクラーク・ケント/スーパーマンの成長を描いた感動作!






『アイアンマン3:プレリュード』
クリストス・ゲージ他[作]
スティーブ・クルス他[画]
定価:1,890円(税込)

絶賛公開中! 映画『アイアンマン3』のここでしか読めない前日譚。
そして、『アイアンマン2』のコミカライズ等を収録!






『アイアンマン:エンター・ザ・マンダリン』
ジョー・ケイシー[作]
エリック・カネッティー[画]
 定価:2,100円(税込)

映画『アイアンマン3』に登場する宿敵マンダリンとの初対決を描いたエピソードを、現代的な視点から再構成。
その因縁の秘密が明らかに!






※以下、カバーは原書版イメージです。

◆【6月発売予定】
『ウォンテッド(仮)』
マーク・ミラー[作]
J・G・ジョーンズ[画]

映画『ウォンテッド』(2008年)の原作コミックを初邦訳。
『キック・アス』の偉才マーク・ミラーが放つ、悪漢たちのユニバース!







『ブラック・ホール(仮)』
チャールズ・バーンズ[作・画]

全米の権威ある漫画賞(アイズナー賞、ハーベイ賞、イグナッツ賞)を総ナメにしたコミック史に残る傑作が、待望の日本上陸!!









◆【7月発売予定】
『マーベルズ(仮)』
カート・ビュシーク[作]
アレックス・ロス[画]
待望の復刊!
マーベル・ユニバースで起こった出来事を、一般市民の目から語りなおした意欲作。アレックス・ロスの超越的な“仕事”を見よ!







『サイボーグ009 USAエディション(仮)』
F・J・デサント、ブラッドリー・クランプ[作]
マーカス・トゥ[画]

日本マンガ界を代表する巨匠、石森章太郎先生が描いたあの『サイボーグ009』がアメコミになって登場!
新たな視点で描かれたゼロゼロナンバーズの戦いが始まる!
(日本版カバーデザインは近日公開!)






◆【8月発売予定】

『スーパーマン:ラスト・サン(仮)』
ジェフ・ジョーンズ、リチャード・ドナー[作]
アンディ・キューバート[画]

メトロポリスに墜落した宇宙船に乗っていた1人の少年。
彼をめぐる戦いの行方は!?
映画『マン・オブ・スティール』は、8月30日公開予定!






『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ザ・ステイト(仮)』
マーク・ミラー[作]/ジョン・ロミータJr.[画]

次々とヒーローを襲撃するウルヴァリン。
彼の身に何が起きたのか!?
映画『ウルヴァリン:SAMURAI』は9月13日公開予定!








【2013年秋発売予定】
『バットマン:ハッシュ 完全版(仮)』
ジェフ・ローブ[作]
ジム・リー[画]

人気キャラクター総出演!
豪華作品が復刊します!







『バットマン:ノーマンズ・ランド Vol.1(仮)』
デビン・グレイソン、マイケル・ロバート・ゲイル[作]
J・スコット・キャンベル他[画]
たくさんの刊行希望が届いた、
バットマンファン垂涎の超大作!








『ロビン:イヤーワン(仮)』
スコット・ビーティ、チャック・ディクソン[作]
マーカス・マーチン[画]
バットマンのサイドキックであるロビン/ディック・グレイソンのオリジンストーリー。








『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス(仮)』
ビクター・ギシュラー[作]
ボン・ダゾ[画]

アメコミファンの皆さまの熱いリクエストが実現しました!
デッドプール作品の邦訳決定です!!







『スパイダーマン:ニュー・ウェイズ・トゥ・ダイ(仮)』
ダン・スロット、マーク・ウェイド[作]
ジョン・ロミータJr.他[画]

小社から大好評発売中の『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』、そして『スパイダーマン:ブランニュー・デイ』1~3巻の続編が刊行決定!
そして、ノーマン・オズボーン、登場!!






『スパイダーマン:エレクション・デイ(仮)』
マーク・グッゲンハイム、マーク・ウェイド他[作]
ジョン・ロミータJr.他[画]
ニューヨーク市長選も間近!
物語はさらにエキサイトする!!








『スパイダーマン:アメリカン・サン』
ジョー・ケリー[作]
フィル・ヒメネス[画]
ノーマンとの関係の中、混乱に巻き込まれていく親友ハリーを救おうとするピーター。戦いの行方は!?








『2ガンズ(仮)』
スティーブン・グラント[作]
マテウス・サントルーコ[画]

現在、映画化進行中のガンアクションの原作コミックを初邦訳!








『R.I.P.D.(仮)』
ピーター・レンコフ[作]
ルーカス・モランゴン[画]

こちらも映画化進行中のアクションファンタジー!
初邦訳です!







『バイオレント・ケース(仮)』
ニール・ゲイマン[作]
デイブ・マッキーン[画]

2人の鬼才によって生まれた狂気的ともいえる作品は、もはや芸術!








今回の発表はここまでです! 上記以外にも、急きょラインナップに追加される作品もあるかもしれません。もりだくさんにお届けしていくShoPro Booksのアメリカン・コミックスを、どうぞよろしくお願い致します!


(文責:佐藤学)