2013年9月1日日曜日

大解剖『バットマン:ハッシュ 完全版』

こんにちは!

今日から9月ですね。「あ~夏休み終わっちゃった」なんて思っている人も多いはず……。

さて、今回の企画は9月28日頃発売予定の『バットマン:ハッシュ 完全版』を紹介します。同時発売に日本初上陸の『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』や映画原作コミック『R.I.P.D. アール・アイ・ピー・ディー』などがあります。とにかく、どれも注目作ですので、ぜひご贔屓に!

これだけ邦訳コミックが出ていますと、何がいま発売されているかを忘れてしまいますので、念のために8月発売の邦訳アメコミを列挙しておきます。。
『スーパーマン:ラスト・サン』
『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』
『バットマン:梟の夜(THE NEW 52!)』
コミックじゃないけど……これも。
『アート・オブ・アイアンマン3』
あと…アメコミじゃないけどヒーローつながりでこれも……。
『科学忍者隊ガッチャマン アニメアーカイブス』


では、謎の包帯男ハッシュの話をしましょう。

■『BATMAN: HUSH』について
▲『バットマン:ハッシュ完全版』

『BATMAN:HUSH』は、2002~2003年に『BATMAN』誌で12回にわたって連載されたエピソードです。その後、全2巻のTPB(単行本)が刊行(本書を底本としたものが他社さんで邦訳)。2005年には全エピソードに加え、多くの特典ページを収録した『ABSOLUTE BATMAN HUSH』が刊行されました(今月末刊行する『バットマン:ハッシュ 完全版』は本書が底本です)。

また2011年にはジム・リーのペンシル画で構成された『BATMAN:HUSH UNWRAPPED』(『バットマン:ハッシュ 完全版』にも少しだけ特別収録!)も出版されています。



ABSOLUTE版(完全版)は、大判のハードカバーで豪華なケースのついたDCコミックのシリーズで、小社でも『ウォッチメン』や『バットマン:ダークナイト』『キングダム・カム 愛蔵版』などはこのABSOLUTE版を底本としています。


左が『ABSOLUTE BATMAN HUSH』。右はABSOLUTE版を底本とした翻訳版『キングダム・カム愛蔵版』

アメコミの通常の単行本サイズと比較するとこんなにも大きいのがABSOLUTE版。書棚に収まりきれませんね(笑)


▲ハッシュ。モザイクの理由は……
ジム・リー&ジェフ・ローブの『BATMAN:HUSH』は大ヒットを記録するのですが、大ヒットに至るまでの過程などについては、『バットマン:ハッシュ 完全版』に収録されているジム&ジェフによるイントロダクションや日本語版解説をご覧ください!

本書は読みきり作品として成立しており、バットマンのキャラクターやヴィランが多く登場するので、バットマン入門書としても適しています。ちなみに“HUSH”は謎の包帯男の名前なのですが、日本語では「しっ。静かに。黙って」という意味になんですね。読む前に覚えておくといいかもしれませんね。




■『バットマン:ハッシュ 完全版』の収録特典
《その1》ジム&ジェフによるイントロダクション
ジム・リーとジェフ・ローブによるイントロダクションを冒頭に収録。これは本書の底本である『BATMAN HUSH ABSOLUTE』の出版当時(2005年)のインタビューなので、モロネタバレになっています。『ハッシュ』を初めて読む日本の読者は、この項目は本編を読んだ後に読むべきですね。逆に『ハッシュ』をすでに読んだことなある方は、初めから読んでいただいてもいいですし、とても興味深い内容になっています。
▲ネタバレが含まれているイントロダクション(写真は原書版。以下同)

《その2》カバーアート集
全2巻の単行本にもカバーアートは収録されていましたので、もちろん重複する画もあるのですが、こちらの方がアートが豊富ですね。


《その3》ジム・リーによる解説
アーティストによる場面解説。これは贅沢ですね……。写真でいうと右のページになります。日本語版でも12ページにわたって解説されています。


《その4》スケッチ集
これは画を勉強している人やイラストを趣味にしている人には大変参考になりますよね。


《その5》ジム・リーの原画が完成するまで
見開き2ページのみの収録ですが、裏側が見れてとても楽しい!


《その6》修正原稿
完全版だからこそのこの企画、マニア垂涎です!



《その6》商品デザイン
このフィギュア、うちの100名様プレゼントにあったような……。このフィギュアにもちゃんとデザイン画があったんですよね。


《その6》日本語版のみの特別収録『バットマン:ハッシュ アンラップド』の冒頭をほんの少しだけ収録!
日本の読者に喜んでもらえるか分かりませんが、一応、自分のアイデアで入れてみました。本当は全ページ入れたかったのですが、そうなると700ページ近くになってしまうのでやめました(笑)。雰囲気だけでも味わっていいただければ幸いです。
▲これが『~UNWRAPPED』の原書。う~ん、渋い


▲中身はこんな感じ! ジム・リーファンにはたまらないでしょうね……


そのほか下絵やスケッチなどもまだまだ収録されています。もちろん、いつものように日本語版解説と用語解説も収録されています。今回の『バットマン:ハッシュ 完全版』は、完全新訳なので、その点もご注目くださいね!



HUSH!(しっ!)……この記事は誰にも言わないで!……というのは冗談で、買おうかどうか悩んでいる人はこの記事を参考にしてください。最近、アメコミファンになった人には全力でお薦めできる作品です! 最後に、日本語版のケースと表紙のデザインを本邦初公開。なかなかカッコよくできたと思います。ご期待ください。


ではまた!


(文責:山本将隆)