2013年9月23日月曜日

『R.I.P.D. / アール・アイ・ピー・ディー』を語る

こんにちは!

9月28日頃発売(地域によって若干異なります)の『バットマン:ハッシュ 完全版』『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』については、すでにこちらでご紹介させていただきました。どちらも読者からの刊行希望の多かった作品ですから、発売日が待ち遠しいですね。

さて、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、同日にアメコミをもう1作品刊行するんですよ。DARK HORSE COMICS作品だからいうわけではありませんが、まさにダークホース的存在『R.I.P.D. / アール・アイ・ピー・ディー』です。騙されたと思ってぜひ読んでみてください。なかなか面白いんですよ、この作品。

アートもアニメ画っぽく親しみやすいし、翻訳も『ヘルボーイ:壱/弐』や『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』の堺三保さんの訳で非常に読みやすくなっています。ゴーストを退治するニック刑事とロイ保安官の掛け合いとかスラングとかも面白く訳していただいています。ちなみに堺三保さんには10月末刊行予定の『2ガンズ』の翻訳も担当してもらいました。ハードボイルドな作品で、11月1日公開の同名映画の原作コミックです。

『R.I.P.D. / アール・アイ・ピー・ディー』は、10月18日公開の映画『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』の原作コミックになります。映画のほうもこれまたB級臭がいたしますが(笑)、悪霊(ゴースト)たちのCGなどにもしっかり制作費をかけているようで、アクションあり、笑いありの娯楽作品としてたいへん楽しめました。

監督は『RED/レッド』(2010)のロベルト・シュヴェンケ監督。公式でも引用していますが、『メン・イン・ブラック』や『ゴーストバスターズ』などが好きな人には超おススメです。映画では、『グリーン・ランタン』でハル・ジョーダン役を演じたライアン・レイノルズがニックを、『クレイジー・ハート』で米アカデミー賞主演男優賞を獲得したジェフ・ブリッジスがロイを演じています。


このコミックは、1999年10月から2000年1月にかけて出版された4冊のミニシリーズ『R.I.P.D.』をまとめた単行本の邦訳版です。タイトルの“R.I.P.D.”は、“Rest in Peace Department”の頭文字をとったもので、“Rest in Peace(安らかに眠れ)”と“Police Department(警察署)”をかけた造語でしょう。本書では「冥福警察」と訳しています。


脚本を担当したピーター・M・レンコフは、テレビ番組や映画の脚本家/プロデューサーとして有名で、CBSの人気長寿番組『HAWAII FIVE-O』や『24-TWENTY FOUR』『CSI: ニューヨーク』などを手掛けています。エミー賞にノミネートされるなど、数々の賞を受賞した実力派なのです。

本書でコミック業界のデビューを果たしたペンシラーのルーカス・マランゴンは、その後ダークホース・コミックス社の『スター・ウォーズ』シリーズなどを担当した。アニメーター/イラストレーターとしても活躍しているインカーのランディ・エンバリンは、コミックではインカーを担当することが多く、『アメイジング・スパイダーマン』や『GIジョー』などの作品を手掛けており、親しみやすい独自のスタイルを確立しています。


原作コミックと映画の内容は大きくかけ離れていませんが、映画はエンタメ要素を重視し、さまざまなアイデアが付け加えられています(現世ではロイが金髪美女に、ニックがアジア系の老人になってしまうとか)。一方、原作コミックは、映画よりもシンプルなストーリーで、アートもアメコミを初めて読む人に受け入れやすい作風になっています。映画を先に観てもよし、本書を先に読んでもよし、ぜひ双方に通じる『R.I.P.D.』のコンセプトを楽しんでください!

余談ですが、「あれ?『○○のアメコミ魂』というタイトルバナーから“○○”の冠がなくなっている?」とお気づきの方……素晴らしい、あなたはもう「アメコミ魂」マニアです。情けない話ですが担当者がブログに手が回らないということで、今後しばらくはブログの執筆担当者を特定せず、複数名で執筆していこうかと思います。引き続きよろしくお願いします。

ではまた!


(文責:山本将隆)